人による見守りとデジタル技術を融合した自動運転の運行支援体制を構築
タクシー業界のDX化を標榜する電脳交通(本社:徳島県徳島市、代表取締役社長:近藤 洋祐)は、タクシー事業で自動運転の社会実装を目指すべく1月8日より、特化型・機能部門として「自動運転 遠隔監視センター」を設立した。
*写真のモニター画像は運営時のイメージを想定したもの
「自動運転 遠隔監視センター」では、電脳交通がコミュニケーションセンター(タクシー配車、点呼業務、ライドシェアの運行支援を担ってきた同社拠点)の運営を通じて培ってきた、有人タクシーの配車オペレーションやノウハウを活かし、自動運転タクシーに特化した遠隔監視および運行支援を行う。
電脳交通は、自動運転タクシーと有人タクシーを相互に補完し合う交通手段として捉え、将来的にはライドシェアを含む多様なモビリティを一体的に運用する世界観を見据えている。
より具体的には、地域の交通ニーズに応じて最適な車両の手配から、遠隔での運行支援までを一体的に担う「総合交通コミュニケーションセンター」機能実現を目指していくという。
さて電脳交通の「自動運転 遠隔監視センター」は、拠点となるコミュニケーションセンター内に新たに設置された自動運転タクシーを中心とした遠隔監視及び有人タクシーと自動運転タクシーのシームレスな配車業務に特化したセンターとなる。
自動運転 遠隔監視センターでは、自動運転タクシーの運行状況を遠隔から常時把握し、異常発生時や判断を要する場面で、オペレーターが関係者と連携しながら対応を行う。
そうした取り組みへの第一弾として、徳島県、日本電気(NEC)、電脳交通の三者による自動運転タクシー実証運行(2025年度 国土交通省「地域公共交通確保維持改善事業」採択案件)に参画する予定。
今後は、自動運転技術の検証だけでなく、有人タクシーと自動運転タクシーが混在する環境下での運用や、遠隔監視・運行支援を含む実務オペレーションの有効性を検証する場面などで、同センターは重要な役割を果たしていくとした。
その役割と支援内容は以下の通り
車両監視:車両が安全に走行している状態を継続的に把握し、万が一のトラブルや異常を早期に察知すること
車両制御:トラブル発生時などに、遠隔から車両を停止させる、動作を一部支援するなど、状況に応じた操作を行うこと
ユーザーサポート:乗客が安心して移動できるよう、シートベルトの着脱案内や、車両トラブル発生時のご案内などを遠隔で行うこと
施設は、デジタル技術による効率化と、人による判断・対応を組み合わせた運用を特徴としており、人というアナログな存在が、複数のシステムや関係者を繋ぐハブとなることで、完全自動化を前提としない、現実的かつ段階的な自動運転タクシーの運用を支えていくとした。
背景
人口減少や高齢化の進行に伴い、地域における移動手段の確保は全国的な社会課題となっている。
特に地方部では、公共交通の維持が難しくなるなか、タクシーは住民の日常生活を支える重要な移動インフラである一方、業界全体で慢性的な人材不足が深刻化している。
それゆえ将来に亘る交通サービスの継続が大きな課題となる。
こうした社会背景のもと、交通分野では自動運転をはじめとした新たなモビリティの活用に期待が高まっている。
とりわけタクシー領域では、既存の営業エリアや運行ノウハウを活かせる手段として自動運転タクシーについて、人材不足への対応や移動手段の確保を補完する手段として、各地で実証運行や導入検討が進められている。
一方で、交通サービスのデジタル化や新たなモビリティの導入が進むなか、全ての利用者がデジタルツールを前提としたサービスを円滑に利用できるとは限らない。
例えば緊急時やイレギュラーな事象への対応など、AIやシステムだけでは完結しない場面も依然として存在する。
今後、自動運転タクシーが社会に受け入れられるためには、技術の高度化に加え、運用面での信頼性や、人による見守り・サポート体制の構築が不可欠となる。
電脳交通は、「地域の交通を支える」という創業以来の使命のもと、24時間365日稼働する交通業界特化型のコミュニケーションセンターとして培ってきた配車オペレーションの知見、緊急時の対応力、電話対応を含む“人による支え”を活かす。
全国各地で、自動運転事業に関わるタクシー事業者や自治体が、自動運転タクシーの導入・運用に円滑に取り組める環境を整えることが重要だ。
そこで、自動運転という新たなモビリティ領域にお於いても、特定の車両メーカーやシステムに依存せず、人と技術を繋ぐ役割を果たすべく、自動運転タクシーに特化した遠隔監視体制に応える自動運転遠隔監視センターの設立に至ったとしている。
なお同センターは、自動運転タクシーを一過性の実証に留めず、地域に根付いた交通サービスとして定着させるための基盤づくりを目的とする。
同社ではこの取り組みについて、「自動運転領域への参画に向けた第一弾として位置づけており、今後は、現在主流となっているLv2相当の自動運転支援に留まらず、将来的に拡がっていくLv4運行を見据えた遠隔支援にも対応できるよう、必要な環境や運用体制の構築へと段階的に拡張してまいります」と話している。
「自動運転 遠隔監視センター」新設についてのコメント
株式会社電脳交通 代表取締役社長CEO 近藤洋祐氏
電脳交通は、自動運転技術を“実際の交通サービスとして安全に運用する”ことを重視し、このたび「自動運転 遠隔監視センター」を新設しました。
本センターは、車両を遠隔から見守るだけでなく、必要に応じて人が介在し、事業者や関係機関と連携しながら運行を支援する運用拠点です。
私たちはこれまで、日本各地のタクシー事業者の運行現場に必要なテクノロジーを開発し、電話対応やアプリ配車の導入支援、労務管理業務の効率化など多様な運用を支えてきました。
その経験を活かし、自動運転という新しい技術も、既存のタクシーや地域交通の延長線上で、タクシー事業者がストレスを抱えることなく運用を行える状況を生み出したいと考えています。
自動運転タクシーと有人タクシーの共存を目指し、新たなテクノロジーは地域の移動を支える手段として相互に補完し合う存在だと捉え、当社は今後も、人を起点とした安心感のある運用を通じて、持続可能な地域交通の実現に貢献してまいります。
株式会社電脳交通の概要
所在地 :徳島県徳島市寺島本町西1丁目5番 アミコ東館6階
設 立 :2015年12月
代表者 :代表取締役社長 近藤 洋祐
従業員 :201名 (2025年3月末時点)
資本金 :1億円(2025年4月末時点)
