国内外生産量は前年同月比減、販売は軽市場の軟調が続くなか、年間10万台を目指す登録車はプラス基調を達成
スズキ株式会社(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:鈴木俊宏、以下、スズキ)は2月26日、2016年1月の生産、国内販売、輸出の実績値(速報)を発表した。
まず生産分野に於ける四輪車実績は、国内分が6万3658台と、前年同月比を下回る77.8%の実績値となり、11カ月連続減が続いている。
対して海外生産は、国内よりは減少率が低いものの、中国・インド地域で、揃って生産量が減少したことで17万7020台・前年同月比97.9%の実績値となった。これは2カ月ぶりマイナス数値である。
都合、国内と海外を合わせた世界生産では、前年同期比91.6%の実績値となる24万0678台で3ヶ月連続減となっている。
一方、販売分野に於ける国内数値では、エブリイやキャリイ等の商用系車両の販売量が増加した。
しかし主力の乗用タイプが軒並み低迷したことで、全体では4万11611台・前年同月比で98.9%の実績値となり、13カ月連続減となった。この結果は、軽自動車税引き上げの影響が尾を引いていると見られる。
また同社が今年、販売台数10万台を目指す登録車に関しては、ソリオやエスクードの販売増により、6681台・前年同月比123.3%の実績値となり、5カ月連続増・1月としては過去最高値を挙げている。
結果、軽四輪車と登録車を合わせた国内販売は、4万7842台・前年同月比超の101.7%の実績値となり、軽自動車の微減を、登録車が補う結果となり、かつ総計で13カ月ぶりのプラス値を達成した。
最後の輸出分野は、中南米・欧州向け輸出が減少したことで、7213台・前年同月比66.1%の実績値となり、10カ月連続減・前年同月比を下回った。
なお、先に同社インド子会社マルチ・スズキのグルガオン工場とマネサール工場周辺(双方共にハリヤナ州)で、「ジャート」と呼ばれる特定カーストによる公務員採用枠を巡る暴動が発生。
幹線道路の封鎖等の影響で、部品供給に支障が出て、操業を停止していたが、ようやく暴動が沈静化。23日より操業を再開した。
操業停止で損失した生産機会は1万台(5000台・日)と云われており、この影響は翌2月の生産量に及ぶ見込みだ。
併せて国内に於いて同社は、軽自動車生産を主力とする湖西工場(静岡県湖西市)の刷新を行う。
具体的には、3本の車両組み立てラインのうち、更新時期を迎えているスペーシア用の製造ラインを、3月に休止した上で2018年の再稼働を目指す。当面は、残る2ラインでの稼働を効率化させ、平常生産量を維持していく構えだ。