住友ゴムの資源循環型レースタイヤが、スーパーGT300で連勝記録

住友ゴム工業は8月2日から3日、富士スピードウェイで行われた国内最高峰の自動車レースのひとつ『2025 AUTOBACS SUPER GT』の第4戦で、DUNLOP(ダンロップ)初の資源循環型カーボンブラック採用タイヤをGT300クラスの6チームに供給した。2日に開催されたレース1、3日開催されたレース2で、このタイヤを装着する車両が2日連続で優勝した。

同社の環境負荷に配慮したレーシングタイヤは、循環型ビジネス(サーキュラーエコノミー)構想「TOWANOWA(トワノワ)」の一環として開発。製造された。

そんな資源循環型カーボンブラックは、ゴム片や使用済みタイヤをコークス炉に投入してケミカルリサイクル(使用済みの資源を化学的に分解し、原料に変えてリサイクルする方法)を行い、そこから得られたタールをベースに生産されたもの。

ゴム片や使用済みタイヤを有効な資源として再利用する同製造システムを確立させたことで、自動車・タイヤ業界のサーキュラーエコノミー実現に貢献すると共に、CO₂排出量の削減に繫がることに期待が集まる。

ちなみにSUPER GT第4戦は、土曜日に予選と35周の決勝(レース1)、日曜日に予選と50分の決勝(レース2)が行われる公式戦初となるスプリントレースが開催された。

両日ともに酷暑の高い路面温度の中で行われ、DUNLOPの資源循環型カーボンブラック採用タイヤを装着したD’station Vantage GT3(777号車)は、まずレース1の予選4位から決勝に出走すると、序盤からハイペースで走行し、21周目にはトップへ。

途中、雨が降る時間帯もありつつも、タイヤは終始安定した性能を発揮し、D’station Vantage GT3(777号車)の今季初優勝をサポートした。

またレース2の予選ではD’station Vantage GT3(777号車)がポールポジション(予選1位)を獲得、決勝では一度もトップを譲らずポールトゥウィンを達成した。

Charlie Fagg 選手

藤井 誠暢 選手

この資源循環型カーボンブラックは、2025年中に一部乗用車向けタイヤへの採用も計画中。同社では、最新の車両が投入されるタイヤ開発の最前線にあたるモータースポーツ分野に於いて、サーキュラーエコノミーの推進と、サステナブル原材料を使った製品開発を行うことで、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを加速していくと話している。*さらなるレースの詳細内容は「スーパーGT、2025第4戦・富士、決勝戦の速報結果」を確認されたい。