独ポルシェAG、雇用環境創出のため難民の資格取得支援を継続


昨年8月に続いて2回目となる就業準備プログラムを開始。アフガニスタン、シリア、エリトリア、イラク出身の15名が参加

独・ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr. オリバー・ブルーメ)は、2005年にドイツ連邦政府の首相に就任アンゲラ・メルケル政権(CDU・キリスト教民主同盟)による難民支援政策に沿って、昨年8月に続く2回目となる就業準備プログラムを開始した。
今回はアフガニスタン、シリア、エリトリア、およびイラク出身の15名の男女が、8月末までポルシェで資格の取得に励む。

このプログラムは、参加者が研修の機会を得ること、つまり、一般雇用市場において正社員として就業することを目的としている。

プログラムはポルシェにとって必要な要件を満たすだけでなく、独自の就業準備プログラムを負担できない中小企業に代わって研修の提供に取り組み熟練技能者が不足する業界を支援することも担っている。

ポルシェは、難民が円滑に移行できるように、ドイツ連邦職業紹介所と密接に連絡を取りながら彼らに職業相談を実施。初年度のプログラムでは、11名の難民が継続してポルシェでの就業機会を得た。

この取り組みについてポルシェAGの人事担当役員アンドレアス・ハフナー氏は、「ポルシェは成功を続けており、より広い視野で考えることがいっそう重要になります。

そのため就業準備プログラムは、難民の就業機会の提供を目的とするだけでなく、弊社のトレーニング技術を使用して、手工業企業や中小企業に意欲と技能を備えた若い人材を紹介することも目指します」と述べている。

またポルシェ AGの労使協議会議長のウーヴェ・ヒュック氏は、「このような包括的な取り組みが最も効果的な方法であると信じています。成功を収めた就業準備プログラムには良質な研修が含まれています。

手工業企業や中小企業の多くはそれらを負担する余裕がありません。

ですから私達は、自分たちの企業の枠を超えた先に目を向けます。なぜなら、ポルシェのような成功を収めたとき、より広い社会に対する義務が生じるからです。

私達は、難民の方々にドイツ国内において独り立ちの機会を提供することによって融合の精神を具現化します。

それは重要なことです。なぜなら、難民になることはキャリアではなく過酷な運命だからです。

難民の全ての物語の背後には現実の人間が存在しており、私達は彼らを精いっぱい支援しなければなりません。

しかし、融合は一方通行ではありません。難民の方々もドイツ語を学び、ドイツの文化を受け入れ、勤勉で規律ある方法で自分たちの役割を果たさなければならないということを意味します。

それが私達の社会への貢献を助けます。そこにはポルシェ独自の精神があります」と語っている。

ポルシェの就業準備プログラムは、3学期に分かれており8ヶ月間続く。

最初の3ヶ月間は、技術用語に特に焦点を当ててドイツ語の集中トレーニングを受ける。このプログラムを終了すると、言語レベルB1を取得できる仕組みだ。潜在的な雇用者たちは、将来の雇用のための最も重要な要件として専門技能とともに高い言語能力を挙げているためだ。

参加者は次の学期、ポルシェ トレーニングセンターにおいて4週間にわたり基本的な技能を学ぶ。この学期では、切断、研削、穴開けなどの作業の実習に加えて、安全性と品質に対する意識向上に焦点が当てられる。

最後の4ヶ月間は、ポルシェの各技術部門の見学と、関連取引先を含む進路のための実務研修を行う。結果、就業準備プログラムは、全期間を通して、週1回の職業訓練、および社会教育と社会文化の授業によってサポートされのだ。

ポルシェ就業準備プログラムの初年度は予想を上回り、16歳から38歳の13名のうち11名がポルシェで就職見込み者として仕事を継続している。

残りの2名の参加者についてもポルシェは継続して門戸を開いており、彼らは現在、必要な言語技能とトレーニングを習得するために補習を受けている。

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