岡山での今シーズン最初の公式テストから1週間後の3月25~26日。富士スピードウェイで、第2回となる公式合同テストが行われた。またこの合同テストには、SUBARU BRZ GT300 2017モデルも井口卓人、山内英輝の両ドライバーとともにテストに参加した。
しかし残念ながら2日目は降雪により走行が中止となり、各車十分に走り込みができたとは言えない状況で開幕戦に臨むことになった。
コンパクトでテクニカルなレイアウトの岡山国際サーキットから一転、国内最長の直線距離を誇る富士スピードウェイにSUPER GTの2017年シーズンを戦う車両が集結。
今回のテストでは、トランスアクスル化した新しいSUBARU BRZ GT300の、最高速の高い富士スピードウェイでの車両確認やタイヤ選びが主なテーマとなった。
事前に2日目の降雪予報が出ていたことで、1日目の走行セッションは延長され、午前中が2時間20分、午後は各クラスの占有走行も併せて2時間50分のロングセッションとなった。
午前中のセッションは井口がステアリングを握りスタートしたが、走行途中でピットイン。
総監督を務める辰己英治は「クルマが出来上がってまだ1か月もたっていないので、初期にみられる不具合が見つかった」と話し、午前中はその修復に時間を費やすことになった。
午後のセッションでは井口が50周を周回し、山内もステアリングを握った。結果、十分な周回数とは言えないものの、最終結果は1分36秒947で6番手タイム。開幕に向けた伸びしろも確認できた、内容のあるテストとなった。
2日目は予報通り朝から雪が降り続き、走行セッションは中止。チームはテストを見に来たGTファンのためにオープンピットと呼ばれるイベントに参加しながらも、タイヤ交換練習やミーティングを重ね、来る開幕戦に向けての準備を進めた。
2回のテストを終えて、いよいよチームは2017年シーズンの開幕戦へと挑む。チームでは「岡山国際サーキットで開催されるSUPER GT開幕戦でのSUBARU BRZ GT300の走りにご期待ください」と結んでいる。
以下はチーム監督・ドライバーのコメントとなる。
辰己英治総監督
「マシンのシェイクダウンからまだ1か月もたっておらず、マシンの不具合がいくつか出てしまいました。
予定していたメニューすべては消化できませんでしたが、今年のマシンで狙っていたトラクションの向上に関しては得られた部分がありましたね。
空力テストが十分できなかったので、ここから開幕戦に向けては先日の合同テストでのデータとドライバーコメント、そしてエンジニアの経験値を合わせて岡山仕様のマシンを仕上げていくことになります。
最後にチェックしたかったものが(降雪により2日目が走行中止になったことで)確認できなかったのは残念ですが、タイヤの進化も1日目の走行でよく分かったのは非常に明るい材料です。
テストよりもいいマシンに仕上げて開幕戦に臨みますので、応援をよろしくお願いします」
井口卓人選手
「岡山テストで非常にフィーリングのいいタイヤが見つかったので、それを富士でも改めて検証してみましたが、やっぱりとてもいいタイムが出ました。
今まで狙っていたのとは違う方向性でダンロップさんにタイヤを作ってもらったのですが、それが新しくなったBRZには合っているんだということを実感できました。
非常にタイトなスケジュールの中で、チームが一生懸命マシンをくみ上げてくれたし、テストも何とかこなしてきました。
まだ完璧とは言えない状態でもいいフィーリングをつかめたので、ここから大きくレベルアップできるはず。
ロングランをしっかりと確認できていないのが不安材料ではありますが、パッケージとしての進化は確認できたので、昨年は苦戦した岡山でしぶといレースを見せたいと思います」
山内英輝選手
「スケジュール変更の影響もあって数周しか走れませんでしたが、去年に比べてクルマの進化を感じました。
ドライバーにとっては運転しやすくなっているし、タイヤへのダメージも少なくなっているように思います。
まだ実戦でちゃんと走れていませんし、しっかりと確認できてはいませんが、去年よりも“優しいクルマ”になっています。
これは、予選はもちろん長い距離を走る決勝レースで確実に活きてくるはずです。
このテストのあいだにトラブルは出し切ったと思っているので、走り足りない不安はあるけれど、それ以上に今は期待感も大きいです。開幕戦からいい結果を狙っていきたいと思います」