国土交通省、第9回ベトナム高速道路セミナーの開催結果を報告


高速道路に関する日本・ベトナム両国の協力関係の強化を確認

国土交通省では、ベトナム国ハノイにおいて、ベトナム交通運輸省とともに、第9回ベトナム高速道路セミナーを3月24日に開催した。同セミナーでは、南北高速道路等の整備推進のため、高速道路に関する両国の課題・経験を共有するとともに、引き続き、両国の協力関係を継続していくことを確認した。

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セミナー関係者の開会式

ベトナム高速道路セミナーは、2009年2月に締結された「日本国国土交通省とベトナム国交通運輸省との間の道路分野に関する協力に係る覚書」に基づき開催しているもので、今回で9回目のセミナーとなる。開催結果については3月30日、以下の通り報告されている。

《第9回ベトナム高速道路セミナー》
(1)日程 : 平成28年3月24日(木)
(2)会場 : ベトナム国ハノイ市「メリア ハノイ」
(3)主催 : 国土交通省、ベトナム国交通運輸省(共催)
(4)出席者:約150名

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交通運輸省 ドン副大臣による開会挨拶

[日本側の主な出席者]
– 国土交通省 大臣官房審議官(道路) 五十嵐 崇博
– 道路局企画課国際室企画専門官 田中 衛
– 国土技術政策総合研究所ITS研究室 主任研究官 鹿野島 秀行
– 在ベトナム日本国大使館公使 永井 克郎
– 中日本高速道路(株)
– 日本高速道路インターナショナル(株)
– 清水建設(株)ほか建設会社5社、日本工営(株)ほかコンサルタント6社、三菱重工業(株)・東芝(株)、JICAベトナム事務所 ほか

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国土交通省 五十嵐審議官による開会挨拶

[ベトナム側の主な出席者]
– 交通運輸省 ドン 副大臣
– フエン 道路総局長
– 国際協力局、高速道路管理局、ベトナム高速道路公社 ほか

(5)結果概要
セミナーでは、高速道路の整備・計画、運営・維持管理、ITS技術の活用などについて、日・ベトナム双方から発表が行われ、活発な意見交換が行われた。

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セミナーの様子(質疑応答)

【ベトナム側発表】
・総延長6400㎞の高速道路計画のもと、2020年までに2700㎞の高速道路整備を進めているが、資金調達、維持管理・運営のノウハウ不足、交通事故対策、軟弱地盤等へ地形・地質への対応等の課題があることが紹介された。
・ベトナムのITSの現状や規格化に向けた取組が紹介された。
・供用中の高速道路の交通事故が多発しており、交通安全を確保する体制、対策の推進の必要性について言及があった。

【日本側発表】
・昨年末のASEAN経済共同体発足を踏まえ、南北高速道路ほかASEANの国際幹線道路を対象とした舗装基準、大型車両対策の共同研究を紹介した。
・日本の長大トンネル技術、最近のインターチェンジの整備・改良事例を紹介した。
・ETC2.0 などの最新のITS技術を使った「道路を賢く使う」取り組みや、ベトナム南北高速道路で日本企業が進めているITSの導入状況を報告した。
・高速道路特有の安全対策、交通規制の方法について紹介した。

総じてセミナーを通じて、両国の道路分野の最新情報を共有できたと共に、今後の相互協力について再確認を行ったとしている。

国土交通省は、「セミナーで得られた成果を関係者で共有し、ベトナムの道路整備の推進や日本企業の海外展開を支援して参ります」と結んでいる。