MotoGP第6戦イタリア、ロレンソが今季3勝目で首位独走。僅差で2位マルケス


MotoGP2016世界選手権・第6戦イタリアGP(ムジェロ・サーキット/イタリア、1周:5.245km)が5月22日に開催された。

レースは、先の第5戦フランスGPでポイントリーダーに浮上したモビスター・ヤマハのホルヘ・ロレンソが、マルケス(ホンダ)に競り勝って3勝目。

ロレンソは、最高峰クラスで43勝目、自身のキャリア通算140度目の記念すべき表彰台に登った。

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決勝当日は、気温26度・路面温度48度のドライコンディション。10万640人の観客(3日間で延べ15万2433人)が見守る中、前日の予選セッションから好調を維持し、PPを獲得したバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ)が順当にトップスタートを決める。

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オーストラリアのフィリップアイランドに次いでアベレージスピードの高いムジェロのオープニングラップを消化し、1周回ってきた時点の順位は、ロレンソ(ヤマハ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、アレックス・エスパルガロ(スズキ)、マルケス(ホンダ)の布陣。

その後3周目に、マルケスがエスパルガロをオーバーテイクして3番手に浮上する。抜かれたエスパロガロは、その後、次第に遅れ始めて5番手へと後退、アンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)が4番手を走る。

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その間、2台でトップ集団を形成するヤマハ陣営のロレンソとロッシは、抜きつ抜かれつの接戦を演じる。

具体的には、丁寧にコーナリングラインを選ぶロッシがストレートエンドで前に出るものの、ロレンソがそれを立ち上がりで抜き返すという展開。

それでも一時、双方の走行間隔が空いたように見えた2台だが、再度、ロッシがロレンソの背後に付けた9周目に、ロッシのマシンに突如エンジントラブルが発生。ピットに帰ることも叶わず、そのままリタイアとなってしまう。

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これにより2番手に浮上。思わぬボーナスポイント獲得の眼が見えてきたマルケスは、懸命に追い上げを開始。

レース後半に向けて、ロレンソに肉薄する寸前まで至るものの、なかなかオーパーテイクポイントを見付けられない。

そして残り2周となった1コーナーの進入で、マルケスがようやく勝負を仕掛ける。

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しかしここでワイドラインを取ったマルケスに対して、ロレンソがタイトラインを維持しトップポジションを死守。最終ラップのコース前半のS字区間で、マルケスは再度勝負を賭ける。

しかし再びターン13の入り口でロレンソが前に出る。対して、このロレンソの突っ込みにこらえたマルケスが、クロスラインでパスして、下り勾配の最終コーナーまでは首位を守る。

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首位争いはこの後、ムジェロの最高の見せ場である約1.1kmの高速ロングストレートでのスリップストリーム勝負に持ち込まれた。

結果、この駆け引きを上手く使い切ったロレンソが、0.019秒で前に出て、辛くもチェッカーフラッグを潜り抜け、今季3勝目を獲得した。

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マルケスは惜しくも2位・今季5度目の表彰台。3位は、3番グリッドからのスタートに失敗。中位集団から追い上げたアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)が4.742秒差で奪取。

7番グリッドスタートのダニ・ペドロサ(ホンダ)が4.910秒差の4位。5位は、13番グリッドのアンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)。

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6位は、2番グリッドのマーベリック・ビニャーレス(スズキ)、7位ブラドリー・スミス、8位ダニロ・ペトルッチ、9位アレイシ・エスパルガロ、10位ミケーレ・ピロと続いた。

チャンピオンシップは、ポイントリーダーのロレンソが115ポイントで2位10ポント差の首位。

105ポイントで総合2位をキープしたマルケスは、次戦ホームグランプリとなるカタルニアGPで総合首位奪還を目指す。

なおロッシは、今回ノーポイントに終わったものの、78ポイントでランキング3位をキープしている。カタルーニャGPは、バルセロナ‐カタルーニャ・サーキットで6月3日に開幕、5日に決勝レースが行われる。

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決勝1位/ホルヘ・ロレンソ
「今回、ムジェロでのレースペースは、当初チームで想定していたデータよりも遅くなってしまった。このため、逃げ切り優勝を果たせる程のスピードは得られなかった。

