トヨタのFC施設、米エネ省の2025年度ベタープロジェクト賞

フューエルセル・エナジー社(FuelCell Energy, Inc.)とトヨタ・モーター・ノース・アメリカ(TMNA)は2025年5月1日(カリフォルニア州ロングビーチ発)、ロングビーチ港に初めて設置された「Tri-gen(トライジェン)」施設が、米国エネルギー省より2025年度ベター・プロジェクト賞を受賞したことを明らかにした。

ベター・プロジェクト賞は、エネルギー、水、廃棄物の削減効率化対策の実施において、革新的かつ業界をリードする成果を挙げた個々の施設を表彰するもの。

今回の受賞を受けてフューエルセル・エナジーでCEO兼社長を務めるジェイソン・フュー氏は、「トライジェンは、フューエルセル・エナジーの革新的なイノベーションの好例です。

トライジェンは、既存のビジネスモデルやオペレーションを犠牲にすることなく、クリーンエネルギーでお客様の事業を活性化するソリューションを提供しています。

トヨタとの協業により、実用的でありながら変革をもたらすソリューションを生み出し、ロングビーチ港の地域住民のための大気質改善の取り組みに貢献できたことを誇りに思います」と述べた。

次いでTMNAでサステナビリティ・規制業務グループ副社長を務めるトム・ストリッカー氏は、「トライジェン社の施設が米国エネルギー省からこの賞を授与されたことは、誠に光栄です。

これは、当システムの影響力、拡張性、そして環境問題への取り組みにおける創意工夫の大きさを証明しています。

フューエルセル・エナジー社のエネルギープラットフォームは、当社が複数の環境目標を同時に達成するのに役立ちました。その結果、水素ソリューションをクリーンエネルギー・エコシステムに統合し、地域社会を豊かにし、エネルギー自立を強化する実証済みの方法として、先例となるモデルが誕生しました」と語った。

トヨタの保有技術を背景にフューエルセル・エナジー社が所有・運営するトライジェンは、トヨタロジスティクスサービスの港湾車両処理業務向けに、再生可能電力、再生可能水素、使用可能な水の3つの製品を生産している。

そんなトライジェンは、カリフォルニア州の下水処理施設から排出される有機廃棄物を消化し、電気化学プロセスによって最大2.3メガワットの再生可能電力を生成。

この再生可能電力の利用により、年間9,000トン以上のCO2排出量の削減と、6トン以上のグリッドNOx排出量の削減が見込まれている。また使用されなかった電力は、地元の電力会社に提供される。

更にトライジェンは、 2025年型トヨタ・ミライやクラス8のトラックなどの燃料電池電気自動車向けに、毎日最大1,200キログラムの水素を生産している。

最後にトライジェンは、毎日約 1,400 ガロンの水をリサイクルし、納品前に新しく加工された車両を洗浄するために使用することで、地元の水道水の使用量も削減している。

このプロジェクトの成功は、トヨタとフューエルセル・エナジー両社の持続可能なソリューションへのコミットメントを示すものとなっている。

またトヨタとフューエルセル・エナジーは、トライジェンで採用されている新しいアプローチを展開することで、既存の代替手段よりも低コストで環境への影響を抑えながら、環境負荷の低いエネルギーソリューションを市場に提供できると考えているという。