日野、チャイナシルクラリー2015に初参戦


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モンゴルの砂漠を走る日野レンジャー

日野チームスガワラ、ラリーモンゴリア2015はマシントラブルで痛恨のリタイア。今回はその雪辱を誓う

日野チームスガワラは、2015年8月30日から9月11日までの延べ13日間で、約7,900kmを走破するチャイナシルクラリー(開催国:中国)に初参戦する。

先にマシントラブルでリタイヤとなったことから、ラリーモンゴリアでは車両改良点の確認に加え、ドライバー並びにナビゲーター、そしてメカニック達のトレーニングの場として臨む。

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ショックアブソーバーを交換する坂口メカニック(九州日野)

1年間に於いて、ダカールラリーを含む年間3回のラリーに参戦することは、同チームの歴史の中でも初めてのことになる。

日野チームスガワラは、先のラリーモンゴリア2015出走で、1週間におよぶモンゴルでの自主走行トレーニングを行い、その後、万全の体制でラリーモンゴリア2015に挑んだ。

レースでは、ゴール前日に他部門も含む全車中トップに躍り出たのだが、最終ステージで、痛恨のマシントラブルでリタイアとなってしまった。

以下は、ドライバーの菅原照仁氏がラリーモンゴリアでの経緯と、チャイナシルクラリーへの抱負を語る。

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日没後も点検にあたる中村サブリーダー(日野自動車)

「ラリーモンゴリア2015では、残念ながらリタイアとなってしまいましたが、車両の仕上がりとしては、かつてないほどの手応えを得ることが出来ており、将来に向けて大変有意義な2週間でした。

最近のダカールラリーでは、ハイスピード化が大きく進んでいるため、我々のチームとしても、そうした環境を受け止めるサスペンションの熟成と軽量化を進めることが1番の課題だったのです。

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ドライバー・菅原照仁さんは、モンゴルではリタイアとなったが、車の仕上がりの良さを実感している。すでにトラブルの対策は済んでいるという。

そこでチームのソフト面に於けるスキル向上なども狙って、先のモンゴルに挑んだ訳です。

このモンゴル挑戦にあたっては、渡航後の1週間。限界ギリギリに設計した新サスペンションで重点的に走り込み、トライ&エラーを繰り返しながら、マシンセッティングを煮詰めてきました。結果、従来に比べ、平均10%車速が向上しました。

一方でこの際の金属疲労が蓄積し、ラリーの最終日にリアのサスペンションが破損して、あえなくリタイアとなってしまったのです。

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ラリーモンゴリアでは、初のトラックによるエントリーでありながら、総合優勝が目前にしていたので、私自身はもちろんのこと、チームメンバーも悔し思いをしました。

ただ耐久性を高めるポイントを得たこと。走りに於いても大幅なタイム向上につながるトレーニングが実施でき、そうした面では大きな成果を得ることが出来たと思います。

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セッティングを煮詰める菅原照仁さんとメカニックたち
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草原に開かれたキャンプ地

実際、ドライビング環境では昨年のクルマに比べ、格段に乗り心地が向上して安心してアクセルを踏めることから、ブレーキを踏まずに悪路を走破できるシーンが増えています。

帰国してすぐに日野の開発陣と会議を開き、トラブル対策はすでに解決しています。今回は、皆でより良い結果を求めて、やるべきことをシッカリやっていきたいと思います」とドライバーの菅原照仁氏は語った。

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菅原義正さんから指導を受ける外池メカニック(香川日野)

<チャイナシルクラリー2015 概要・参戦体制>
期間:2015年8月30日~9月11日
距離:競技区間/2,205㎞ 移動区間/5,656km

開催国:中国(西安~敦煌)
特徴:ダカールラリーの二輪・四輪部門での総合優勝を経験し、その後、大会の競技責任者となったユベール・オリオール氏(仏)が独立し、彼の呼びかけのもと「アジア最大のクロスカントリーラリー」の開催を目指し2013年に初開催された。

当初のルートは、中国の首都北京から新疆ウイグル自治区手前の敦煌までを結ぶ10,000㎞のラリーだった。

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2015年大会は、本格的に競技ができる西安をスタート地とし、シルクロードに沿って西進。内モンゴル自治区の南側に位置するテンゲル砂漠やバダイジャラン砂漠を超えて、新疆ウイグル自治区の東端のクムターグ砂漠を抜けて敦煌でゴールを迎える。

また、2015年大会からは、海外勢の招致活動を本格化させ、日野チームスガワラのほかに、ステファン・ペテランセルとシリル・デプレを擁するプジョーワークスチームが参戦している。

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草原を走る日野レンジャー

参戦体制
競技車両:日野レンジャー2号車
乗員:ドライバー菅原照仁・ナビゲーター杉浦博之

車両スペック(括弧内はダカールラリー2015仕様)
車両型式:日野レンジャー
車両総重量:7,300kg (7,600kg)
全長:6,370mm
全幅:2,500mm
全高:3,000mm (3,150mm)
ホイールベース:3,970mm
リアボデー:メインフレームマウントパイプフレームターポリン

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燃料配管を点検する近藤メカニック(静岡日野)

エンジン
エンジン型式:A09C-TI (ターボインタークーラー付)
エンジン形式:ディーゼル4サイクル直列6気筒
総排気量:8.866L
最高出力/回転数:630PS [463.4kW]/2,200rpm
最大トルク/回転数:230kgf・m [2255.5N・m]/1,200rpm
燃料噴射装置:電子制御 (コモンレール式)燃料噴射装置
燃料タンク容量:700L

駆動系
駆動方式:デフロック前後付パートタイム4WD
クラッチ:φ430mmシングルプレート
トランスミッション:6速ダイレクトドライブ前進6速後退1速 パワーシフト付
トランスファー:Hi-Loレンジ切替付
アクスル:ハブリダクションアクスル

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サスペンションを調整する田極メカニック(東京日野)

サスペンション
スプリング:前後テーパーリーフスプリング
ショックアブソーバー:コイルオーバーショックアブソーバー
ブレーキ:ベンチレーテッドディスクブレーキ 対向4ポットキャリパー
タイヤ:ミシュランXZL 14.00R20
ホイール:鍛造アルミホイール

※ダカールラリー2016年大会のペルー開催は中止
2016年大会は、ペルー・ボリビア・アルゼンチンでの開催が発表されていたが、ペルーのエルニーニョによる影響で、同国での開催は中止となった。新ルートは9月中旬に主催者から発表される見込み。

 

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