開幕緒戦を迎えた2017年全日本ラリー選手権は、「ラリーオブ嬬恋2017」でスタートを切った。
競技は2月5日の最終日で全競技を終え、その結果、SUBARU WRX STIを駆る勝田範彦/石田裕一がトップを守り切ってゴールラインを駆け抜けた。
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レースの流れは2日目以降、トップをキープし続ける勝田を追ってきたSUBARU WRX STIのステアリングを握る鎌田卓麻/市野諮が2番手。
3番手は、三菱ランサーエボリューションIXをドライブする奴田原文雄/佐藤忠宜。3番手につけていた新井敏弘/田中直哉は、SS18を消化した段階でマシントラブルに遭遇してリタイアに終わっている。
競技最終日となった5日の日曜日は、午後から天候が大きく崩れ、雪が降り出すという難しいコンディションとなった。
このため前面で刻一刻と変化していく路面状況に対して、各ドライバー達の柔軟性と対応力が問われる1日となった。
ステージはSS14〜SS20の計7SS、SSの合算距離は36.608kmと、3日間で最も長いSS距離となり、各チームは1日毎のトップ3に与えられるデイポイントを狙ってアタックして一発逆転を狙うか、ポ慎重に走って現行のジションキープに専念するか、上位選手の作戦に注目が集まった。
開始された同日、最初のSSとなったSS14は高速ステージの『Aisainooka』で、この同ラリー最長の7.355kmを走りきる。ここで総合のタイム差で単独2番手のポジションで制した鎌田は、2番手のポジションから、勝田との差をじりじりと詰めていく作戦に出た。
しかし続くSS15では、勝田が鎌田の追い上げに動じることなくベストタイムで応戦。しかも同SSで新井の方はスノーバンクにヒットし、タイヤをパンクしてしまい、総合4番手に後退する。
結局、勝田は無理のない走りで2番手鎌田との差を守り切り、一度もトップの座を譲ることなくゴールを果たした。
対して終盤まで執拗に追いすがる新井は、SS17で再度、総合3番手に浮上し巻き返しの体制を整えたのだが、次のSS18フィニッシュ後、マシントラブルであえなくリタイアの憂き目となった。
これにより無事、逃げ切り優勝を果たした勝田は、「大きなトラブルやミスもなく走りきることができました。
初日は僅差の競り合いになって、エキサイティングな内容で、自身としては、ものすごく気持ちいいラリーでした。
実はウインターラリーは10年以上ぶりだったのですが、その時は雪の壁に当たりながら走るボブスレーのようなイメージがあって、実はあまり出たくなかったんです。
けれど、実際はスノーバンクもあって、素晴らしいコンディションでした。もっと雪があれば、さらに気持ち良かったでしょうね。自信はありませんでしたが、タイヤもクルマもとても良く、大きなトラブルやミスもなく走り切ることができました」と、久々の出場となったスノーラリーの感想を語った。
勝田に続いて2番手ゴールを果たした鎌田は、「クルマには勝てるポテンシャルはあったんですが、2日目に自分のミスで遅れてしまいました。
でも今日はデイポイントで1位を獲ることができましたし、しっかりと2番手を確保できたことは、これからのシリーズを考えると大きいと思います」と、今回のスノーラリーを振り返った。
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3位からのポジションアップに果敢に挑戦した新井がリタイアしたことで、想定外の3位を得た奴田原は「今回は、我慢のラリーでした」とコメントしている。
なお次戦は、4月7日(金)〜9日(日)に佐賀県唐津市で開催される第2戦「ツール・ド・九州2017 in 唐津」となる。
同ラリーは舗装路を舞台とするターマックラリーとなる。これまでこのコースでは勝田が11連勝を積み上げるなど、得意のレースだけに、勝田にライバル達が一矢報いれるかに注目が集まる。
全日本ラリー選手権「ラリーオブ嬬恋2017」フィニッシュ時順位
1.勝田範彦/石田裕一 スバルWRX STI 1:03:30.4
2.鎌田卓麻/市野諮 スバルWRX STI +27.8
3.奴田原文雄/佐藤忠宜 三菱ランサーエボリューションIX +2:06.3
4.福永修/齊藤美早子 三菱ランサーエボリューションX +3:32.0
5.竹内源樹/加勢直毅 スバルWRX STI +4:41.2
6.草間一朝/前川富哉 スバル・インプレッサWRX STI +6:33.9