アイフェルで開催された伝統のレースで、ワークスチームが不運に見舞われる中、ポルシェのカスタマーチームが活躍
ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)のカスタマーチームは、ニュルブルクリンクの北コースで開催された24時間レースに於いて、今回も力強いパフォーマンスを発揮した。
ドイツ最大のモータースポーツイベントが開催されていたサーキットは、時折の雨、霧および雹によって、過酷な状態になったが、ポルシェ勢は20万人を超えるファンの前で、5つのクラス優勝を飾った。
ポルシェ911 GT3カップで参戦したファルコンチームTMDフリクションおよびRent2Driveレーシングは、それぞれSP7クラス、SP6クラスを制し、マンタイレーシング(SP-X)およびレースユニオン・タイクマン・レーシング(カップ3)もポルシェ ケイマンGT4クラブスポーツでクラス優勝を果たし、さらにブラック・ファルコン・チームTMDフリクションのポルシェ911カレラは、V6クラスで圧倒的な強さを見せつけた。
しかし一方で、ポルシェのワークスチームであるチーム・マンタイ・レーシングが投入した911 GT3 Rの挑戦は、日曜日の朝に不本意な結末を迎えた。
アイフェルで、44回目の開催を迎えたこの伝統の一戦のフィニッシュまで5時間ほど、100周目でヴァイザッハ生まれの500 PSのレーシングカーは突如停止してしまった。
雨が降り始め、彼らはレース終盤に向けて順位を上げていこうとしていた矢先、デンマーク人ドライバー、ミハエル・クリステンセンが運転するカーナンバー912は5位を走行していた。
彼のチームメートであるリヒャルト・リーツ(オーストリア)、フレデリック・マコヴィッキ(フランス)およびイェルク・ベルクマイスター(ドイツ)は、ピットでリタイヤを迎えることになった。
土曜日、嵐でサーキットがウエット状態となったため、レースが3時間中断された後、イェルク・ベルクマイスターは8台ものライバル達をオーバーテークした。
ポルシェのワークスチームにとっては、わずか2周目にニック・タンディがカーナンバー#911のポルシェ911 GT3 Rでバリヤに衝突してしまい、スタート直後から厳しいレース展開となった。
それに先立ち、マンタイレーシングのメカニック達は、トップ30予選でのアクシデント後に夜を徹して車両を修理し、土曜日の朝のウォームアップに間に合わせた。
総合でのポルシェ チームの最高順位は、ウォルフ・ヘンツラー(ドイツ)/マルティン・ラジンガー(オーストリア)/ピーター・ダンプレック(イギリス)/アレクサンドレ・インペラトーリ(スイス)組がドライブしたファルケン・モータースポーツ911 GT3 Rの9位だった。
レースについてのコメント
Dr.フランク=シュテッフェン・バリサー(ポルシェのモータースポーツ部門のトップ):「24時間にわたるレースですべての困難を克服し、難しい条件にもかかわらずクラス優勝を果たした各カスタマーチームに祝辞を贈ります。
ドライバーおよびクルーのモチベーションの高さと、献身的な働きにもかかわらず、私達のワークスチームにとって、このウイークエンドは成功とは言えず残念です。
予選での順位後退や、カーナンバー911の早々のリタイヤなど、すべての障害を冷静に受け止め、不平を口にすることなく共通のゴールを目指して、できることをし続けました。
時折でもトップのペースについて行けたのは、カーナンバー912だけでした。
私達は5位を走行中で、雨の中で逆転を狙う十分な準備が整っていました。しかし、それは実現しませんでした。ファンの皆様には、私達が再度参戦すること、そしてより良い結果を出すことを約束します。
一方、モナコではポルシェ ジュニアであるマッテオ・カイローリが、ポルシェ・モービル1・スーパーカップの250戦目のレースで優勝しました。
彼は若干19歳ながら、巨大なプレッシャーに耐え、予選では決勝を目指して頑張り、決勝では完璧なパフォーマンスを見せました。市街地コースで彼が見せた落ち着きには感心しました」。
