Formula Studentの前回優勝チーム、「3Dエクスペリエンス・プラットフォームクラウド」で最新鋭車両を8ヶ月で設計・製造
デルフト工科大学 (オランダ) に所属する14の学生プロジェクト・チームの一つであるFormula Student Team Delft (以下、FSチームデルフト) が8月4日、ダッソー・システムズの3Dエクスペリエンス・プラットフォーム クラウド版で設計・製造・テストされた初の電気学生フォーミュラカーを一般公開した。
同チームは75名で構成され、同社の3Dエクスペリエンス・プラットフォームを使用することで、わずか8ヵ月で車両を完成させた。
FSチームデルフトが今回公開したシングルシーターの「DUT16」は、車両重量が160kg、177馬力で、停止状態から加速して時速100kmに達する時間が2.2秒。
サスペンションによって自動調整されるフロントウィングが特徴のユニークなデザインを有し、さらに各ホイールに格納されたモーター、トランスミッションならびにブレーキシステムが、路面がウェットかドライかにかかわらず、車両の重量と速度、パフォーマンスの関係を最適化していく。
FSチームデルフトは、ダッソー・システムズの3Dエクスペリエンス・プラットフォーム クラウド版を活用することで、クラウドの技術的メリットを享受しながら、プロジェクトに関わる時間とコストを削減した。
複数の専門分野をまたぐチームメンバーは、オンサイト、自宅、サプライヤーとのミーティング、あるいはテストといったいずれの状況においても、常にセキュアな状態でプラットフォームを使用できた。
使いやすさと直感的なインターフェースにより、学生は機械、キネマティクス、複合材および電気の各アプリケーションをすぐに習得し、車両を物理的に製造する前に、複雑な設計課題に対処できた。
FSチームデルフトのチームマネージャーであるBas aan de Stegge氏は、「クラウド版の3Dエクスペリエンス・プラットフォームとCATIAアプリケーションがなければ、DUT16は実現できませんでした。
インダストリアル・デザイン、応用科学ならびに航空宇宙工学、機械工学および電気工学 (といったさまざまな専攻) の学生で構成される私たちのチームの目標は、ただ一つです。
それは、すべての学生フォーミュラ大会で優勝することです!デジタルで、かつクラウド化されたプラットフォームのおかげで、私たちはチーム一丸となって作業に取り組み、タイヤ、シャーシ、サスペンション、ドライブトレーン、空気力学およびエレクトロニクスといった様々なパラメータを、これまでより大幅に短い時間で最適化できました」と述べていた。
FSチームデルフトは、学生向けの工学設計の競技会としては世界最大となる「Formula Student」に向けて、DUT16を製作。
今年は世界中から500のチームが、それぞれの事業計画・コスト・設計戦略の評価を実施する静的審査、およびフォーミュラ1サーキットで各チームの車両パフォーマンスをテストする動的審査に参加する。
FSチームデルフトは、7月14日-17日の英国大会および8月9日-14日のドイツ大会で2015年のタイトル防衛を狙い、さらに8月25日-28日のスペイン大会に参戦予定。
ダッソー・システムズのエグゼクティブ・バイス・プレジデント、グローバル・アフェア・アンド・コミュニティーであるフィリップ・フォレスティエ氏は、「何十人もの学生が、3Dエクスペリエンス・プラットフォーム クラウド版を初めて使い、非常に競争力の高い車両を、ゼロから設計・製造・テストし、1年未満でレースに参加しています。
これは素晴らしい成果です。また、それは3Dエクスペリエンス・プラットフォームがクラウドでの大規模導入において堅牢性を発揮し、やりがいのある競争環境を支援していることを実証しています」と語っている。
関連情報詳細 http://academy.3ds.com/cloud/