TE Connectivity(TE/ティーイー・コネクティビティ、本社:アイルランド ゴールウェイ)とBASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は4月11日、中国に於けるCHINAPLAS 2025で循環型ソリューションのUltramid® Ccycled® ポリアミド(Ultramid® Ccycled®)製の部品を使用した新たな自動車用コネクターを共同発表した。
Ultramid® Ccycled®は、アジアで調達した使用済みプラスチック廃棄物由来の熱分解油をマスバランス方式で原料に割り当てた素材であり、化石由来のバージン材料と同等の高性能特性を備えている。
TEとBASFは、持続可能な自動車産業という共通のビジョンを掲げ、長年にわたり協力を続けてきた。
今回の自動車用コネクターは、業界に於ける協力関係によって、持続可能な材料ソリューションへの移行を加速させる一例となった。
これによれTEは、BASFのUltramid® Ccycled® を活用することで、一定の割合の再生材料を使用した材料をコネクターに組み込むことに成功し、品質や性能を損なうことなく、化石資源の使用量削減と製品カーボンフットプリントを低減するという目標を達成した。
また、TEは今後、業界の進化するサステナビリティに対するニーズに応えるため、BASFのUltramid® Ccycled® の活用範囲を更に拡大させていく構え。
さて上記のTEとは、アイルランドに本拠を置くTE Connectivityを指し、世界的なインダストリアル・テクノロジーリーダーとして、より安全で持続可能な、生産性の高い、つながる未来の創造に貢献している。
その活動分野は広範囲に跨がるもので、パワー、シグナル、データの伝送を実現し、次世代トランスポーテーション、エネルギーネットワーク、産業オートメーション、データセンターから医療技術に至る様々な産業の発展に寄与している。
9,000人超のエンジニアを含む85,000人以上の従業員を擁するTEは、『EVERY CONNECTION COUNTS』の理念のもと、世界約130カ国でビジネスサポートを展開している。
この共同開発製品について上記TEのアジア太平洋地域オートモーティブビジネスユニットでシニア・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるトーマス・シェン氏は、「TEは、コネクティビティとセンサーソリューションの分野において、世界をリードするテクノロジー企業であり、高品質かつ持続可能な、コスト効率の高いソリューションを提供することに注力しています。
TEは常に技術革新と持続可能な開発を優先しています。TEとBASFの協力により、二酸化炭素排出量を削減するだけでなく、材料イノベーションが促進され、サステナビリティが企業の原動力となりました」と述べている。
ちなみに一般的なケミカルリサイクルでは、技術的または経済的な理由でマテリアルリサイクルされない使用済みプラスチック廃棄物を熱分解油へと変換する。
BASFではこの再生原料を、通常の生産プロセスにドロップイン方式で投入することで、顧客企業製品のカーボンフットプリントの削減目標を高めたり、再生材料の含有率目標への対応を可能にする。
再生材料の割合は、第三者による監査を受けたマスバランス・アプローチに従って、認証製品に割り当てられる。
この新たな取り組みについてBASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部アジア太平洋地域のシニア・バイスプレジデントのアンディ・ポスルスウェイト氏は、「循環型ソリューションであるUltramid® Ccycled® は、BASFが統合バリューチェーンにおける原料転換に重点的に取り組んでいることを示すものです。
BASFは、Ultramid® Ccycled® の他分野への応用の可能性を検討し、業界の進化するニーズに応じてお客様を支援していきます」と結んでいる。
なお、この自動車用コネクターは、CHINAPLAS 2025(4月15~18日、中国 深セン、BASFブース:ホール17 、D91)で展示される予定だ。