横浜ゴム、オランダATG買収。1356億円を投資し農機向けタイヤ市場へ参入


横浜ゴム株式会社(本社:東京都港区新橋、代表取締役社長:野地彦旬、以下、横浜ゴム)は、生産財タイヤ事業の拡大のため、Alliance Tire Group各社の持株会社であるAlliance Tire Group B.V.(アライアンス・タイヤ・グループ、本社所在地オランダ、子会社を併せて以下ATG)の全株式を取得することを、同社の株式を保有するグローバル投資会社であるKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)など、その他の株主と合意した。

買収金額は1,179百万USドル(約1,356億円 換算レート1USドル:115円)となる。今後、米国その他必要な各国の競争法に基づく手続きを経た上で、2016 年7月1日の買収完了を想定している。

ATGは、農業機械用タイヤ、産業機械用タイヤ、建設機械用タイヤ、林業機械用タイヤの製造・販売に特化した事業を展開しており、インドとイスラエルの生産工場から各々のラジアルタイヤ、バイアスタイヤを欧州、北米を中心に世界120ヶ国以上へ販売している企業だ。

今回横浜ゴムが、ATGを買収することで、横浜ゴムの生産財タイヤのラインナップに農業機械用タイヤ、林業機械用タイヤが新たに加わる。

特に、農業機械用タイヤは、世界的な人口増加による食料需要増や農業効率向上に向けて農業機械の需要増加が予測されることから、これに伴い需要の増加も見込まれると云う。

現在、横浜ゴムは中期経営計画「GD100」のフェーズⅣ(2015年~2017年)に取り組んでおり、タイヤ事業戦略の柱のひとつとして「生産財タイヤ事業の拡大に向けた戦略」を掲げ、鉱山・建設車両用超大型ラジアルタイヤの開発や拡販に取り組んでいる。

また、米国ミシシッピ州のトラック・バス用タイヤ新工場の稼動により、更なる地産地消を促進している。

今日、タイヤ業界では、国内最大手のブリヂストンが、建設・鉱山・航空機用タイヤの生産に注力し、中国化工集団が伊タイヤメーカーのピレリの買収を決めるなど、業界再編の動きが加速している。

そうしたなか横浜ゴムは、先の韓国・クムホタイヤへの技術提携に加え、今度はATG買収により、生産財タイヤ事業を拡大を目指している。これらの動きにより、2017年の売上高目標7700億円を目指し、グローバル展開を加速させていく構えだ。

ATG概要
社名: Alliance Tire Group B.V.
所在地 :オランダ王国アムステルダム市Prins Bernhardplein 200 (1097JB)
主要事業: 農業機械用タイヤ、産業機械用タイヤ、建設機械用タイヤ、林業機械用タイヤ等の製造・販売事業を行う子会社の株式保有
生産拠点: 子会社が操業するインド2工場、イスラエル1工場
設立年: 2006年11月17日
連結売上高: 529百万ドル
連結営業利益: 95百万ドル(2015年12月期)