マセラティ、ギブリにブランド初のハイブリッドモデルを追加


マセラティ(Maserati S.p.A.、本社:伊・エミリア=ロマーニャ州モデナ、CEO:ハラルド・ウェスター)は欧州時間の7月16日、イタリア当地に於いてデジタルワールドプレミアイベントを実施。2013年の発表以来、10万台以上が生産されてきた同社のミドルクラスセダン〝ギブリ〟にマイルド・ハイブリッド仕様を追加したと発表した。(坂上 賢治)

マセラティブランドのクルマにハイブリッドユニットが搭載されたのは、この「ギブリ ハイブリッド」が初。また今イベントを介しての世界披露も初となった。これによりマセラティは高級車マーケットに於いてニーズが高い電動化の世界にようやく足を踏み入れた。

壇上で公開されたギブリ ハイブリッドは、モデナ所在のマセラティ・イノベーション・ラボが開発したいわゆるマイルドハイブリッドユニットが搭載された。最高出力は330PS/5750rpm・最大トルク450Nm/4000rpmを発生する直列4気筒 2.0リッターの内燃機関に、48Vのオルタネーター + eブースター + バッテリーを組み合わせた同社が言う〝eBooster+48V BSG マイルドハイブリッドエンジン〟となっている。

パフォーマンスは0-100km/hを約5.7秒で走り切り、最高速度は255km/hに達する。高級車セグメントと言えども昨今は厳しい要求が突きつけられているWLTP燃料消費率は100kmあたり8.5~9.6リッターだという。なおバッテリーを車両後方に搭載したことで、車両自体の重量配分を最適化したと謳っている。加えてエキゾーストラインの流体計算を行い、共振器を介してマセラティ独特のエンジンサウンドを創り出したとしている。

外装では、お馴染みの音叉をモチーフとした新デザインのダブルブレードのフロントグリルを採用。さらに三連形状のサイドエア・ベント、ブレーキキャリパー、Cピラーのロゴなどにクリーンなクルマの象徴として通例となっているブルー(ハイブリッド専用)があしらわれている。

ボディサイズは全長4971×全幅1945×全高1461mm、ホイールベースは2998mmだ。車両重量については、従来のディーゼルモデルに比で約80kgの軽量化を達成した。リアテールランプは、ジョルジェット・ジウジアーロが手掛けた3200GTとアルフィエーリをオマージュとしたブーメラン・シェイプになっている。

インテリアでもシートステッチやヘッドレストのトライデントロゴ、ドアパネル、ダッシュボードにブルーのアクセントカラーが施され、インフォテインメント・システムはAndroid Automotiveをベースの〝マセラティ インテリジェント アシスタント マルチメディア システム〟をアップデート。スクリーンは8.4インチから10.1インチに拡大された。

車両発表にあたり、マセラティ製品企画責任者のフランンチェスコ・トノン氏(Francesco Tonon)は「ギブリ ハイブリッドは、マセラティの電動化計画の第一歩のモデルです。来る2021年にはマセラティ初の100%ピュアEV〝グラントゥーリズモ〟と〝グランカブリオ〟をリリースしていく予定です。

また今発表のギブリ・ハイブリッドの生産開始はイタリア グルリアスコ(トリノ)のアヴォカート・ジョヴァンニ・アニエリ工場(AGAP)から9月から生産を開始。ヨーロッパと中国では10月末からデリバリー開始となり、その他の国でも順次導入されます」と述べた。なお日本国内への車両導入時期についてはまだ決まっていない。