神戸製鋼所、社内監査で一部の出荷検査データの書き換えが発覚


株式会社神戸製鋼所(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:川崎博也、以下、コベルコ)は10月8日、同社のアルミ・銅事業部門(同部門傘下のグループ会社を含む)で社内監査を通して、顧客と取り交わした製品仕様に適合していない一部製品の検査証明書データの書き換えが発覚した。

具体的には、一部の不適合製品を当該仕様に適合するものとして、出荷していた。社内監査は、同社が過去1年間に出荷した製品を対象として平素より実施しており、今回も契約遵守状況の自主点検及び緊急品質監査を通じて判明したもの。

この社内監査による不適切行為の対象として、現時点で同社が把握・判明している不適合製品は以下の通り。

主な製品:
アルミ板、アルミ押出品、銅板条、銅管及びアルミ鋳鍛造品
出荷期間:
2016年9月1日~2017年8月31日
数量等:
– アルミ製品(板、押出品):約19,300t
– 銅製品(板条、管):約 2,200t
– アルミ鋳鍛造品:約19,400個

コベルコでは、不適合製品を出荷した先の顧客に対し、逐次、連絡並びに説明を開始。

不適合製品を使用し顧客が製品化した対象品に対して、品質影響(安全性含む)についての技術的検証を実施している。

また、不適切行為に係る事実関係の調査。さらに他の事業部門に於ける同種の不適切行為の有無に関する調査も行っている。

同社は、こうした実施内容を踏まえ、「これまでの検証・調査において、本件不適合製品の安全性に疑いを生じさせる具体的な問題は確認されておりませんが、万が一、本件不適合製品の安全性に疑いが生じた場合には、迅速かつ適切に対応する所存です。

また当社は、事態の重大性に鑑み、当社会長兼社長である川崎博也を委員長とする品質問題調査委員会を設置すると共に、外部法律事務所に対し、本件不適切行為に係る事実関係の調査を依頼しており、現在、この調査が進められているところです。

今後、この事実調査の結果等を踏まえ、適切な対応を迅速に進めてまいります」と述べている。

なお、この事案による業績への影響は現時点で不明としている。今後、事業上の影響については、その程度が判明した時点で公表を行う予定と話している。

加えて「このような重大事案を生じさせたことは慙愧に堪えず、深く反省するとともに、お客様をはじめ、関係者の皆様に多大なご心配、ご迷惑をお掛けしますことを心よりお詫び申し上げます。

今後調査が進展し次第、改めてご報告をさせていただきます」と結んでいる。