マルチパスウェイの取り組みのもと、引き続き、BEVやFCEVなど多様なパワートレーンをグローバル展開へ
トヨタ自動車(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:佐藤恒治)は11月10日、カーボンニュートラル社会の実現に向けたマルチパスウェイの取り組みのもと、BEVやFCEVなど多様なパワートレーンをグローバルで展開していくことを発表。
これに伴い同日、タイ・バンコクでToyota Motor Asia(TMA/トヨタのアジア事業体)が開催する新車発表イベントで、新たにBEVモデルを加えた新型「ハイラックス」を世界初披露した。
*タイで公開したハイラックス(イベント展示車両・BEVモデル・プロトタイプ)
同モデルはアジアで2026年以降順次発売を予定している。なお、ディーゼルモデルを導入予定の日本仕向けについては2026年年央に発売する予定(日本仕様は同日より特設サイト
を立ち上げ順次情報を更新しいく)という。
トヨタでは同車について、「これまで〝もっといいクルマづくり〟を目指し、商品と地域を軸とした経営を進めてきました。
その中で、カーボンニュートラルの実現に向けたパワートレーン開発においては、各国・各地域のエネルギー事情やお客様によって異なるニーズに応えうる電動車の選択肢を用意する〝マルチパスウェイ〟の取り組みのもと、さまざまなモビリティを展開しています。
新型ハイラックスでは、マルチパスウェイの取り組みを一層加速すべく、今回発表したディーゼルモデル、BEVモデルに加え、FCEVモデルの開発を進めます。FCEVモデルは欧州、オセアニアに2028年以降の投入を予定しています」と説明している。
総電力量59.2kWh(IEC規格62660-1に準拠した方法で算出)のリチウムイオンバッテリーを採用。eAxleの高効率化もあり航続距離は300km以上(NEDCモード値、開発目標値)を実現。
バッテリーパックはフレーム幅を最大限生かしつつ床下に収まるように搭載。
前後に高出力タイプのeAxleを採用し、システム最高出力(システムとして発揮できる出力をトヨタ自動車で算定した値)144kWを発揮すると共に、進化した制御システムにより優れた悪路走破性を実現。
ハイラックス(BEVモデル・プロトタイプ)タイ仕様主要諸元
駆動 :4WD
全長(mm) :5,320
全幅(mm) :1,855
全高(mm) :1,800
ホイールベース(mm) :3,085
バッテリー容量(総電力量)(kWh/IEC規格62660-1に準拠した方法で算出)59.2
航続距離(km/NEDCモード値、開発目標値)300km以上
システム最高出力(kW/システムとして発揮できる出力としてトヨタ自動車が算定した値) 144kW
Chief Branding Officer/Simon Humphries(サイモン・ハンフリーズ)プレゼンテーション(日本語訳)
Simon Humphries(サイモン・ハンフリーズ)
サワディーカップ。タイの皆様、そして世界中からご覧いただいている皆様にご挨拶申し上げます。バンコクに戻ってこられたことを大変嬉しく思います。
まず初めに、トヨタ自動車株式会社の会長である豊田 章男並びに全社員を代表して、タイ王国シリキット王太后陛下のご逝去に心より哀悼の意を表します。
トヨタとタイの関係は、60年以上にわたる深い絆で結ばれています。最初から、これは単なるビジネスではなく、パートナーシップであり、その関係は友情へと発展しました。
トヨタでは「町いちばん」という考え方をよく口にしますが、タイこそが、その理念を体現する国です。日本以外のアジアで初めてトヨタが自動車を生産した国です。
60年以上前に植えられた種は、タイの人々によって育まれてきました。
タイ政府、パートナー、そしてお客様の力強い支援のおかげで、タイは生産、イノベーション、そして何よりも協業の拠点となりました。
私たちがここで築いたものは、“グローバルな成功は、地域の力から生まれる”ということを証明しています。世界133カ国の人々が、このパートナーシップの成果を享受しています。これまでに1,300万台の車両がここタイで生産されてきました。
会長の豊田 章男は、このパートナーシップの強さを身をもって知っています。
タイでの経験が、彼のリーダーシップの原点を形作るきっかけとなりました。それは現地の文化を尊重すること、そして共に考え、決めることを大切にする姿勢です。
タイとのつながりを最も象徴するクルマは、20年以上前のIMVプロジェクトです。
