スバルBRZ GT300、スーパーGT・2017シーズン最初の岡山公式テストに参加


スーパーGT・2017年シーズンの開幕戦を3週間後に控えた3月18~19日の岡山国際サーキットで、今年最初の公式テストが行われ、SUBARU BRZ GT300を配して参戦するR&D SPORTも参加した。

刷新されたSUBARU BRZ GT300 2017モデルは、エンジンから駆動系のレイアウト、そして空力パーツなど、大幅に改良の手が加えられたが、今テストに於いては大きなトラブルもなくテストメニューを消化した。

具体的には、完成直後にシェイクダウンを行い、本格的な走行はこの公式テストが初の機会となったため初日の18日。最初の走行セッションでは序盤にマシントラブルに見舞われたものの、午後のセッションからは順調に走行を重ねることができていた。

幸い天候は、晴れの国・岡山を標榜する同サーキットならではの安定したもとなり、4回のセッションは総てドライコンディション。ニューマシンを仕上げて行くには絶好の2日間となった。

今年投入するSUBARU BRZ GT300 2017モデルは、トランスアクスル方式を採用したことが最大の特徴となっている。

これは、前後重量配分をより後方にシフトしてトラクションを高めることが目的で、辰己英治総監督によると「ドライバーが体感できるレベルで、コーナーの立ち上がりなどでトラクションが増え、特にレースでは強みになる」と述べている。

またトランスアクスル化に加えて、エンジンのトルク特性の改良やボディの軽量化&低重心化、そして重量物をボディ中心近くに移して前後重量配分を見直すなど、2016年モデルからの改良点は、細かなものを含めると、数え上げればきりがないほど多岐に亘る。

こうした改良点が、今テストでどう機能していくかが、今回のテストでは大きなテーマとなったが、結果的には改良点は充分に機能し、ポテンシャルが大きく引き上げられてことが確認できたと云う。

実際、走行タイムを見ても、1日目の午後のセッションでは6番手(初日としては7番手)に、さらにテスト2日目の午前のセッションでトップから0.18秒差のクラス3番手につけることができていた。

開幕戦での決勝を見越して、午後のセッションではロングランの走行が主体となったが、ベストタイムはトップから0.4秒差のクラス7番手と、安定した速さを発揮することができている。

なお今回の公式テストでも、井口卓人選手と山内英輝選手の2人のレギュラードライバーがステアリングを握り、2日間で多くのマイレージを積み重ねた。

また、開幕戦に向けてのタイヤテストを中心としたテストメニューも順調に消化することができ、走り終えてピットに戻って来たドライバーは2人とも、SUBARU BRZ GT300 2017モデルのドライブフィールが素晴らしい、と口を揃えた。

チームはこの後、次の週末に富士スピードウェイにおいて開催される第2回公式テストに参加する。

テクニカルから高速主体へ、サーキットのキャラクターは変わるが、マシンを仕上げてさらに速くするためのヒントは充分掴めている様子。

そしてその2週間後、チームはここ岡山に戻ってきて2017年シーズンのSUPER GTシリーズ開幕戦を戦う。チームでは、「SUBARU BRZ GT300へのご声援を、よろしくお願いいたします」の語っている。

加えて辰己英治総監督は、「SUBARU BRZ GT300 2017モデルは、駆動系のレイアウトを変更して、トランスアクスルタイプにしました。

もちろんこれは重量配分を後ろ寄りにすることでトラクションを高め、コーナーからの立ち上がりを速くするための変更です。

数字的に見ると(前後の重量配分比は)1%にも満たないほどですが、ドライバーからはハッキリ体感できる、と好評でした。

シェイクダウンした時にはトラブルに見舞われましたが、それについてはしっかりと解析でき、完璧な対策を施すこともできています。

今回の走行で良い手ごたえがつかめたのでシーズンに向けポジティブな気持ちで臨むことができそうです」とコメントした。

以下はドライバー達のコメントとなる。

井口卓人選手
「SUBARU BRZ GT300 2017モデルは、トランスアクスル方式を採用していますが、それは走ってみると充分に体感できました。

重量配分が良くなったことでトラクションが増えて立ち上がり加速が良くなったこともそうですが、実戦のレースではタイヤに優しいクルマになったと思います。

タイヤをあまり気にすることなく安心して全開で走り続けられる。そんなクルマに仕上げて行きたいですね。もちろん、目標はチャンピオン。SUBARUファンの皆さんに喜んでもらえるレースを、もっともっと増やしていきたいですね」

山内英輝選手
「初日にちょっとしたトラブルがありましたが、それもシリアスなものではなかったし、2日間を通じてまずまず順調にテストメニューを消化することができました。

トランスアクスル方式に変えたことに加えて、少しだけですがロングホイールベースになったことも大きく影響していると思いますが、SUBARU BRZ GT300 2017モデルはドライバーにとっては乗りやすいクルマになったと思います。

レース本番では、これは大きな武器になると思います。もちろんドライバーだけでなくタイヤにも優しいキャラクターになったんじゃないかな。

開幕戦の岡山は、僕の地元にも近いコースなので、何とかいい結果を出して今シーズンのいい流れをつくりたいと思っています」