TIER IV(ティアフォー /本社所在地:東京都品川区、代表取締役社長:加藤真平)は9月26日、サウジアラビアでデジタル技術ソリューションと自動運転のモビリティを提供するElmと、自動運転技術の提供および現地での実装に向けた戦略的提携の覚書(Memorandum of Understanding:MoU)を締結した。
この提携は、サウジアラビアの環境に合わせた自動運転技術を活用したモビリティサービスの実現と、それを支える人材の育成を目的としている。
これまでティアフォーが国内の実証実験で培った自動運転の社会実装における知見と、Elmがサウジアラビアを中心とした中東地域向けに提供する独自の自動運転ソリューションや技術を組み合わせることで、両社はサウジアラビアの多様な環境下で、安全で拡張性の高い自動運転システムの導入を加速させることを目指す。
また、日本とサウジアラビアの政府が公共および民間セクターの経済発展とイノベーションを共同で推進することで、この提携を強化していくことを目指す。
両社の主な協力領域は以下の通り
- サウジアラビア特有の走行環境や規制に合わせたロボットタクシーなど新たなモビリティサービスの推進
- サウジアラビアの大学や研究機関向けの自動運転用ソフトウェア「Autoware (※1)」を基盤とした教育プログラムや、自動運転レーシングなどの競技を通した人材育成
- サウジアラビアおよび中東諸国における「Autoware」のエコシステムの構築
提携の背景としてサウジアラビアでは、政府主導の長期計画「Saudi Vision 2030」のもと、「活気ある社会」「盛況な経済」「野心的な国家」を主要テーマに掲げ、経済の多角化と社会の変革が進められてきたことがある。
より具体的にも2030年までに公共交通の15%を自動運転化するという目標( Autonomous mobility journal, edition IV )も掲げられており 、民間セクターの活性化、人材育成、雇用創出、国民生活の質の向上を重要な取り組みととして掲げてきた。
対してティアフォーは世界規模で、自動運転用のオープンソースソフトウェア「Autoware」の開発を主導。
これまでに国内外の自動車メーカー、ティア1サプライヤー、交通事業者、システムインテグレーターとの協業を通して自動運転の社会実装を進めてきた。
また、自動運転技術に関するトレーニングプログラムの提供や、自動車技術会が主催する自動運転AIチャレンジの運営支援などを通して、最先端の技術を担う人材の育成にも取り組んでいる。
そうしたなかでティアフォーは、経済産業省の「令和5年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業委託費におけるマスタープラン策定等調査事業」の一環として、サウジアラビアでの自動運転技術を活用したモビリティサービスの実現と人材の育成をElmと共同で進めていくことを決めた。
覚書を取り交わすべく締結式に臨んだティアフォーの加藤真平 代表取締役 執行役員CEOは、「ティアフォーは自動運転の民主化を実現するため、Autowareのエコシステムを通じて、世界中のパートナー企業と共に自動運転の社会実装を推進してきました。
2030年に開催されるリヤド万博に向けて日本とサウジアラビアの協力関係の発展が期待されるなか、現地でデジタルトランスフォーメーションをリードするElmとの新たなパートナーシップを通じて、革新的な自動運転技術やその技術開発に必要なスキルの習得を支える教育プログラムなどを提供し、地域社会に貢献していきます」と述べた。
またElmで公式報道官兼マーケティング担当エグゼクティブ・バイスプレジデントを務めるMajid bin Saad Alarifi氏は、「今回の覚書は、スマートモビリティ技術におけるサウジアラビアの地位を強化するElmの取り組みを反映しています。
ティアフォーとの協業は、世界水準のソリューションを現地のニーズに合わせて導入し、国の優先課題を支えるものです。
また、国のエンジニアリング能力への投資や、効率性・持続可能性・生活の質を高めるシステムの構築にもつながります。
このパートナーシップを通じて、サウジアラビアはグローバルな自動運転モビリティ産業の最前線に立つことを目指します」と語っている。
社名:株式会社ティアフォー
所在地:東京都品川区
URL:https://tier4.jp
設立年月:2015年12月
主な事業内容:
・自動運転プラットフォーム開発事業
・自動運転ウェブサービス開発事業
・自動運転システム開発キット販売事業
・自動運転技術の教育事業