米国のゼネラルモーターズ・カンパニー(GM/本社:デトロイト、CEO:メアリー・バーラ)は10月10日、HYDROTEC(ハイドロテック)ブランドによる次世代水素燃料電池の開発を中止すると発表した。
但し、ホンダとの合弁事業となっているFuel Cell System Manufacturing LLCによるデータセンターおよび発電用の水素燃料電池の生産は継続される。
GMでは、「水素は、バックアップ電源、鉱業、大型トラック輸送といった需要の高い特定の産業用途に於いて有望視されていますが、燃料電池事業の持続可能な実現への道のりは長く、不確実です。
米国内では、コストの高さと水素インフラの不足により、燃料電池自動車の普及が制限されています。
米国エネルギー省によると、全米で水素燃料補給ステーションはわずか61か所であるのに対し、レベル2以上の高速充電ステーションは25万か所以上あります。
GM は、規模と顧客価値への最も明確な道筋を示すテクノロジーに重点を置くことにしました」と述べている。
ちなみにGMとホンダは昨年1月、デトロイト近郊の合弁工場で水素燃料電池システムの生産を開始した。しかし当初から生産量は限られたままで推移していた。
対するホンダ側で同合弁事業は、2020年代半ば以降には年間2000基の燃料電池システムの納入を目指すと語っていた。また、もとよりGMでも、建機メーカーやトラックメーカー向けにも時自社開発の燃料電池システムを供給する計画を発表していた。
しかし今日に至るまで小規模体制から拡大に移ることなく、GM自身の水素燃料電池開発プログラムは一旦終了される。
今発表でGMは当面、潜在能力をまだ発揮していない水素ではなく、市場で明確な牽引力を持つバッテリー、充電技術、EVに研究開発と資本資源を集中させると結んでいる。