トヨタ自動車、「仕事の進め方変革」推進を目指して役員体制の変更・組織改正・人事異動を実施


4人の副社長職の交替。2名の新任副社長を含む執行役員の選出。豊田章男社長は、引き続きEV事業企画室を担当。友山茂樹専務役員は、GAZOO Racing CompanyのPresident職としての役割が追加。張富士夫名誉会長は退任。

トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、社長:豊田章男、以下、トヨタ)は3月1日、「もっといいクルマづくり」と「人材育成」の一層の促進のため「仕事の進め方変革」に於ける新たな課題解決を目指し、来る4月に組織改正を実施すると発表した。

これは、上記を踏まえて先の2016年4月に、従来の「機能」軸ではなく「製品」軸で仕事を進める新体制への変更を発表したことが契機となっているもの。
その後も同社は、社内ベンチャーであるEV事業企画室の立ち上げ(2016年12月)、新興国小型車カンパニーの設立(2017年1月)など、「仕事の進め方変革」を続けてきた。

ちなみにこの一連の取り組みの背景には、「会社の規模拡大に伴い顕在化してきた2つの大きな課題を解決しなければ、持続的成長はない」という危機意識があると云う。

その課題のひとつは、従来の常識を覆す大きな変化に直面する中、「現地現物」で「即断・即決・即実行」できるリーダーを数多く育成していかなければならないこと。

そしてもうひとつは、機能間の調整に費やす時間を減らし、「もっといいクルマづくり」を柱にすえた仕事の進め方を確立しなければならないことであると同社では述べている。

同社・豊田社長は、「昨年4月から1年間、全社一丸となって「仕事の進め方変革」に取り組む中で出てきた新たな課題を踏まえ、本年4月に以下の組織改正を実施する。

なお組織改正は『ソリューション』ではなく、『オポチュニティ』である。皆で力をあわせ、心をあわせて、今回の変更を『もっといいクルマづくり』と『人材育成』を促進する『オポチュニティ』にしていきたい。

今後も『もっといいやり方がある』ということを常に頭において、世界販売・生産1000万台時代を生き抜いていくための新しい仕事の進め方を、皆で構築していきたい」と語っている。

課題解決の具体的な概要と骨子は以下の通り

意思決定の迅速化/経営の監督体制強化
よりスピードを上げた意思決定と業務執行を行うために、「取締役=意思決定・監督」と「執行役員=業務執行」の位置づけを一層明確化する。また、取締役の人数をさらに減少させ、結果として社外取締役3名を含めた9名体制に変更する*。*定時株主総会以降。

さらなる「仕事の進め方変革」に向けた体制の見直し
「GAZOO Racing Company」を新設
モータースポーツ活動を通じて得た技術や技能を「走りの味作り」のための知見として蓄積し、自らの手で真のワクドキをお客様に提供するためのクルマを開発し、投入できる体制を整備する。

地域軸ビジネスユニットを再編
「第1トヨタ」「第2トヨタ」を「事業・販売ビジネスユニット」に統合、再編し、地域軸一丸となって製品軸カンパニーと連携する。

ヘッドオフィスとビジネスユニット(地域軸・製品軸)の役割を一部見直し
企画から生産までを製品軸カンパニーで完結させるため、商品コンセプト企画、生産企画および生産技術などの体制を見直す。

以下は個別の役員体制の変更・組織改正・人事異動となる。