ボルボ・カーズ(本社:ヴェストラ・イェータランド県・イエテボリ、CEO:ホーカン·サミュエルソン、以下ボルボ)は、新プラットフォームベースの「新型40シリーズ」と見られる2つの新たなコンセプトカーを公開した。
同社によると、このコンセプトカーはボルボのプレミアムコンパクト戦略の一端を示しているとされ、ボルボは今後、これまでとは異なる全く新しい方向性へと舵を切り、グローバルな小型車戦略を進めていくとする。
ボルボは、斬新なデザインのエクステリアとインテリア、業界をリードするコネクティビティ、車両の電動化、および自動運転技術を兼ね備えた小型車によって、市場規模が大きく収益性も見込めるプレミアムコンパクトカーのグローバル市場に、事業を拡大していく構え。
ちなみに、この新しいコンセプトカーは、ボルボの革新的な「コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー(CMA)」から生み出される初のモデルとなる。
小型車用に開発されたまったく新しいプラットフォームCMAにより、ボルボのデザイナーや技術者は、大胆で斬新なデザインと設計を追求することが可能になった。
ボルボが自社CMA製品をベースとした電気自動車も提供するという今回の発表は、2019年までに、大型車用の新プラットフォーム「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」でのピュアEVの生産を目指すコミットメントに沿ったものだ。
この新たなコンセプトカーについて、ボルボ・カー・グループデザイン担当上級副社長トーマス・インゲンラート氏は、「ボルボのプロダクトラインナップは、それぞれが家族の一員のような独自の個性を持っています。
小型車用新プラットフォームCMAによって、新たなコンセプトカーの特別な素晴らしさと、若々しさを巧みに表現することが可能になりました。
エネルギッシュで斬新、そして魅力溢れる都会的な個性が、ボルボの小型車を際立つ存在にしています。これが、将来のコンパクトボルボのデザインの方向性なのです」と述べた。
またボルボの研究開発担当上級副社長ピーター・メルテンス氏は、「小型車戦略は、ボルボ・カーズが現在進めているグローバルオペレーション、および経営面の改革において、欠かせない要素です。
現在、野心的な事業推進計画に取り組んでおり、今後4年以内に、ボルボを世界的な高級車メーカーと互角に競えるブランドにすることを目指しています。
新たなグローバルコンパクトカーレンジには、ピュアEV(電気自動車)、および、プラグインハイブリットモデルのTwin Engineモデルが含まれますが、これはすべてのプロダクトラインナップで電動化を目指すというコミットメントに沿ったものです。
ボルボは、電動化車両を2025年までに累計100万台販売する目標を掲げています。
ボルボは、自動車の車体とパワートレインの開発にモジュラー化戦略を採用したことで、プレミアム・セグメントにおいて、競合他社をリードすることに成功しています。
この革新的な電動パワートレインは、ボルボのストーリーに於いて新しいエキサイティングな一章を開きます」と語っている。
ボルボによると新コンセプトカーは、斬新な外観デザインや電動パワートレインのオプションに加えて、革新的なコネクティビティサービス、世界最先端の安全装備を標準搭載、さらにスカンジナビアが生みだした車両に相応しいインテリアデザインを届けていくと云う。
ボルボ・カー・グループの代表取締役社長兼CEOであるホーカン・サムエルソン氏は、「今後登場を予定している新型40シリーズにより、重要な成長セグメントにおいて、市場でのシェア拡大を期待することができます。
革新的な小型Twin Engineモデルのプラグインハイブリッド車、およびピュアEVを含む電動パワートレインプログラムは、CMAの中核となるものです。
グローバルな小型車戦略の発表に加え、ボルボは今年、売上および収益性において好調なスタートを切っています。
ボルボは、2016年第1四半期の売上高が417億スウェーデン・クローナ(前年同期比24%増)となり、31億スウェーデン・クローナの営業利益を計上し、営業利益率が7.5%に達しました。
また、当第1四半期の世界新車販売台数は120,591台(前年同期比11.9%増)となっています。
ボルボは、昨年度の新車販売実績503,000台を大幅に上回る、年間販売台数80万台を中期目標に掲げています」とコメントした。
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ボルボ、新しいグローバルコンパクトカーレンジ開発へ(2015年10月20日掲載)