国土交通省、燃料電池二輪自動車等の技術基準を世界初策定


国土交通省では、国内自動車メーカーで燃料電池二輪車の開発が進んでいることから、世界に先駆けて燃料電池二輪自動車等の安全基準を策定した。

同省はこれにより、今後、燃料電池二輪車の普及が加速され、我が国の国際競争力が高まるものと考えているという。

具体的には、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(平成14年国土交通省告示第619号)等を改正し、燃料電池二輪自動車等に関し、二輪自動車特有の要件を盛り込んだ安全基準(高圧ガス燃料装置の強度、構造、取付方法等)に対する考え方を以下のように取りまとめた。

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部改正
1.背景
もとより自動車の安全・環境基準については、道路運送車両法(昭和 26 年法律第 185号)の規定に基づき、道路運送車両の保安基準(昭和 26 年運輸省令第 67 号)が定められている。

今回はこれに、圧縮水素ガスを燃料とする自動車の普及を踏まえて、圧縮水素ガスを燃料とする二輪自動車に対する高圧ガス燃料装置の強度、構造、取付け方法等の安全基準の新設等を付け加えた。

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道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(平成 14 年国土交通省告示第 619 号。以下「細目告示」という。)等について、まとめた概略は以下の通り。

2.改正概要
・高圧ガスを燃料とする自動車の燃料装置(細目告示第 20 条、第 98 条、第 176 条関係)圧縮水素ガスを燃料とする二輪自動車等に関し、「水素及び燃料電池自動車に関する世界技術規則(第 13 号)」をベースに、二輪自動車特有の要件を盛り込んだ基準を
新設する。

【適用範囲】
○ 圧縮水素ガスを燃料とする二輪自動車及び側車付二輪自動車
【改正概要】
○ 自動車に備えるガス容器及び容器附属品(容器安全弁等)に関し、容器保護要件として以下の技術的要件を義務付ける。
(a)転倒時等において路面と直接衝突しないこと。
(b)ガス容器は衝突及び追突時等に他の部品等(保護装置を除く)と直接接触しないこと。
(c)事故を想定した次の加速度を加えたとき、少なくとも1ヶ所でガス容器が車両に固定されていること。
・車両進行方向:±426m/s
・車両進行方向に直角な水平方向:±617m/s
○ 容器安全弁作動時の水素放出について、水素放出方向を特定できるように、放出方向は車両底面垂直方向に義務づける。
○ 車両から排出される気体の水素濃度について基準を設ける。
○ 車室等の水素濃度が3%を超えた場合には運転者に警告し、4%を超えた場合には燃料の供給を遮断することを義務付ける。

【適用時期】
新型車及び継続生産車:平成 29 年 2 月 23 日
3.スケジュール(予定)
公布・施行:平成 28 年 2 月 23 日