加州政府からの約1,600万ドルの補助金を基に、7か所に水素充填設備を導入
和蘭と英国に資本拠点を持ち、欧州最大のエネルギーグループであるロイヤル・ダッチ・シェル ピーエルシー(Royal Dutch Shell plc、本社:オランダ ハーグ、CEO:ベン・ヴァン・ビューデン)は、日本のトヨタ自動車並びに本田技研工業(ホンダ)の協力を得て、米国内の水素充填施設を導入する。
具体的には、燃料電池自動車の普及に向け、米国カリフォルニア州北部の7か所に水素充填設備を導入する。
これに伴い現地8月9日、同国内同州のカリフォルニア・エネルギー委員会(California Energy Commission)が、合計で16,362,500ドルの補助金交付を正式に承認しており、トヨタ自動車とホンダは、当該水素充填設備の運営に対し、資金面での支援を行っていく。
水素充填設備は、サンフランシスコ市内に3か所、バークレー、シトラス・ハイツ、サクラメント、ウォールナット・クリークの各市内に1か所ずつ設置する予定。
3社はFCVの所有ユーザーに向けて、快適かつ簡単な車両利用環境を提供するべく、既存のシェルブランドのガソリンスタンド中に、戦略的に水素充填設備を設置していく構え。
同委員会は、エネルギー、大気環境や気候変動などの分野で州が掲げる目標を達成すべく、年間最大1億ドルの補助金交付プログラムを通じて交通や燃料に関する技術革新を支援しており、今回の補助金交付もその一環となっている。
シェルの水素担当ゼネラルマネジャーであるオリバー・ビショップ氏(Oliver Bishop)は「今回の補助金交付は、水素という代替燃料の活用に向けさらなる道を開くものであり、カリフォルニア・エネルギー委員会に感謝申し上げる。
水素充填設備の成功に向け、当社が100年以上に亘り世界中で培ってきた輸送機器用燃料販売の知見を活用していく。
また、トヨタ・ホンダからの支援にもお礼を申し上げる。
将来の低炭素社会においては、様々な燃料や車両技術で社会のニーズに応えていくことが求められるが、燃料電池自動車はその答えの一つである」と述べた。
一方、北米トヨタの先進技術車担当シニアマネジャーであるクレイグ・スコット氏(Craig Scott)は「カリフォルニア州トーランスの米国トヨタ敷地内に専用の水素ステーションを建設した2009年以来、トヨタとシェルは水素インフラ構築において、強固な協力関係を築いてきた。
今後もよりクリーンな水素社会の実現に向け、シェルのような未来志向のエネルギー企業と協力できることをうれしく思う」と語った。
さらにアメリカン・ホンダモーターのコネクティッド・環境事業開発担当副社長であるスティーブ・センター氏(Steve Center)は「ホンダは、燃料電池技術にはエネルギーや環境に関する社会的な課題を解決する大きな潜在力があると確信している。
シェルのように水素インフラ構築に前向きな企業の協力があれば、低炭素で再生可能なエネルギーを用いた将来のモビリティにおいて、水素が大きな役割を果たしていくことを広くご認識いただけると思っている」と語っている。
最後に同国同州行政側からは、カリフォルニア・エネルギー委員会のジャネア・A・スコット(Janea A. Scott)委員が、「カリフォルニア・エネルギー委員会は、水素ステーション網拡充を通じ燃料電池自動車の導入推進を支援できることをうれしく思う。
今後も産官の協力を通じ、カリフォルニア州の交通システムを変革することで、同州の排ガス低減目標達成、大気環境の改善、化石燃料の使用削減を図っていきたい」と未来への期待を込めたコメントを残している。