豊田通商とImagry、公共交通の自動運転実証で協業

イスラエルに於いてHDマップレスAI自動運転ソフトウエアを開発するImagry( イマジリー / 本社:米カリフォルニア州サンノゼ、CEO:Eran Ofir )は12月23日( 米・加州発 )、豊田通商( 本社:名古屋市中村区、代表取締役社長:今井斗志光 )と、日本国内に於ける公共バス向け自動運転システムの開発に取り組む。

*写真はImagryが2024年に、イスラエル・ナハリヤで行った実証運行の様子

仮にこのバス運行システムの開発と、実証実験が成功裡に終えられた場合、両社は今自動運転プラットフォームを、日本全国の公共交通事業者&自治体へ提供することを検討。持続可能な公共交通ソリューションとして、様々な懸念を抱える国内需要に応えていきたいとしている。

ちなみに現在、日本国内ではバス運転手として必要とされる人員の実に2割が不足している。実際、公益社団法人日本バス協会の推計によれば、来たる2030年度には、その不足数が累計3万6,000人にまで拡大する可能性があるという。

そうしたなかで今回のバス向け自動運転システムが、山積する課題解決の決定打であると両社は謳っており、今後の運行車両数の拡大、運行エリアの拡張、運行時間の増加を可能とするとした。

またこれにより投資収益率(ROI)が向上し、移動の公平性の確保、利用者満足度の向上、環境負荷の低減、更には道路渋滞の緩和にも寄与すると畳み掛けている。

なお今想定の具体的な実証内容は、まずは全長6.9メートルの電動eVersum midi-busを採用。同車は最大38 名(車いす利用者1 名を含む場合は32名)の乗車が可能で、ソフトウェアおよびハードウェアの搭載・統合は、当該のバス製造工場内で実装される。

実証ルートは、公共交通事業者(PTO)が現在運行している一般車両が混在する既存のサービスルートで行われ、バス利用者が実際に自動運転を体験できるようにするとした。

この取り組みについてImagryのEran Ofir(エラン・オフィル) CEOは、「この度、豊田通商と協業し、日本国内で自社の自動運転システムを検証できることを光栄に思います。

実地で検証された Imagry の AI ベースのソフトウェアと、豊田通商の幅広い産業・官公庁ネットワーク、そしてプロジェクト推進に於ける豊富な知見を組み合わせることで、日本の公共交通が直面する課題に対する不可欠な解決策を提供。

更に日本を、世界に於ける公共交通イノベーションのリーダーへと押し上げることができると確信しています」と結んでいる。

*24年の実証運行(動画)では、イスラエル北端ナハリヤのナティーブ・エクスプレス5号線上に於いて、環状交差点(ラウンドアバウト)、横断歩道、信号機等が設置された市街の全長8キロメートルの路線で行われた。



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