ダカール・ラリー2016は、1月16日にアルゼンチンのビジャカルロスパス~ロサリオ間での最終ステージを終え、4輪部門はプジョーのステファン・ペテランセル選手(フランス)が3年ぶり、通算6度目の総合優勝を獲得して自身の最多記録を更新した。
過去の2輪時代の勝ち星6と合わせると、実に通算12度目の優勝となった。
二輪部門は、KTMのトビー・プライス選手(オーストラリア)がオーストラリア人としての初制覇を果たした。トラック部門に参戦した日野の菅原照仁選手は13位、照仁選手の父で74歳の菅原義正選手は31位を獲得している。
以下は一部部門に於ける表彰台コメントとなる。
4輪部門優勝
ステファン・ペテランセル(302・プジョー)
(最終SS13位、総合優勝)
最終3日間のプレッシャーは大きかったが、なんとか耐えられた。ゴール・ラインを越えられてホッとしている。
2年前からチームも勝利を渇望していたし、プジョーの歴史が書き換えられたことに心から満足している。
ダカールでは、個人的に何度も優勝してきたが、フランスの自動車メーカーによる勝利なので、この嬉しさは3本の指に入る。
そもそも2輪による勝利と、4輪による勝利回数を同じにするというのが、自身の大きな最終目標だったし、それが叶った今、今日の段階では、この他に自分にモチベーションを賭けるものがなくなった。
今後の新たな目標について決めるのはまだ早すぎる。今はこの勝利を喜び、噛みしめたいと思う。
4輪部門2位
ナセル・アルアティヤ(300・MINI)
(最終SS3位、総合2位)
実はダカール・ラリーが始まる前から二人のライバルのことが気になっていた。それはステファン・ペテランセルとジニエリ・ド・ヴィリエだ。
だからゴールで、この3人で表彰台に登れたのはとても嬉しい。ステファンは非常に頭が良いし、ジニエリはコンスタントな走ってとても良い仕事をする。
そうしたなかで、2位を獲得できたのは、自身で良いパフォーマンスを発揮した結果だと思うのでとても嬉しい。
今回も是非表彰台に上がりたいし、上がれると良いと思っていたけれど、2位を獲得したのをまずは喜びたい。来年のことはまだ判らないけれど、今年も支援頂いたスポンサー各位に感謝したい。
4輪部門3位
ジニエリ・ド・ヴィリエ (301・TOYOTA)
(最終SS8位、総合3位)
レースの終盤になって以降、ミッコ・ヒルボネン(MINI)と激しい表彰台争奪のバトルをした。
昨日も終日アクセルを底まで踏み続けたけれど、最終日はタイム差をコントロールして、できるだけ慎重に走ることを心掛けた。
とにかくトヨタのためにも表彰台はキープしたかったので、この結果はとても嬉しい。
開幕当初は、ステファン・ペテランセルたちプジョーのスピードに追いつけず、ナセル・アルアティヤの高地や砂丘の中での走りにも追いつけなかった。
我々のチームは、車両のトップ・スピードをさらに改良しなければならないだろう。
今回ターボ・エンジン車と対等に戦うのは難しかったが、メカニックの信頼性は誇らしいものだ。
これで13回ダカール・ラリーに参加して5度目の表彰台だ。そのうち、総合優勝は1回しかしていないので、できるだけ早いうちに勝ちたい。
2輪部門優勝
トビー・プライス (003・KTM)
(最終SS4位、総合優勝)
2度目の挑戦で優勝できるとは考えてもいなかった。僕の家族、友人、オーストラリアで応援してくれている僕のファンたちに感謝したい。
さらに参戦2度目の優勝という事実よりも、「ダカール・ラリーで初めて勝ったオーストラリア人」だというのが凄く嬉しい。
2年前には想像もできなかったことだし、元々完走するだけでも勝利に値すると思っていたからね。
だから今年も、オーストラリアで走っているような冷静な気持ちでレースに立ち向かったのが良かったのかもしれない。
アタックすべきところではアタックし、マラソン・ステージのような大事なところではバイクをいたわりながら走った。
これからが本当のスタートで、この後も勝てるようになりたいけれど、今はそんなことは考えず、この優勝をじっくり味わいたいと思う。
クワッド部門優勝
マルコス・パトロネッリ(252・Yamaha)
(最終SS6位、総合優勝)
初めは少しアンラッキーなのかなと思っていたけれど、その後はすべて順調だった。努力の結果が実を結んだので、この勝利に心から感動している。
レース自体はとてもハードだった。ラリーレイド的なステージもあったし、ダカール・ラリーらしいステージもあった。ひとつの競技なのにふたつのレースに参加したような感じだった。
特に初旬のスピード・コースでは、あまり上手く走れなかったけれど、後半に以降になるに連れ、少しずつライバルたちを引き離すことが出来たように思う。
今年のダカール・ラリーは、兄と二人三脚で挑戦して勝利を獲得したと思っている。本当に嬉しいし、信じられない気持ちだ。