GM、2017年第2四半期業績発表。継続事業の売上高370億ドル・純利益24億ドルに


米国のゼネラルモーターズ・カンパニー(本社:デトロイト、CEO:メアリー・バーラ、以下、GM)は2017年7月25日、米国・デトロイトに於いて2016年第3四半期の業績を発表した。

それによると継続事業の売上高は370億ドル・純利益は24億ドルとなり、希薄化後1株当たり利益(EPS)は1.60ドル(前年比8%減)。

2017年 第2 四半期業績の概要

単位:10億ドル、1株当たりの項目は除く。売上高、純利益、営業活動からのオートモーティブ・キャッシュ・フロー、希薄化後EPSは、継続事業の金額のみ表示

調整後の希薄化後EPS は1.89ドル(前年比5.6%増)。調整後EBITは37億ドル、調整後EBIT利益率は10.0%、北米の調整後EBITは35億ドル、調整後EBIT利益率は12.2%を記録している。

GM会長兼CEO メアリー・バーラ氏は、「業績改善に向けた厳しい取り組みを規律正しくかつ継続的に行ったことによって、第2四半期および今年の前半を非常に堅調な業績で締めくくることができました。

私たちは引き続きGMの変革に取り組み、成長の機会を生かすとともに株主の皆さまに対してより多くの価値をもたらしていきたいと考えています」と語っている。

2017年・第2 四半期に於ける世界規模から見たGM車販売で、まず、米国における納車台数は合計725,000台となっている。

この結果はクロスオーバーの販売が24%増加したことによるもの。なお、第2四半期におけるクロスオーバーの販売実績は、GM史上最高を記録している。

GMの米国における1日のレンタカー用車両販売は第2四半期における販売台数の合計の6%で、フルラインの自動車メーカーの中では最も低くなった。1日あたりのレンタカー用車両販売では、2016年の第2四半期との比較で約25,000台(35%)の減少となった。

一方、中国では販売台数が前年同期比1.6%増加の852,000台となり、第2四半期の実績としては過去2番目の記録を達成。

キャデラック(Cadillac)および宝駿(Baojun)の車両販売が好調であったことから、それぞれの売上げは62%増と66%増の伸びを示している。

南米における当期の販売台数は160,000台で、業界の成長率が13%であるのに対し、18%の増加を達成した。

なお5月にGMは、同社の世界的事業戦略における主な再編活動を発表し、インド工場が輸出向けの生産のみを行うことや、南アフリカの工場における生産をいすゞ自動車に移管することを発表した。

これに伴いシボレーブランドは両市場から2017年末までに撤退する。これらの活動に加え、オペル/ボクスホールブランドと、GMファイナンシャルの欧州事業をPSAグループに売却を進めていることから、GMは適切な市場展開が行えるようになったとしている。

具体的には、独自のフランチャイズ事業における収益性を高め、長期間にわたって成長の機会を維持することができるとしている。また、未来のパーソナルモビリティーをリードしていくことにも期待を抱いている。

こうした事業成果とその予測についてエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼CFO チャック・スティーブンス氏は、「北米および中国での業績が好調であったことや南米の業績が大きく改善したこと。

さらには、GMファイナンシャルの継続的な成長が、今期の堅調な結果をもたらしたと言えます。

今年の後半に向けてニューモデルを定期的に投入していくことで、私たちは2017年の財政目標をクリアさせる考えです」と語っている。

2017年 第2 四半期のセグメント別業績

(調整後EBIT、単位:10億ドル、継続事業の金額のみ表示)

資本還元でGMは、6億ドルの普通株式配当金を支払うと共に、15億ドル分の普通株式を買い戻した。

GMは普通株式配当と自社株式の買い戻しにより、年間を通じて最大70億ドルを株主に対し還元する予定だ。

技術面とその取り組みについては、6月にGMは自動運転技術を採用した実験車両「シボレーボルトEV」130台を、自動車メーカーとして初めて量産工場で生産した。

これによって自動運転技術を採用した実験車両は、180台に増加している。加えて今秋、キャデラックCT6にスーパークルーズを搭載するため、GMのエンジニアはシステムの最終的な検証の一環として、米国とカナダのハイウェイを約160,000マイル走行した。

オートモーティブ流動性

(単位:10億ドル、継続事業の金額のみ表示)

また同じ6月に、GMはサンディエゴとサンフランシスコでカーシェアブランドの新サービスMaven Gigをスタートし、宅配便やライド・シェアリングのようなフリーランスサービス向けにシボレーボルトEVを提供できるようにしている。

2017年の新たなプロダクトローンチでは、今年の前半、米国ではクロスオーバーセグメントが他のセグメントよりも急成長した。

これは業界全体で見ても、6月の米国におけるクロスオーバー売上げは、2016年比で9%の伸びを示している。

これを踏まえGMは引き続きこのトレンドに注目し、GMC テレイン、シボレー トラバース、ビュイック エンクレーブを年末に向けて投入する。

特にシボレーは、8月1日までにボルトEVを米国市場全体に投入することも予定を立てている。2017年の第2四半期、GMの中国拠点は、新型モデルと改良モデルを合計10車種導入することを計画。

今年の後半、シボレーのディビジョンでは、成長が著しいブラジルのコンパクトSUV市場において、SUVモデルのEquinoxを導入する予定としている。