マウント・パノラマ・サーキットで総合2位と4つのクラスで優勝を獲得
ドイツ. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)のカスタマーチームが2月5日にバサースト(オーストラリア)のマウント・パノラマ・サーキットで4クラス優勝を果たした。
具体的には、コンペティション モータースポーツの911 GT3 Rをドライブしたポルシェのワークスドライバー、パトリック・ロング(米国)とポルシェ ジュニアのマット・キャンベル(オーストラリア)は、マルク・リーブ(ドイツ)/デビッド・カルバート-ジョーンズ(オーストラリア)と共に、総合2位とクラスA-GT3 Pro-Amの優勝を獲得。
14の自動車メーカーが参加した同レースで、ウォーキンショーGT3の911 GT3 R、スティーブ リチャーズモータースポーツの911 GT3カップ、プロスポーツ パフォーマンスのケイマンもそれぞれクラス優勝を飾った。
この結果911 GT3 Rは、ドバイとデイトナの24時間クラシックに続く、この重要な耐久レースで望外以上の結果を手にした。
先のドバイでは、ヘルベルス モータースポーツが総合優勝を飾り、デイトナではアレグラ モータースポーツがGTDクラスを制するなど、最新型のダイレクト フューエル インジェクションを備えた4リッター水平対向6気筒エンジン搭載の911 GT3 R(最高出力500PS超)は絶好のスタートを切ったことになる。
レースは日曜日の午前5時45分、周囲がまだ暗闇に包まれている中、52台のマシンがニューサウスウェールズ州の全長6.213kmのサーキットでスタートした。
ポルシェ ジュニアのマット・キャンベル(オーストラリア)は、このサーキットを熟知しており、キャンベルはコンペティション モータースポーツの911 GT3 Rを駆り、最初のスティントを走破。
16回のセーフティカーの出動のうち、その1回を終えた後18位まで順位を下げたものの落ち着いた走りを披露。デビッド・クラバート-ジョーンズに12号車を引き継ぐまでに9位まで巻き返す。
クラバート-ジョーンズから、ル・マン総合の覇者で世界耐久選手権のチャンピオンであるマルク・リーブへ、さらにパトリック・ロングへとコックピットが引き継がれ、最終スティントで再びステアリングを握ったマット・キャンベルは、ドライブスルーペナルティを受けたにも関わらず、チェッカーに向けてペースを上げて総合2位とクラス優勝をチームにもたらした。
一方、ファクトリーサポートを受けるカスタマーチーム、ウォーキンショーGT3が駆る911 GT3 Rは、わずか2時間でレースを終えた。
序盤の911号車は前途有望に見えたのだが、チームメイトのアール・バンバー(ニュージーランド)が周回遅れの車を追い越す際に衝突し、911 RSRのステアリング系統を大きく損傷させてしまう。
これで修理に長時間を要し、2015年ル・マン覇者とチームメイトによるバサースト勝利の夢は露と消えた。このため3人目のドライバー、ケヴィン・エストル(フランス)の出番も消滅した。
レース後のチームメンバー達のコメントは以下の通り
GTカスタマーモータースポーツ・プロジェクトマネージャー、セバスチャン・ゴルツ:「浮き沈みの多い厳しいレースでした。練習と予選では、911 GT3 Rをこの過酷なサーキットに何とか適合させることができ、スタート直後の戦いは見事でした。
911号車は首位に立ちましたが、残念ながら衝突のためリタイヤしました。12号車は順調に走り、見事なゴールスプリントで総合2位とクラス優勝を飾りました。さまざまなクラスで優勝を飾った全てのカスタマーチームに祝福の言葉を送ります。」
ポルシェ アンバサダー、マーク・ウェバー:「22年を経てバサーストに戻り、このようなすばらしいレースを観戦するという貴重な経験ができました。ヒヤリとする出来事も多く、ドライバーとチームスタッフにとっては長い1日になったと思います。
しかしこの独特なサーキットでは当然のことかもしれません。波乱のレースの末、12号車の総合2位と他のポルシェ カスタマーチームのすばらしい結果には感銘を受けました。」
マルク・リーブ(911 GT3 R #12):「総合2位とクラス優勝を本当にうれしく思います。
対処しなければならない小さなトラブルがたくさんありましたが、その甲斐あってこのすばらしい結果を得ることができました」。
