コンチネンタル、「eHorizon」の開発を加速。自動車を真の人工知能時代へと誘う


eHorizonの開発をさらに推し進めたコンチネンタルは、クラウドソーシング機能を車載カメラ自体に統合した

 

独・自動車部品サプライヤー大手のコンチネンタルAG(本社:ドイツ、ハノーバー市、CEO:エルマー・デゲンハート)は、すべての車両セグメントでスワームコネクティビティを利用できるようにすることで、同社の人工知能『eHorizon』をさらに発展させられると云う。

このスワームコネクティビティとは、『複数の自動車が、走行中に群れを形成しつつ移動し、その間、互いの人工知能を連携し合うこと』を意味する。

そして、そうした次世代技術を実現させるためには、交通標識の認識に利用されるADAS用車載カメラのインテリジェンス能力を、さらに高めることが鍵になる。

そこでコンチネンタルは、個々の自動運転車に搭載されたカメラから、リアルタイムに収集する貴重な走行環境データを、周辺のすべての自動運転車が利用できるように、クラウドソーシング機能をカメラ自体に組み込んでいる。

これにより、走行中に検出した広域の環境情報が、適切に個々の自動運転車に搭載されている人工知能『eHorizon』に提供され、eHorizonが自ら、自律的にデータ管理とクラウド通信を行いつつ、次々と入力データを処理・判断しながら、安全な自動運転を実行していく。

クラウドソーシング機能を持つADAS用車載カメラにより、すべての車両でスワームコネクティビティ(群知能)の実現へ

コンチネンタルの高度道路交通システム(ITS)事業部バイス・プレジデントであるユルゲン・シュバイガー氏(Jürgen Schweiger)は、「クラウドソーシング機能を車載カメラに統合することで、車両全体のアーキテクチャを大幅に変更することなく、個々の車両をセンサーネットワークの一部にすることが可能となります」と云う。

「それは、まるで昆虫の群れ(スワーム)のように動き、ネットワークは、地図ルートと交通情報を互いに収集し、他の自動運転車にも、同じ交通情報を提供し合う。

これにより、車両間の往来に関わる全ての情報を人工知能が管理し、ドライバーの運転に関わる労力を最小限に抑えることができるようになります」と語る。

eHorizonがスワームコネクティビティをすべての車両セグメントで利用可能にする

またユルゲン・シュバイガー氏は、「その結果、地図データは恒久的に更新され、予測運転の精度も大きく向上します。

さらにドライバーとそのクルマは、今後行く先の制限速度、道路工事、その他の状況に関する近未来の位置情報も受け取ることができるようになります。

eHorizonソフトウェアは、情報のアップロードとダウンロードのためのゲートウェイとデータマネージャの両機能を併せ持ち、車内で生成されたデータと、他の車両から入手した同じ種類のデータを照らし合わせます。

これによって、モバイルセンサーネットワーク上の車両の動きを包括・管理し、これにより個々の自動車は、自動運転中の意思決定の質が大幅に向上します。

なるべく早い段階で、車両機能を最適化できるようにすること。そんな予測操作が、コンチネンタルのeHorizonの核心に

例えば、先の交通状況がまだ視界に入っていない車両であっても、あらかじめ入手できるクラウドデータを入手・事前処理することにより、数キロ先に於ける最適なブレーキ力が得られるよう前以て準備したり、ハンドル操作の事前準備ができるようになるのです。

このように、なるべく早い段階で、車両制御を最適化できるようにすること。この予測操作が、コンチネンタルのeHorizonの核心であり、未来の自動運転車にとって欠かせない要素のひとつです。

現在、我々研究開発陣は、クラウド環境上のデータ通信のなかで、地図データが更新され、未来の運行情報を車両側へと積極的に提供するべく実証実験を精力的に行っています。

最初の設定レベルでは、ルートに沿って認識した交通標識に主に焦点を当てていますが、今後eHorizonは、クラウドソーシング機能と密接に関連して、個々車両間の双方向情報をやり取りするデータインターフェイスとなり、それぞれの自動運転車に一種の連帯感をもたらすのです。

車載カメラから取得したデータによって地図が更新され、個々の車両は、『一人は皆のためにあり、皆は一人のため』を目指す

これは、『一人は皆のためにあり、皆は一人のためにある』という格言に似ています。

今後、コンチネンタルの次世代カメラMFC 500が生産段階に入ると、ルートに沿って目印となる建物を検出し、詳細なロードデータベースを構築することも可能になります。

これにエネルギー管理予測が加われば、自動車運行は、より安全かつ効率的な移動が実現可能になります。

またドライバーには、その都度、新しいレベルの運行情報が提供され、適切な走行ルートの提示だけに留まらず、個々のドライバーが望む理想のドライブプランに沿って、新たな立ち寄り先の提案を行うなど、単なる自動運転を超えた新しいタイプのサポートサービスも提供できるようになるでしょう。

実際、我々は、こうしたテクノロジーを来る2021年に於いて提供していくことを目指しています。

これを前提にコンチネンタルは、来る9月にフランクフルトで開催される2017年国際モーターショー(IAA)では、これら未来の自動運転車の姿をお見せする最新鋭の『eHorizon』を展示する予定です」と結んでいる。

関連リンク
コンチネンタル・コーポレーション: https://www.continental-corporation.com/ja-jp/ 
プレスポータル: https://www.continental-corporation.com/en/press/press-overview 
コンチネンタル・ジャパン公式フェイスブック:https://www.facebook.com/continental.japan.18711008/