結果、スピードを上げるより、首位のポジションを守ることにエネルギーを使ってしまったようだ。

対してマルケスは、おそらく僕より余力があると考えていたので、彼が僕をパスした後は、2番手のまま後続について最後にポイント獲得に持って行こうと作戦を立てた。

結果、今日は僕らのマシンも想定以上にトップスピードが出ていたから、最後のストレート勝負でマルケスのスリップから抜け出し、予想もしなかった勝利を手にすることができた」

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決勝2位/マルク・マルケス
「今日はいいレースができた。レースを通してトップにかなり近づいた走りができ、かつ表彰台にも上がれた。

ただレースウイークを通して加速とトップスピードは苦しんだため、スリップストリームを使っても、ホルヘ・ロレンソ選手をオーバーテイクできなかった。

僕らのマシンは、まだ加速力が足りないから、引き続きここに取り組まなければならない。次のレースに向けて、さらに一歩前進できるように頑張りたい」

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決勝3位/アンドレア・イアンノーネ
「まずまずのポジションで決勝スタートのグリッドに付いたのに、スタートでクラッチが滑ってしまった。これには少し落胆した。

この時、マシンが大きくウイリーしてしまって、オープニング時のターン1の進入で各車に先を越されてしまった。これが今日の1番のバッドニュースだ。

ただ、その後のマシンの状態は良く。比較的ハードにプッシュすることができた。またタイヤのフィーリングもなかなか良い感触だった。それが今回の3位獲得につながったんだと思う」

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MotoGP第6戦イタリアGPリザルト
順位/No. /ライダー/マシン/タイム差
1 /99/J.ロレンソ/ヤマハ/41’36.535
2/93/マルク・マルケス/ホンダ/+0.019
3/29/A.イアンノーネ/ドゥカティ/+4.742
4/26/ダニ・ペドロサ/ホンダ/+4.910
5/4/A.ドヴィツィオーゾ/ドゥカティ/+6.256
6/25/M.ビニャーレス スズキ/+8.670
7/38/B.スミス/ヤマハ/+13.340
8/9/D.ペトルッチ/ドゥカティ/+14.598
9/41/A.エスパルガロ/スズキ/+18.643
10/51/M.ピロ/ドゥカティ/+22.298
11/35/カル・クラッチロー/ホンダ/+27.936
12/8/H.バルベラ/ドゥカティ/+35.712
13/50/E.ラバティ/ドゥカティ/+38.032
14/6/S.ブラドル/アプリリア/+40.094
15/44/P.エスパルガロ/ヤマハ/+59.811
16/68/Y.ヘルナンデス/ドゥカティ/+1’04.397
RT/46/V.ロッシ/ヤマハ/+15Laps
RT/45/S.レディング/ドゥカティ/+15Laps
RT/43/ジャック・ミラー/ホンダ/-
RT/19/A.バウティスタ/アプリリア/-
RT/76/L.バズ/ドゥカティ/-

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MotoGP ポイントスタンディング/ライダー
順位/No./ライダー/マシン/総合ポイント
1/99/J.ロレンソ/ヤマハ/115
2/93/マルク・マルケス/ホンダ/105
3/46/V.ロッシ/ヤマハ/78
4/26/ダニ・ペドロサ/ホンダ/66
5/25/M.ビニャーレス/スズキ/59
6/41/A.エスパルガロ/スズキ/49
7/44/P.エスパルガロ/ヤマハ/48
8/8/H.バルベラ/ドゥカティ/43
9 29 A.イアンノーネ ドゥカティ 41
10/50/E.ラバティ/ドゥカティ/36
11/4/A.ドヴィツィオーゾ/ドゥカティ/34
12/38/B.スミス/ヤマハ/29
13/6/S.ブラドル/アプリリア/25
14/19/A.バウティスタ/アプリリア/21
15/51/M.ピロ/ドゥカティ/18
16/9/D.ペトルッチ/ドゥカティ/17
17/45/S.レディング/ドゥカティ/16
18/53/ティト・ラバト/ホンダ/11
19/35/カル・クラッチロー/ホンダ/10
20/76/L.バズ/ドゥカティ/8
21/68/Y.ヘルナンデス/ドゥカティ/3
22/43/ジャック・ミラー/ホンダ/2

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MotoGP ポイントスタンディング/コンストラクター
順位/コンストラクター/総合ポイント
1/ヤマハ /140
2/ホンダ /115
3 /ドゥカティ /83
4 /スズキ /65
5 /アプリリア /29