1968年に始まったハイラックスの歴史は、2004年、章男さんが当時アジア本部長だった時に、IMVシリーズの一部となりました。これはトヨタの町いちばんの考え方とものづくりを象徴する、真のグローバルプラットフォームでした。IMVプラットフォームによってハイラックスは世界へと羽ばたきました。
IMVプラットフォームの旗手として、タイの重要性を最もよく表している車両はハイラックスです。
今では多くの方がハイラックスを「タイの国民車」と呼んでいると聞き、誇りに思います。
トヨタは常に「Mobility for All(すべての人に移動の自由を)」を信念としています。
私たちにとってモビリティとは、人々が探求し、働き、つながるための手段を提供し、そして暮らしを豊かにすることです。ハイラックスは当初から地域社会を豊かにし、世界中の人々を力づけるクルマをつくるという理念を掲げてきました。
農家の方が農産物を運ぶときも、家族が長距離旅行に出かけるときも、建設現場で働く人々が街を築くときも、ハイラックスは品質、耐久性、信頼性で高い評価を得てきました。
建設現場でも頑丈でありながら、家族旅行にも安心で、世界中で信頼されています。
本日発表する新型ハイラックスは、この伝説的な車の第9世代です。
世代を重ねるごとに、道、エンジニア、そして何よりも世界中のお客様の声によって、より強く進化してきました。
世界が変化する中で、ハイラックスも進化してきました。
それはトヨタが耳を傾けてきたからです。タフさを求める鉱山労働者の声、快適さを望む家族の声に。
燃費を重視するフリートオーナーの声、若者の生活に沿ったデザインやテクノロジーへの期待に応えてきました。
信頼できる移動手段。タフでシンプル、長く使える車で人々の可能性を広げてきました。
これからのトヨタは、カーボンニュートラルの実現に向けて、ひとつの答えではなく、マルチパスウェイで取り組みます。
なぜなら、地域も、お客様も、一人ひとり異なるからです。
パワートレーン、ボディタイプ、カスタマイズ性に至るまで、誰一人取り残さないことを目指しています。
ハイラックスは世代を重ねて進化してきましたが、約束は変わりません。ハイラックスは生涯のパートナーです。
会長の豊田 章男は、車と車づくりは社会や経済の一部であるだけでなく、文化の一部であるべきだと考えています。
章男さんにとって、タイは「第二の故郷」です。仕事面でも個人としても、パートナーシップは友情へと発展してきました。
彼はよく「タイに恩返しをしたい」と言います。この想いが、経済的な交流を超え、文化的な交流へとつながっているのです。
国際相撲連盟の会長として、会長の豊田はタイで初めて世界相撲選手権が開催されたことを大変喜んでいました。日本の国技がタイに初めて上陸したのです。
章男さん本人は参加できませんでしたが、元横綱の白鵬 翔さんがバンコクを訪れました。
白鵬さんは史上最強の力士として知られています。10年以上にわたり相撲界を牽引し、45回の優勝記録と、通算1,187勝というギネス記録を持っています…これは相撲の1,500年の歴史の中でも前例のない偉業です。
トヨタのアンバサダーとして、彼はトヨタ・モーター・タイランドも訪れました。
元アスリートでもある章男さんと白鵬さんは、次世代のアスリートを育てたいという共通の思いで友情を育んできました。
その友情の証として、皆さん、タイに再び白鵬さんをお迎えしたいと思います!
白鵬さん、本日はありがとうございます。
白鵬 翔さん
タイの皆さん、おはようございます。私は9月にもタイを訪れ、相撲を世界に広める活動をしました。再び戻ってこられて嬉しいです。
章男さんから今回のお話をいただいたとき、私はすぐに「もちろん行きます」と答えました。
グローバルな車の発表にご招待いただき、ありがとうございます。相撲も同じく世界の舞台に広げていきたいです。
相撲とは清らかさを重んじる競技です。それは身体だけでなく、精神的な強さを鍛えるものです。相撲を広めることで、世界から差別や偏見をなくす希望を届けられると信じています。
Simon Humphries(サイモン・ハンフリーズ)
私も人生の3分の2を日本で過ごしてきたイギリス人として、白鵬さんの言葉に深く共感します!
歴史と文化交流…これからは次世代ハイラックスでさらに新しい段階へ進みます。
では白鵬さん、一緒にご紹介しましょう。世界を代表する力士のように、強く、頑丈で、集中力に満ちた車!
皆様、新型ハイラックスです!
以上



