フェラーリ812スーパーファスト、ジュネーブ自動車ショー初披露。新V12は市販最強の800cv


フェラーリ(Ferrari S.p.A、本社:伊・モデナ県マラネッロ、CEO:セルジオ・マルキオンネ)は、同社史上最もパワフルかつ最速を誇る新世代の12気筒ベルリネッタのファーストモデル「812 Superfast(スーパーファスト)」を引っ提げ、第87回ジュネーブ国際モーターショーでワールドプレミアに臨む。

この新型車は、1947 年にフェラーリが初めてリリースした125Sから、今年で70周年を迎えるプランシングホース・ブランドと共に歩んできたV12エンジンの歴史に新たな一歩を刻むモデルである。

今回リリースを果たした812 Superfastは、F12berlinettaとF12tdf から生み出されたレガシーの上に誕生した。

そのコンセプトは、何よりもパワフルでエクスクルーシブなフェラーリを切望するTifosi(ティフォシまたはティフォージ)に向けて作られたもの。

それは「とことん走りに徹するというもの」であり、一般道であっても、サーキットであっても、胸のすくようなドライビングを愉しめる。その希望を果たせるためだけに設計されたのだと云う。

【パワーユニット】
そのため搭載されたパワーユニットは、最高出力に於いて800cv/lを発揮する新設計の6.5リットルV型12気筒エンジンを搭載した。

またこの812 Superfastは、フロント・ミッドシップエンジン・スポーツカーにおける新たなベンチマークとなることを目指しており、8,500rpmという高い回転数で、その持ち前の最高出力を発生し、比出力(1 リットル当たりの出力)123cv/lという同数値は、これまでのフロント・ミッドシップエンジン車輌では到達できなかった突き抜けた動力性能を誇っている。

大排気量エンジンならではの質感の高い音響を引き出す豊かなエグゾースト・サウンドも、812 Superfastの強力なエンジンパワーを引き立てる設計とした。

常用走行領域に於いて最も扱い易いドライビングプレジャーを生み出す最大トルク値は、718Nm/7,000rpm であり、その80%以上を3,500rpmという利用領域から引き出せる。

このため低回転域でのドライバビリティ―と、ピックアップ性能も大幅に向上。市街地など、スーパースポーツカーの走行環境とは添い難い状況下に於いても快適なドライブを約束する柔軟性を備えたとも云う。

このフレキシブル性の確保にあたっては、今回初採用に至った350バールのダイレクトインジェクションシステムと、自然吸気 F1エンジン由来のコンセプト、可変インテークシステムが貢献しているとしている。

なおシフト・チェンジのタイム短縮、さらにシャープなスロットル・レスポンスの実現に向けて、812 Superfastに搭載されるデュアルクラッチ・トランスミッションにも、走りにそうした柔軟性を持たせるため特別なギヤレシオが設定されている。

【ビークルダイナミクス】
812 Superfast は、搭載された最新の電子制御システムによって、操舵フィーリング並びに回答性に於いても、ドライバーの意思に添う柔軟性の高いハンドリング特性と、ロードホールディング性を発揮する。

特にこの新たなプランシングホースに初採用となったスポーツ仕様のEPS(Electric Power Steering=電動パワーステアリング)は、812 Superfastのポテンシャルを余すことなく引き出すことができるとする。

そのコーナリング姿勢は、このEPSにフェラーリが独自で特許を取得したサイドスリップコントロール(SSC)の最新バージョン 5.0が組み合わされており、これらの車体電子制御システムとの完全統合によって、柔軟性の高いハンドリング感覚が実現。

ドライバーたちの様々な意思や、ステアリング捌きを許容。高いレベルでスリリングなドライビングを愉しめるようにした。

なおこの車体制御システムには、今回初めてバーチャル・ショートホイールベース2.0システム(PCV)も搭載された。

これは先に「F12tdf」で培った経験を基にソフトウェアを進化させたもので、この新たなバージョーンに昇華したPCVによって、機敏なハンドリングと、ドライバーの入力に対する応答時間の短縮を実現させている。

【スタイリング & エアロダイナミクス】
フェラーリ・スタイリング・センターがデザインした新型812 Superfastは、フロント・エンジンV型 12 気筒フェラーリの個性を再定義するスポーティーなラインを持たせている。

シルエットは滑らかなファストバックスタイルを描き、ハイ・テール形状の2ボックス・スタイルは1969年の名車365GTB4 を想起させるオマージュを取り入れたものとなっている。

またボディ側面には、彫刻的デザインを採用し、視覚的にショート・テール化。そこに力感あふれるホイールアーチが加わるというエキゾチックなもので、搭載された V12エンジンのアグレシブな潜在パワーを車体のフォルム全体で表現したと云う。

フルLEDヘッドライトは、隆起するフロント・ホイールアーチを含めてボンネットのエアインテークと一体でデザインされ、フロントの力強さを強調。

リアでは、フェラーリ伝統の 4 灯丸型テールライトが水平方向に広がるフォルムを強調し、スポイラーとキャビンを低く見せる視覚的効果によって、812 Superfast にワイド & ローの印象的なスタンスをもたらした。

このスタイリングとエアロダイナミクス機能の融合について、812 Superfastの場合、それはアンダーボディ前部に設けたアクティブフラップをはじめとしたエアロ・デバイス・クラスターが組み込まれた多機能フロントセクション。

そしてエアロダイナミック・バイパスを設けてダウンフォースを生成させるボディ後方側面の2箇所に現れている。

なおこのクルマは、フェラーリ 70 周年を記念した特別色、Rosso Settanta(ロッソ・セッタンタ=70 周年レッド)のエクステリア・カラーでデビューを果たしていく意向だ。

【インテリア】
812 Superfastのインテリアは、フェラーリのフロント・エンジン V12 ベルリネッタが常に提供してきた快適性とスペースを維持しつつ、アグレッシブなエクステリアに合わせて再構築された。

生粋のレースへの情熱と、無駄を削ぎ落としたエレガンスを両立させたキャビンは、主要な装備が浮かぶように引き立つべく、普遍的なトリム処理に、最新車両に相応しい革新的なデザインを組み合わせ、まとめ上げられている。

具体的には、中央のエアベントを包み込むように、緩やかにうねる水平基調のダッシュは、彫刻のようなフォルムとした。

新型シートは人間工学に基づき、新設計したステアリングホイールとインストルメント・クラスター、最新のインフォテイメントシステムとエアコンディショニングユニットなど、最先端のマン・マシンインターフェースで固められている。

812 Superfast – 主要諸元

エンジンタイプ: 65° V12
総排気量: 6,496 cc
最高出力*: 588 kW(800cv/l)/8,000rpm
最大トルク*: 718 Nm/7,000rpm

サイズ & 重量
全長: 4,657 mm
全幅: 1,971 mm
全高: 1,276 mm
乾燥重量**: 1,525 kg
重量配分: 47-53% フロント/リア

性能
最高速度: 340 km/h 以上
0-100km/h加速: 2.9秒

燃料消費 & CO2排出ガス***
燃料消費: 14.9 l/100km
CO2排出ガス: 340g CO2/km

*ラム圧効果による 5 cv 含む
**軽量オプション装備車***承認待ち。 標準 HELE システム装備車による ECE + EUDC 複合サイクル。
***承認待ち。 標準 HELE システム装備車による ECE + EUDC 複合サイクル。

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http://www.ferrari.com/ja_jp/