J.D.パワーがレンタカー満足度調査。カーシェアリングサービス併用3割、20〜30代で顕著に


CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D.パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:鈴木郁、略称:J.D. パワー)は、2017年日本レンタカーサービス顧客満足度調査の結果を発表した。

この調査は、直近1年以内に日本国内でレンタカーを利用した18~64歳男女(法人利用、代車利用除く)を対象に、レンタカーサービスに対する満足度を明らかにする調査であり、今年初めて実施した。2017年1月にインターネット調査を実施し、計10,708人から回答を得た。

約6割の利用者が予約時に複数のレンタカー会社間で比較検討するなか、『タイムズカーレンタル』が総合満足度第1位に

顧客満足度の測定にあたっては5つのファクター(領域)を設定し、それぞれに関連する詳細項目に対する評価を基に総合満足度スコアの算出を行っている(1,000ポイント満点)。

各ファクターの総合満足度への影響力は、「車両」(24%)、「出発/返却時の対応」(25%)、「各種料金」(25%)、「予約(ウェブページ/電話)」(10%)、「サービスメニュー」(17%)となっている。

レンタカーサービスの顧客満足度は、対象となった7社のサービス中、タイムズモビリティネットワークス株式会社のタイムズカーレンタルが総合満足度第1位となった(683ポイント)。

タイムズカーレンタルは「車両」、「出発/返却時の対応」、「各種料金」、「予約」、「サービスメニュー」の5つのファクターすべてにおいて業界平均以上の評価を得ている。

中でも「各種料金」および「予約」における“ウェブページ”でのスコアが高い。総合満足度第2位はトヨタレンタカー(677ポイント)、第3位はニッポンレンタカー(665ポイント)となった。

価格選定要因が強い市場においても高品質なサービス提供が重要

レンタカー利用者の半数は、2社以上のレンタカー会社を普段利用している。

また、利用者の約6割が予約の際に複数のレンタカー会社間で比較検討を行っており、多くの利用者が利用の度に希望車種の空車状況等と合わせて費用面のチェックをしている実態がうかがえる。

選定理由を見ても、立地やアクセスの良さの次に多いのが「基本料金が安かった」という料金に対する理由となっており、サービス選定時においては費用が大きなフックとなっている。

これは価格面における顧客獲得競争が激しい市場環境にあることが推察される。

しかし、その一方で、顧客の継続利用意識といったロイヤリティ形成には料金に対する満足感よりも、実際に利用した際の店舗におけるスタッフ対応や車両に対する満足度が強く影響している。

調査では、店舗での「出発/返却時の対応」や借りた「車両」に対する満足度が低いと、そのレンタカー会社への継続利用意向や他者推奨意向が急激に低くなる傾向が見られている。

利用顧客の体験品質を高める取り組みが安定した収益確保の上でも欠かせない。

レンタカー利用者におけるカーシェアリングサービス利用・認知状況(%)

レンタカー利用者のうち、カーシェアリングサービス利用も増加傾向。特に20~30代に多いカーシェア併用者

レンタカー利用者のうち、カーシェアリングサービスも普段利用しているという利用者は3割弱という水準であった。

年齢別に見ると20代・30代の利用者で特に併用が多くなる特徴が見られている。併用者におけるレンタカーとカーシェアの使われ方の違いを見てみると、主には利用時間で使い分けている様子がうかがえる。

6時間未満の利用の場合はカーシェア、それより長く使う場合はレンタカーといった特徴が見られた。利用料や手続き・アクセス等の利便性を鑑みながら、若年世代を中心に両サービスの使い分けが今後も進んでいくと予想される。

また、今回の調査では、レンタカー会社と同一ブランドのカーシェアリングサービスも利用している併用ユーザーでは、レンタカーサービスに対する満足度も高く、中でもサービスメニューにおける「会員向け/利用者向け特典のよさ(優待やポイントプログラム等)」への評価が高かったとしている。