ケニアに新設した拠点は、東・中央・西アフリカ地域、南アフリカの拠点は南部アフリカ地域を管轄していく
三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:マーク・リストセーヤ、以下、MFTBC)とダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ社(以下、DICV)が協業を行うダイムラー・トラック・アジア(以下、DTA)は、ダイムラーの商用車部門がケニアと南アフリカの2カ所に新設したリージョナル・センターを通じて、FUSOの販売とカスタマーサービスの拡大を図る。
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新設した2つのリージョナル・センター、ダイムラー・コマーシャル・ビークルズ・アフリカ(以下、DCVアフリカ)とダイムラー・コマーシャル・ビークルズ南部アフリカ(以下、DCV南部アフリカ)では、DCVアフリカが41カ国、DCV南部アフリカが9カ国で販売とカスタマーサービスの支援を行う。
目下、同社グループのリージョナル・センターは、世界6カ所で順次開設されている。第1号は、DCV MENA(中東・北アフリカ地域)として2015年10月にドバイで開設された。
DTAは、成長戦略の一環としてFUSOブランドを通じて、アフリカの様々な市場や事業体の顧客への重視を強化し、同社顧客への貢献度をさらに高めていく。
ダイムラー・トラック・アジア(DTA)は、アフリカ市場で長い歴史を持つFUSOを通じて、存在感をさらに高める
そうした中、FUSOはアフリカで45年以上も販売活動を続けており、現在、14カ所の現地販売店を通じて車両を販売。またケニアでは1977年以来、現地企業と共にFUSO車両のノックダウン生産を手掛けている。
DTA総責任者のマーク・リストセーヤ氏は、「2つのリージョナル・センターの開設によって、アフリカのお客様に対し、より近い場所でサービスを提供できるようになります。
我々はアフリカには潜在的な成長が見込まれており、今回の設立によって耐久性と燃費に優れた最新鋭のトラックの販売増加とシェアの拡大を考えています。
またダイムラー・トラックの技術と世界販売網を駆使することによって、DTAのブランドであるFUSOとBharatBenzはアジア、アフリカ、南米などが成長する役割を担っていきます」と述べている。
7億7千万人の人口を抱えるダイナミックな東・中央・西アフリカ地域でFUSOブランドの強みが活きる
つまり今後DTAは、2013年にFUSOブランドに新型モデルを追加して以来、アフリカではケニア、タンザニア、ウガンダ、ナイジェリア、南アフリカに投入。
同モデルは、インド・チェンナイの最新鋭工場で製造し、アフリカ市場に輸出しているが、来る2016年にFUSOブランドとしては初となる高出力の大型トラックをケニアとタンザニアで発売した後、アフリカの他の市場にも同モデルを投入していく。
もとより東・中央・西アフリカ地域は、7億7千万人もの人口を抱える巨大市場であり、ケニア、タンザニア、ナイジェリアを中心とする41の市場で構成されている。
人口の68%が25歳未満という、世界に類を見ないほどの長期成長の可能性が高い地域で、躍進的な発展は、海外直接投資に支えられ、投資額は2000年の約6倍規模にまで拡大している。
これによる経済発展に伴い、輸送事業は拡大し続けていて、商用車需要の増加が見込まれている。
現在、世界経済が難しさを呈するなか、同地域の年間成長率は平均で4.5%
そもそもダイムラー・トラック・アジアことDTAは、80年以上の歴史を誇る三菱ふそうトラック・バス株式会社と、インド市場で躍進的な成長を続ける新会社ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ社が共同で事業を行う組織だ。
DTAは製品開発、生産、輸出、調達、研究活動を共同で行い、戦略的なビジネスモデルを推進しており、ダイムラー・トラックは2015年、同地域で5900台の商用車を販売し、そのうちFUSOが4000台を占める。このことからDTAがダイムラーの商用車事業の原動力になっていることが判るだろう。
こうした規模の発展は、南部アフリカ地域でも胎動を見せ始めている。この地域は南アフリカ、ナミビア、ボツワナを中心とする9つの国で構成され、現在、世界経済が難しさを呈するなか、同地域の年間成長率は平均で4.5%と専門家は試算する。
このことから、DCV南部アフリカには大きな可能性があると言える。ダイムラー・トラックは2015年、同地域で5500台の商用車を販売し、そのうちFUSOの占める割合は1600台であった。