WEC第6戦・富士予選、ポルシェ勢が上位独占。トヨタは5・6番手


静岡県の富士スピードウェイに於いて10月10日、世界耐久選手権(WEC)第6戦の公式予選日が開催された。

結果、LMP1クラスはポルシェ1位・2位を独占し、アウディが3位・4位をキープ。

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この独2メーカーの躍進が著しい印象を残した一方、昨年のチャンピオンチームであり、過去、富士スピードウェイで行われたWEC6時間レースをすべて制してきたトヨタは、5位・6位という結果になった。

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前日のフリー走行に引き続き、曇天ながらもドライコンディションが維持され、午前のフリー走行を経て、出走31台が午後の公式予選に進んだ。

予選セッションは、13時40分から14時00分までがLMGTEのProクラスとAmクラス。続いて14時10分から14時30分までが、LMP1とLMP2クラスというプログラム。

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予選結果の選出方法は、出走各マシンが2名または3名のドライバーで走行し、チーム上位ふたりの平均ベストラップで順位を競う形式である。

注目のLMP1クラスの出走車両が記録したタイムは、ポールポジションを獲得したカーナンバー17・ポルシェ919ハイブリッド(T.ベルンハルト・M.ウェーバー・B.ハートレー組)が平均ベストタイムで1分22秒763。

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これらのLMP1クラス上位のタイムは、同じ富士を走るフォーミュラマシンのレコードタイムに迫るものとなった。

2番手となったカーナンバー18のポルシェ919ハイブリッド(R.デュマ・N.ジャニ・M.リーブ組)も、平均ラップタイムで1分23秒071を記録。

3番手は、1分23秒082を記録したカーナンバー7・アウディR18 e-トロン・クワトロ(M.ファスラー・A.ロッテラー・B.トレルイエ組)が続いた。

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予選中の推移では、まずカーナンバー17・ポルシェ919ハイブリッドのティモ・ベルンハルト選手が1分22秒888を記録。さらに引き継いで同車に乗るマーク・ウェーバー選手が、このベルンハルト選手のタイムを上回る。

そのタイムは、スーパーフォーミュラのレコードタイムに0.1秒差に迫る1分22秒638、これでポルシェ919ハイブリッドは、WEC第6戦・富士のポールポジションの地位を不動のもとした。

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これを追い掛け、カーナンバー1のトヨタTS040ハイブリッド(A.デビッドソン・S.ブエミ・中嶋一貴 組)に乗る中嶋一貴選手は、当初トップから1.8秒遅れの3番手に付けていたのだが、2台目のポルシェ919ハイブリッドであるカーナンバー18が、首位から0.128秒で2番手に浮上。

これに対して、カーナンバー7・アウディR18 e-トロン・クワトロ(M.ファスラー・A.ロッテラー・B.トレルイエ組)が、ブノワ・トレルイエ選手のドライブで1分22秒台を記録し、ポルシェに追いすがるという展開となった。

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結果、20分間の予選セッションは、トップタイムを刻んだカーナンバー17のポルシェ919ハイブリッドから、2秒309落ちの1分25秒072で5番手に終わる。

もう1台のカーナンバー2のTS040ハイブリッド(アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ組)はサラザン選手とコンウェイ選手によるドライブで、1分25秒327の平均タイムで予選6番手となった。

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ポルシェ勢とアウディ勢で占められた上位4台のベストタイムは僅差であるため、6時間のレースに於いて路面コンディションが良好であれば、決勝はこの4台によるトップ争いになるものと見られる。

対するトヨタ勢は、昨年のレコードタイムを上回ったものの、追撃の成果は、天候やライバル車両の脱落次第、自力での首位獲得は運を天に任せるしかない状況。いかにトップ4の牙城に食い込むかが、当面の課題となる。

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トヨタでは、「富士スピードウェイは、TS040 HYBRIDのパワーユニットを開発するトヨタ自動車東富士研究所から僅か20kmしか離れていない富士スピードウェイのホームコースです。

TOYOTA GAZOO Racingは、地元日本のファンと、応援をしてくれるトヨタ自動車の大勢の社員に最高のパフォーマンスを見せるべくベストを尽くして臨みます」と述べている。

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なおポルシェは、ここまで開幕戦からすべてで予選トップを獲得し続けており、決勝では最前列からの4連勝を目指す。対してアウディは決勝での順位逆転を狙い、4戦ぶりの勝利を目指す。

LMP1クラス上位の予選結果は以下の通り。

1位:カーナンバー17 ポルシェ919ハイブリッド
(T.ベルンハルト・M.ウェーバー・B.ハートレー組)

2位:カーナンバー18 ポルシェ919ハイブリッド
(R.デュマ・N.ジャニ・M.リーブ組)

3位:カーナンバー7 アウディR18 e-トロン・クワトロ
(M.ファスラー・A.ロッテラー・B.トレルイエ組)

4位:カーナンバー8 アウディR18e-トロン・クワトロ
(L.ディ・グラッシ・L.デュバル・O.ジャービス組)

5位:カーナンバー1 トヨタTS040ハイブリッド
(A.デビッドソン・S.ブエミ・中嶋一貴 組)

