GM、自動車の自律走行を視野に相乗り配車アプリのリフトへ598億円投資


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米ゼネラルモーターズ・カンパニー(本社:デトロイト、会長兼CEO:メアリー・バーラ、以下、GM)発表のリリースによると1月4日、自動車配車アプリをコンシューマ市場に提供しているリフトに5億ドル(約598億円)を投資した。

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併せてゼネラルモーターズ社長のダン・アマン氏が、リフトの取締役会に加わることになる。今回の投資は、配車アプリ業界に於ける自動車メーカー単独の投資額としては史上最大規模となった。

ダン・アマン氏は、「自動車販売は永らく伝統的なビジネスモデルを踏襲してきたが、その一方で我々は、未来のモビリティビジネスの姿も捉えていかなければならない。

今後、自動車業界は5年間で過去半世紀に匹敵する変革が訪れる考えており、我々は、その変革の最前線に立ち続ける存在でありたいと考えている。

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当社とリフトが共に歩み、自動車業界に於いて新たなビジネスモデルを捜し当て、未来を切り拓くための新たなビジョンを確立できると確信している」と述べた。

一方、ゼネラルモーターズ・カンパニーの投資を受け入れたリフト社長のジョン・ジマー氏は、「両社の企業文化と、将来を見据えるビジョンには共通点があるように思う。

現在我が社は、次世代モビリティのネットワーク構築に挑戦している最中にあり、近い将来、通信ネットワークを介した自律走行車の時代が遠からず訪れると信じている」と語った。

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リフトは米国の約60都市で、自動車配送アプリのサービスを展開。同社アプリの「ライドシェア」は、利用者が行き先を指定すると、直近のドライバーが自身のクルマで行き先まで運んでくれる仕組みだ。

ドライバーは寄付金という格好で対価を受け取る。米国内では同業のウーバーテクノロジーズと競合関係にある。

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なお1月4日の米株式市場に於いて、米国自動車大手のゼネラルモーターズ・カンパニーは、前営業日比で0.84ドル(2.5%)安の33.17ドル前後の下落で開始。リフトへの投資による財務負担拡大に嫌気し、売りが出た。

対して市場評価額55億ドルに膨らんだリフトは、今回の資金調達で、国内外複数の投資会社の他、日本の楽天も出資し10億ドルを集めた。

株式市場では、先の両社発表による中・長期的視野とは別に、今回の提携強化によって、配送仲介サービス向けのレンタカー事業拡大に注目が集まっている。