IBMとソフトバンク、IBM Watson日本語版を提供開始


日本アイ・ビー・エム株式会社(本社:東京都日本橋、代表取締役社長:ポール 与那嶺、以下「日本IBM」)とソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:宮内 謙、以下「ソフトバンク」)は2月18日、日本でのIBM Watson(IBMワトソン)を活用した新しいアプリケーションの開発に利用できる6種類のコグニティブ・サービスの日本語版の提供開始を発表した。

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この新しい日本語サービスにより、日本のパートナー、起業家、アプリケーション開発者は、新しい革新的な方法でIBM Watsonをそれぞれのビジネスに導入することが可能になる。

IBM WatsonのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)は、開発者、起業家、イノベーターに日本語で提供され、下記のソリューションが含まれている。

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言語:IBMは、コグニティブ・アプリケーションが文脈の中で日本語のニュアンスを理解できるサービスを開発している。例えば、以下がある。

– Natural Language Classifier(自然言語分類)により、開発者は意図や意味を理解し、質問が異なる方法でなされた場合でもユーザーが回答を見つけ出す製品やアプリケーションを開発することができるようになる。

– Dialog(対話)は、人間が質問する時の個人的なスタイルに合わせた会話を生み出すことで、アプリケーションのより自然なインタラクションを可能にする。

– Retrieve and Rank(検索およびランク付け)は、データの中にある「信号」を検知し、最も見つけることが難しい情報もユーザーが見つけ出すことを支援する機械学習を活用して、情報検索を向上させる。

– Document Conversion(文書変換)は、PDFやWord、HTMLといった異なるフォーマットのコンテンツを、Retrieve and RankのようなIBM Watsonのサービスで使用できるフォーマットに変換する。

– スピーチ:I音声認識技術におけるイノベーターであるIBMは、Speech to Text(音声認識)およびText to Speech(音声合成)サービスによって、開発者がアプリケーションを日本語で開発することを可能にする劇的に進化した技術を提供する。

IBM Watson(IBMワトソン)の提供にあたってIBMコーポレーションのIBM Watson ゼネラル・マネジャーのデービッド・ケニー氏は、「IBM Watsonプラットフォームの開始以来、世界中の数千人の開発者がこのようなテクノロジーを新しくかつエキサイティングな方法で活用してきました。

コグニティブ・コンピューティングの能力を日本にも紹介でき、またIBM Watsonを世界に公開し続けていることを、とてもうれしく思います」と述べた。

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対してソフトバンクの代表取締役社長 兼 CEOの宮内 謙氏は、「日本IBMとの戦略的提携により、両社で開発を進めてきたIBM Watson日本語版の提供を、このたび開始することをうれしく思います。

ソフトバンクでは、IBM Watsonの自社導入を検討しており、自ら利活用することで得られる経験を基に、お客様に対して様々なご提案ができると確信しています。

また、ソフトバンクは今回の提供開始に先立ってIBM Watsonエコシステムプログラムを構築・提供し、2015年10月からエコシステムパートナーの正式募集を開始して、現時点で十数社を選定しています。

日本IBMやエコシステムパートナーと共にコグニティブ・ビジネスの新しい市場を創造し、これまでにない革新的な価値をお客様に提供していきます」とコメントした。

日本IBMの代表取締役社長のポール与那嶺氏は、「世界中のお客様がIBM Watsonの技術を活用してビジネスを変革しており、今回のIBM Watson日本語版の提供により、日本での企業におけるコグニティブ(認知)な力が一層高まることでしょう。

コグニティブ・システムは人と同じように、自然言語、文字情報、視覚情報を理解します。

また、単に情報だけではなくその裏にある考えや概念を推論し、この推論する能力は時間とともに進化していきます。

コグニティブ・システムは常に学習を続け、専門知識を増やし、人とのかかわり合いをより価値の高いものにします。これらよって、コグニティブ・システムは世界で比類ない存在となっています。

日本の開発者やビジネスにコグニティブ・テクノロジーを提供することで、IBMは日本でのイノベーションを引き続き推進していきます。

IBMの日本語対応技術の拡大により、パートナーの皆様が全く新しいレベルのコグニティブ・コンピューティング・アプリケーションを設計し、提供することを支援します」と語った。

このような開発は、日本でコグニティブ・コンピューティングの導入と活用を促進する日本IBMとソフトバンクの提携にとって、ひとつの節目になると云う。

この1年のIBM Watsonの日本語の上達や、テクノロジー・プラットフォームのローカライズに加えて、IBMとソフトバンクロボティクスホールディングス株式会社は、ソフトバンクロボティクス株式会社の人型ロボット「Pepper」向けのIBM Watsonを開発し、世界の企業に提供する計画を発表した。
< http://www-03.ibm.com/press/jp/ja/pressrelease/48768.wss >

IBM Watson:新時代のコンピューティングの先駆け
IBM Watsonは、オープンなコグニティブ・コンピューティング技術の初のプラットフォームであり、新時代のコンピューティングを代表している。

新時代のコンピューティングでは、システムが人間と同じように感覚、学習、経験を通して世界を理解し、IBM Watsonは以前のやりとりから時間とともに価値と知識を増して、たえず学習する。

IBM Watsonの支援のもと、組織はコグニティブ・コンピューティングの力を利用して、業界を変革し、専門家の仕事に役立て、重要な課題を解決することができるとしている。