パトリック・ロング(911 GT3 R #12):「僕のスティントはかなり良かったと思います。2番目のスティントではメルセデスに接近しました。
追い越して首位に上がろうとしましたが、相手は一歩も譲らず、危険を避けるためにポジションを維持することにしました。しかし場所が良くなくて接触を避けることができませんでした。大事故に至らなくて幸いでした」。
マット・キャンベル(911 GT3 R #12):「この結果に満足しています。最終スティントではブレーキペダルから足が滑るという大きなミスをしながらも、ライバルを破ることができて幸運でした。
僕にとっては911 GT3 Rとこのチームでの初めてのレースとなりました。皆さんからすばらしいサポートを受けられた上に、マルクやパトリックなどの偉大なレーシングドライバーから多くのことを学ぶことができました」。
デビッド・カルバート-ジョーンズ(911 GT3 R #12):「すばらしいレースでした。バサーストは4回目ですが今回が一番エキサイティングでした。
チームのあらゆる努力が実を結んでよかったです。今日は全員が完璧でした。それが成功の鍵になりました」。
アール・バンバー(911 GT3 R #911):「リードしていたので周回遅れの車を追い越すつもりでした。相手のドライバーは気付いていなかったらしく、内側に向きを変え激しく接触しました。
この結果ステアリング系統が大きく破損してリタイヤになりました。明らかに僕のミスです。我慢が足りずもう少し待つべきでした。チームの皆さん申し訳ありませんでした。それまでは本当に順調であっただけに残念です」。
ローレンス・ヴァンソール(911 GT3 R #911):「スティントの序盤は危険を避けました。前方の車より速くてもアタックは控えました。周囲が落ち着いてから若干ペースを上げました。
全てが順調でした。この過酷なレースですばらしいスタートでした。もちろんゴールできなかったことは残念です。決勝までチームは万全で、先頭でゴールするチャンスもありました」。
ケヴィン・エストル(911 GT3 R #911):「バサーストは最も過酷なレースのひとつです。多数の車がサーキットを走るので序盤を乗り切ることが重要です。今日はそれをうまく行うことができませんでした。来年再び挑戦したいと思います」。
レース結果・総合
1. バイランダー/ラウンズ/ウィンカップ(フィンランド/オーストラリア/オーストラリア) フェラーリ488 290周
2. リーブ/ロング/キャンベル/カルバート-ジョーンズ
(ドイツ/米国/オーストラリア/オーストラリア) ポルシェ911 GT3 R 289周
3. ケイン/スミス/ジャーヴィス(イギリス/イギリス/イギリス) ベントレーコンチネンタル 289周
4. タルボット/マーティン/パダヤチー(オーストラリア/オーストラリア/オーストラリア) ポルシェ911 GT3 R 289周
5. パレンテ/ベル/レドガール(イギリス/イギリス/フランス) マクラーレン605s 289周
6. ラゴ/オーウェン/ラッセル(オーストラリア/オーストラリア/オーストラリア) ランボルギーニ 288周
7. サマディ/ゴーント/ハリデイ(オーストラリア/ニュージーランド/イギリス) アウディR8 288周
8. シュトラウス/ケリー/マーデンボロー(ドイツ/オーストラリア/イギリス) 日産GT-R 288周
9. チニ/ホールズワース/フィオール(オーストラリア/オーストラリア/オーストラリア) アウディR8 287周
10. マノリス/ミリヤー/カペーリ/カント
(オーストラリア/オーストラリア/イタリア/サウジアラビア) ランボルギーニ 285周
クラスA-GT3 Pro-Am
1. リーブ/ロング/キャンベル/カルバート-ジョーンズ(ドイツ/米国/オーストラリア/オーストラリア)、ポルシェ911 GT3 R
クラスA-GT3 Am
1. タルボット/マーティン/パダヤチー(オーストラリア/オーストラリア/オーストラリア)、ポルシェ911 GT3 R
クラスB-GT3
1. グラント/オキーフ/ウェスト(オーストラリア/オーストラリア/オーストラリア)、ポルシェ911 GT3カップ
クラスC-GT4
1. ジョーンズ/ブラームス/フィーバーン/ムッレール-マドセン(オーストラリア/ニュージーランド/ドイツ/デンマーク)、ポルシェ ケイマン