自動車の安全装備と機能で最先端を追い続けているAutoliv Inc.
(オートリブ)と、AIを介して自動運転車の開発に取り組むTensor
(テンサー)は1月5日(スウェーデン・ストックホルム発)、Tensor Robocar向けに世界初の折り畳み式ステアリングホイール(完全に格納されるのではなく、インパネ奥に折り畳むように収められる)を共同開発した。
なお同製品は、2026年1月6日から9日(メディアデーは1月4日から5日)にラスベガスで開催される技術イベント、コンシューマーエレクトロニクスショー(CES)の LVCCウェストホールのTensorブース#5701で披露される。
また今後は、ステアリングホイールを握って手動操作で走らせることも、完全な自動運転車としてインストルメントパネル内部に格納させて走らせることができる車両(Tensor Robocar)が、早くも2026年後半に量産開始予定としており、まず米国、EU、中東市場に於いてリリースされるという。
さて今回、両社が折り畳み式ステアリングホイールを製品化した背景には、近年のモビリティ産業界の要請を受けてのこと。
というのは自動運転車の進化に伴い、従来のようなステアリングホイールは、時に車内内部の障害物となり、乗員の快適性とスペースの両面を阻害するケースも有り得るからだ。
従って今回開発された折り畳み式のステアリングホイールは、自動運転車の車内レイアウトの変更に素早く応えられるように設計され、車室空間のパーソナル化に応えられるよう柔軟性が大きく高められた。
実際に、Tensor Robocarに組み込まれた同ステアリングホイールは、レベル4モード(車両が定められた条件下で人間の介入なしにすべての運転タスクを処理できるモード)では格納され、運転席エリアが完全にクリアになる。
このような室内空間に於ける大きな変化は、自動運転時の快適性を向上させるだけでなく、キャビン自体を多機能空間として再定義させることを意味する。
なお一方で、乗員の安全確保に欠くことのできない本来のエアバッグとしての機能は、選択された個々の運転モードに応じて最適に動作するよう適応化された。
より具体的には、自動運転モードでステアリングホイールが格納されている時は、インストルメントパネルに内蔵されたエアバッグが作動する。
対して手動運転時には、ステアリングホイールに内蔵されたエアバッグが作動する。結果、万が一の際、どちらのシステムが作動しても、同等かつ高いレベルの乗員保護性能を有する訳だ。
こうした製品仕様についてAutolivでエグゼクティブバイスプレジデント兼最高技術責任者を務めるファビアン・デュモン氏は、「自動車の安全性は、もはや画一的な考え方では対応できません。
私たちは、安全性をインテリジェントかつ適応的にするにはどうすれば良いか、つまりドライバーのニーズにシームレスに適応するシステムを構築するにはどうすれば良いかを自らに問い掛けてきました。
その結果、我々は協業を介して新たな回答を引き出すことができました。車両の個々のモードに適応させることで、安全性と快適性の両方を満足させられるソリューションが生まれました」と語った。
次いでTensorでCEOを務めるジェイ・シャオ氏は、「完全自動運転技術は、これまでと全く異なるユーザーエクスペリエンスが求められます。
折りたたみ式ステアリングホイールを備えた当社のデュアルモードアプローチは、両方の長所を組み合わせ、お客様に選択の自由をご提供します。
折り畳み式ステアリングホイールは、これまでコンセプトカーにしか存在しませんでしたが、私たちはこの革新技術を日常的に使用できるよう今後は、より多くの量産車へ導入していきたい考えです」と将来展望について説明した。
最後に両者は、この折り畳み式ステアリングホイールを介した企業連携について、「自動運転車の内装開発にとって、重要なマイルストーンのひとつとなるでしょう。
というのは自動車の安全性能を包括した製品開発は、これまでの衝突性能のみを確保するだけに留まらず、ユーザー中心のインターフェイス設計にまで及ぶ広範な設計思想が求められるからです。
そうした意味で我々は、100%の安全が求められるこうした機能製品の開発で、新たなベンチマークを打ち立てることになったと自負しています」と結んでいる。