6位:カーナンバー2 トヨタTS040ハイブリッド
(A.ブルツ・S.サラザン・M.コンウェイ組)
なおMP2クラスは、カーナンバー26・G-ドライブ・レーシングがトップタイムをマーク。さらに同車2人目のサム・バード選手のドライブによりポールポジションが確定。2位にも同チームのカーナンバー28が入ってワン・ツゥー体制となった。3位には、カーナンバー43・チーム・サード・モランドが食い込んだ。

LMP1クラス外の首位獲得車は以下の通り。

LMP2:カーナンバー26 G-DRIVE RACING(リジェJS P2・ニッサン / R.ルシノフ・J.キャナル・S.バード組)
LMGTE-Pro:カーナンバー71 AF CORSE(フェラーリF458イタリア / D.リゴン・J.カラド組)
LMGTE-Am:カーナンバー72 SMP RACING(フェラーリF458イタリア / V.シェイタル・A.ベルトリーニ・A.バソフ組)

予選後のコメント(ポルシェ)

LMP1担当副社長 フリッツ・エンツィンガー氏:「6戦で6度目のポールポジション、そして6回目のセカンドグリッド獲得。予選結果として、これ以上望むべくものはありません。

明日は両チームともにポディウムフィニッシュを期待しています。マニュファクチュアラーチャンピオンシップでリードを広げ、ドライバーズチャンピオンシップで差を縮めることが目標です。

決勝レースでは予想外のことが結果に大きな影響を与えるものです。予報によると天候は変化するようですし、アウディは想像以上に手強くなっていました。興奮するレースになることをお約束します。

チーム監督 アンドレア・ザイドル氏:「引き続き予選で素晴らしい結果を残すことができました。この富士でアウディが速いことは、昨日のプラクティスセッションですでに分かっていたことです。

車のパフォーマンスは継続して向上し、すべてのドライバーも素晴らしい走りを披露してくれました。明日は接戦になるでしょう。

戦いという意味だけでなく天候を考えても、我々にとってチャレンジングなレースになることは間違いありません。少なくともレース序盤は雨が降るようです」。

LMP1テクニカル・ディレクター アレクサンダー・ヒッツィンガー氏:「やはりアウディとは接戦になりました。その要因の一つとして、予想以上にダウンフォースが少なかったことが挙げられます。これはタイヤのマネージメントが決勝レースで大きな役割を果たすことを意味しています」。

【ポルシェ919ハイブリッド(No. 17)】
ティモ・ベルンハルト選手(34歳、ドイツ):「我々はポールポジションの獲得に喜んでいます。マークはスーパーラップを披露しました。セクター1で少しタイムロスしましたが私の走りも劣らずに良かったと思います。

予選での差は大きなものでは無かったので、明日は僅差のレースになるでしょう。チームメイトの919ハイブリッドとアウディも手強い相手です」。

マーク・ウェバー選手(39歳、オーストラリア):「予選でまたもワン・ツーを獲得できたのはチームとして喜ぶべき結果です。これまでの予選で我々は強さを見せてきましたが、今日はアウディの7号車からプレッシャーをかけられました。

しかし努力しただけの結果を得られました。ティモのドライビングは素晴らしく、最後に18号車をフロントロウに持ってきたマークのアタックも見応えあるものでした」。

【ポルシェ919ハイブリッド(No. 18)】
ロマン・デュマ選手(37歳、フランス):「ここでの2番手グリッドは我々にとってベストの結果といえます。私のアタックも悪くはなかったので不満はありません。第一コーナーではブレーキが予想以上に冷えていたため、ブレーキングで少しタイムを失いました」。

マルク・リーブ選手(35歳、ドイツ):「決勝に向けてタイヤを温存するため、ロマンはユーズド・タイヤでアタックしました。予選から激しい戦いになりました。

このため私の最後の1ラップでニュータイヤを投入することになり、完璧なアタックを求められました。タイムアップすることはできましたがトラフィックもあったため、もっとタイムを縮めることも可能でした」。

予選後のコメント(トヨタ)

セバスチャン・ブエミ選手: 可能な限りベストを尽くしました。正直なところ、望んでいた結果には届きませんでした。練習走行では、もう少しライバルに近づけると思っていました。

しかし、あくまでもこれは予選の結果で、我々は決勝レースに焦点を合わせています。天候が味方してくれることを願って、前向きに挑戦していきます。

中嶋一貴選手: 私のアタックでは若干ミスをしたので、理想のタイムとは言えないのですが、ポジションは変わらなかったでしょう。決勝で頑張ります。

少しでもウェットコンディションになってくれればチャンスが増えるでしょう。多くの応援を背中に受けて、明日もプッシュして行きます。

ステファン・サラザン選手: ピットレーン出口で長く待たされたためにタイヤが冷えてしまい、アンダーステア症状に見舞われてしまいました。

そのため、車両を信頼出来ないままのアタックとなり、良いタイムが出せませんでした。しかし、決勝レースに向けては良い仕上がりになっているので期待しています。

マイク・コンウェイ選手: ステファン・サラザンからのドライバー交代 最初の数周、コース上の混雑に阻まれてしまいました。それが無ければコンマ数秒は速かったと思います。

自分の走りには満足しており、燃料が少ない状況でのTS040 HYBRIDも好感触でした。ライバルには届きませんでしたが、差は縮まっています。決勝レースでベストを尽くします。