熾烈さを増す家庭用電力獲得競争。JX、「ENEOSでんき」の申込件数が5万件突破と発表


JXエネルギー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉森 務、以下、JXエネルギー)は、この4月からの販売を予定している家庭用電力「ENEOSでんき」の受付を先の1月15日より行ってきたが、同社によると、その申し込み件数が3月18日時点で5万件を突破したと発表している。

昨今は、同社に限らず、楽天やUSENなど業界の垣根を超えた複数の業界が、家庭向けエネルギー消費の囲い込みに腐心している。

昨今、様々な企業が全国個別地域の電力市場に参入する理由は、これまでは電力会社が行政の後押しを得て、公共インフラとして普及してきたところにある。

つまり地域の電力各社は、完全な地域密着型ビジネスであり、自社の営業エリア以外では独自の販売網を持っていない。参入各社はそのスタンスこそ違え、いずれもそうした垣根を越えたエネルギー消費市場の広域獲得を狙っている。

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石油元売りは、店頭に於ける一般消費者との接点を利用。ガソリンや灯油などの燃料購買と、電力消費のセット販売を懸命に提案中だ。

特にここのところは、通信事業者と石油元売り各社が、電力小売り分野で積極姿勢を見せており、なかでも石油元売りは、ガソリンや灯油などの燃料購買と、電力消費のセット販売を懸命に提案中だ。

そうしたなかJXエネルギーでは、国内電力需要の3割を占める首都圏に於いて、来る2020年までに、家庭用総電力消費の4%にあたる80万件の電力シェア獲得を目指す。

併せて同社の場合は、この首都圏に於ける実績を足掛かりに、中部・関西圏への市場拡張計画も温めている。

石油元売りが、ここまで家庭向けエネルギー需要の獲得を目指す背景には、これまで業界が主力に据えてきた石油需要の減少傾向が中長期的にハッキリ見え始めていることにある。

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石油元売り各社は、石油備蓄や製油所施設調達を目的に、これまで自社保有してきた土地資産などを活用を目指している

このため、石油備蓄や製油所施設調達を目的に、これまで自社保有してきた土地資産などを活用。主力の石油事業のなだらかな減少基調と入れ替える形で、新たなエネルギー消費市場の獲得を目指している。

ちなみにJXエネルギーの電力事業参入は、石油元売り各社のなかでは2003年からと比較的早く、既に新電力(特定規模電気事業者)として法人向けを中心に小売販売を行っている他、電力会社への卸売り供給も展開。

2014年度の販売実績では、約15億キロワット(kw)時、グループ全体の発電能力でも152万kwを有している。

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JXエネルギーは、新電力(特定規模電気事業者)として、全国各地に保有する発電拠点を「強み」として一般消費者向けに訴求している

ただし家庭向けの電力需要獲得に関しては、一般家庭への浸透力で東京ガス、大阪ガスなど、旧くから家庭向けエネルギーとして馴染みのある大手都市ガス会社が優位な立場にあること。

さらに通信キャリアの電力小売市場への参入などもあって、石油元売り各社の戦略実施はそれほど容易な話ではない。

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JXを筆頭に石油元売り各社は、既存の自社エネルギー創出の基盤を電力小売へ転換させる動きを加速している

このため、JXエネルギーでは自社のENEOSカード会員対象者に対して、カード購買と電気購買とのセット割引やキャッシュバックの他、ANAカード、ビューカード、ティーエスキュービックカード、レクサスカード、エポスカード、エムアイカードなどの提携カード会社とのマイル連携や、Ţポイントを筆頭とするポイントサービス会社との連携訴求も展開している。

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併せて3月31日までは「ENEOSでんき」への申し込みで、使用開始月(2016年4月以降)分の電気料金のうち2,000円(税込)を割り引く「今だけ早割!」キャンペーンを継続している。

現在、同社が家庭向け電力のシェア獲得に奔走している首都圏、さらに地方の消費ユーザーを含めて、ガソリン・灯油等の燃料消費という市場は、ガス販売に次いで一般家庭に密着しているものの、その強みだけで顧客獲得の成就を目指すには前途多難だ。

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JXエネルギーの場合は、再生可能エネルギーへの取り組みを一番家庭の電力消費訴求につなげている。

JXエネルギーの場合、自前の電力発電拠点開発の努力や、自然からの再生可能エネルギー事業など、新電電として立ち位置も利用した消費者訴求を展開している。

しかしシェアの獲得勢力が複数業界からの新規参入との争いとなっていることから、上記他社連携の様に、一般家庭に於ける日常生活の様々な場面に於いて、いかに「お得さ」を訴求出来るかが勝機を握るポイントとなるだろう。

「ENEOSでんき」WebサイトURL:http://www.noe.jx-group.co.jp/denki/index.html