日信工業、Autolivと四輪車用メカトロ事業及びバネ上事業の合弁会社設立へ


日信工業株式会社(本社:長野県上田市国分840、代表取締役社長:大河原栄次)は、2015年9月9日に取締役会を開催。

同席上において、日信グループが営む四輪車用のブレーキ・コントロール(メカトロ)及びブレーキ・アプライ(バネ上)システム並びにそれらに関する部品の開発、設計、製造及び販売に関する事業を、Autoliv(Autoliv Inc.及び子会社含む)との間で合弁会社化することを決議した。

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上記に伴い、同決議に基づき同日付けで、Autolivとの間で合弁会社化に関する契約を締結した。

1.合弁会社設立の目的
日信工業は、世界 No.1のブレーキシステムメーカーを目指し二輪車用ブレーキと四輪車用ブレーキの二つの事業を行ってきた。

現在、二輪車のブレーキ事業では、油圧ブレーキシステムで世界シェア約70%を有し、ブレーキシステム全体においても世界シェア25%の立ち位置におり、今後発展する新興国への展開等により、名実ともにトップメーカーを目指していく。

これを踏まえ、四輪車事業での我々の目標は、統合ブレーキシステム分野での成長を続け、グローバルメーカーへの販売を拡大していくことにある。

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この事業の潜在成長性を最大限に取り込むためには、グローバル展開と技術力強化を迅速に行う必要がある。

そこで同観点から、自動車関連の安全分野で大きな存在感を持つパートナーと組み、自動車事業を共同で展開していくことが最適であるとの結論に至った。

合弁会社のパートナーとなるAutolivは、スウェーデンに本社を置き、2014年度連結売上高は約92億ドル、世界28カ国に80拠点、6万人超の従業員を有する世界有数の自動車用安全システムサプライヤーである。

Autolivとは、これまでESCの分野で協業を行い、中国市場向けESCの共同納入などを通じて、相互理解を深めてきていた。

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今後は、同社の持つブレーキシステムの技術力・生産力に加え、Autolivが有する電子制御ユニットやレーダーセンシング技術及びグローバルメーカーへの顧客基盤を活用することで、メカトロ及びバネ上事業における更なる成長に向けたWin-Winの協力体制を築く構えだ。

2.合弁会社化の概要
日信グループが営む四輪車用のメカトロ及びバネ上に関する部品の開発、設計、製造及び販売に関する事業を、Autolivとの間で合弁会社化し、日本・中国・米国を中心に展開する。

なお、設立する合弁会社の株主は、当社グループ(持株比率 49%)及び Autoliv(持株比率 51%)となる予定。

3.日程
取締役会決議日: 2015 年 9 月 9 日
株主総会基準日: 2015 年 9 月 30 日(予定)
株主総会決議日: 2015 年 11 月 11 日(予定)
クロージング日: 2016 年 2 月 1 日(予定)

4.譲渡価額の総額
合弁会社化に伴う対象事業の譲渡価額の総額は、約332億円を予定。

5.合弁会社に譲渡する事業の経営成績
2015年3月期
売上高69,029百万円
(注)上記金額は連結会社間の内部取引控除後の金額。

6.今後の見通し
合弁会社化に伴い、約400億円の譲渡利益(その内 51%はAutolivへの譲渡による利益、49%は日信工業が承継会社へ譲渡した資産及び負債の公正価値評価による利益)を見込んでおり、2016年3月期の通期連結業績予想については修正を予定している。

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合弁会社は、従来の主要顧客の新製品開発ニーズに迅速且つ的確に応えることにより更なる受注増加を目指すとともに、グローバルメーカーへの積極的拡販を進めることにより一層の業容拡大を図る方針。

また、これらの合弁会社は当社グループの持分法適用会社となることから、損益及び配当金のうち当社グループ持分である 49%が今後の当社連結決算へ反映されることになる。

合弁会社化によって得られる資金はインド・Next市場向けビジネスの拡大やMotoGPなどレース活動を通じたブランド力の向上、新素材・二輪先進ブレーキ・軽量/強度アルミ技術など高付加価値商品の開発・拡販等、主に二輪事業の成長及び体質改善戦略に投入し、次の成長に向けた原資として活用する予定。

日信工業では、これらの成長戦略によりNISSINブランドに一層磨きをかけ磐石な地位を確保していくとともに、更なる業容拡大と安定的収益体質の確立を目指していくと述べている。