ホンダ、国内生産移管の新スクーター「ジョルノ」販売開始


本田技研工業株式会社(本社:東京都港区、社長:八郷隆弘、以下、ホンダ)は、原付スクーター「ジョルノ」の外観を一新するとともに、水冷・4ストロークエンジン「eSP(イーエスピー)」※1を搭載し、生産をこれまでの中国から日本の熊本製作所に移管して、10月16日(金)に発売する。

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ジョルノは、若者層の嗜好に応えるため、スマートフォンなどの充電に便利なアクセサリーソケットを標準装備。丸くてかわいい”をスタイリングテーマにスタイリングを一新した。

エンジンは「電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)」※2と「アイドリングストップ・システム」を採用し、燃費性能と環境性能を両立させた。

※1enhanced(強化された、価値を高める) Smart(洗練された、精密で高感度な) Power(動力、エンジン)の略。
※2PGM-FIは、Hondaの登録商標。

●販売計画台数(国内・年間) 18,000台
●メーカー希望小売価格(消費税8%込み) 189,000円(消費税抜き本体価格 175,000円)

これまでホンダは、ジョルノを中国で生産していたが、9月より車両の生産そのものを日本の熊本製作所に移管することにし、去る9月11日に、日本生産へ移管に伴うラインオフ式典を熊本製作所で行っている。

ホンダは、近年の経済状況の変化により、日本国内を含めたグローバル環境に於いて、適切な生産アロケーションの見直しについて検討してきたが、そうしたなか、国内で販売している50ccの原付一種モデルは、その9割以上を海外で生産してきたものを変更し、日本への生産移管を決定している。

また新型ジョルノの日本への生産移管に続き、現在ベトナムで生産し、日本で販売している50cc原付スクーター「Dunk(ダンク)」と「タクト」についても、順次熊本製作所に生産を移管する予定だ。

このグローバル環境に於ける生産移管について、本田技研工業株式会社・取締役執行役員・二輪事業本部長、青山真二氏は、「本日ラインオフする新型ジョルノは、コミューターモデルの日本生産回帰につながる第一弾になります。

熊本製作所においては、コミューターから大型の趣味商品まで、生産方法が異なるさまざまな二輪車を生産し、より多くのお客様に提供できるように一層の努力を図ってまいります」と述べている。

近年まで自動車産業並びメーカー各社の動きは、車両開発拠点や生産工場の規模・生産台数を含め、大枠では集約・拡張をキーワードとした国際展開を目指してきた。

しかし搭載される車両機能部品のモジュール化が加速される流れ、また世界各地に点在する良質なサプライヤーを現地で選択して、むしろ車両設計の独自性や価値そのものを高めていくことが求められる。加えて、車両のさらなるエレクトロニクス化などが一層加速されていく。

そして消費面で、各国・各地に於けるモビリティー需要の多様化などから見て、グローバル環境下で、各地域に、より最適化した車両が求められていくようになると見られる。

そうしたなか、ホンダに限らず競合他社も含め、地産地消スタイルの「消費地に於いて開発・生産し、販売・消費していく」形に変わっていく。そんな時代の流れが見えてきたようだ。