リヒャルト・リーツ(911 GT3 R #912):「過酷な天候で北コースの24時間レースを走ったことは、驚異としか言えません。
雨、雹、霧など、また、それらすべてを同時に体験することさえありました。
幸運にも、私達のエンジニアであるアンドレアは、無線で雹が近付いていることを知らせてくれ、厳しい気象状況とウエットの路面ですでに低速で走行していた私に、さらにペースを落とすよう警告してくれました。
彼女がイタリア語でまくし立てて教えてくれていなければ、私もバリヤに突っ込んでいたでしょう。
それでも、今日はその警告でも十分ではありませんでした。しかし、来年ここに戻り、さらによい戦績を上げるには何をしなければならないか、はっきりとわかりました」。
ミハエル・クリステンセン(911 GT3 R #912):「私達のエンジニア達は、問題が何なのかまだ突き止めていません。突然クルマが止まってしまい、シフトダウンできませんでした。
さらにエンジンが止まり、再始動できませんでした。それがすべてを物語っています。
このレースは見通しを立てられず、今回もその評判通りになりました。それは今後も変わらないでしょう。その反面、北コースはドライバーに世界中のどのサーキットでもできない体験をさせてくれます」。
フレデリック・マコヴィッキ(911 GT3 R #912):「私達は決勝に準備万端で臨みました。しかし、もちろん天気は予知できません。
それでも、私達のパッケージは優れており、通常の状況であれば表彰台結果を残せたでしょう。私達のチームの多大な努力が報われなかったのは残念です」。
イェルク・ベルクマイスター(911 GT3 R #912):「残念ながら、私達全員が期待していたようなウイークエンドにはなりませんでした。
しかし、この特別なレースを911 GT3 Rで競うことができたのは、とても愉しい体験でした。
私達は、私達が進歩する上で役立つ重要な知見を得ることができました。私達の今後のモットーは2017年に再挑戦、より良い結果を残すことです」。
総合結果
1. ヴィートリス/ジーフリード/ホーエンナーデル/ファン・デル・ツァンデ(ドイツ/ドイツ/ドイツ/オランダ)組、メルセデス、134周
2. シュナイダー/エンゲル/クリストデュロー/メッツガー(ドイツ/ドイツ/イギリス/ドイツ)組、メルセデス、134周
3. アルツェン/アルノルト/ゴッツ/サイファルト(ドイツ/ドイツ/ドイツ/ドイツ)組、メルセデス、133周
9. ダンブレック/ヘンツラー/ラジンガー/インペラトーリ(イギリス/ドイツ/オーストリア/スイス)組、ポルシェ911 GT3 R、130周
13. ワイス/カインツ/クルムバッハ/シュチュルスベルク(ドイツ/ドイツ/ドイツ/ドイツ)組、ポルシェ911 GT3 R、128周
17. クロス/シュミットマン/リヒター/ルナウエ(ドイツ/ドイツ/ドイツ/ドイツ)組、ポルシェ911 GT3 R、123周
ポルシェのクラス優勝
SP7
ブラック・ファルコン・チームTMDフリクション、ポルシェ911 GT3カップ:アルチュロ・デビグス(ドイツ)、アンドレアス・ワイスハウプト(ドイツ)、アレックス・トリール(スペイン)、マリオ・ファルンバッハ(ドイツ)
SP6
Rent2Driveレーシング、ポルシェ911 GT3カップ:ダビッド・アッカーマン(ドイツ)、カルステン・ヴェルシャー(ドイツ)、ヨルグ・ヴィスキルシェン(ドイツ)、ワルター・サバ(ハンガリー)
SP-X
マンタイレーシング、ポルシェ ケイマンGT4クラブスポーツ:クリストフ・ブロイヤー(ドイツ)、クリスチアン・ゲブハート(ドイツ)、ラルス・ケルン(ドイツ)
カップ3
レースユニオン・タイクマン・レーシング、ポルシェ ケイマンGT4クラブスポーツ:ハンス・ホルムルンド(スウェーデン)、トミー・グラーベルク(スウェーデン)、スコット・マーシャル(イギリス)、モーリッツ・グーセンバウアー(ドイツ)
V6
ブラック・ファルコン・チームTMDフリクション、ポルシェ911:アウレル・シェラー(ドイツ)、アンドレ・クーン(ドイツ)、フィリプ(オランダ)、ミゲル・トリール(スペイン)