独・フォルクスワーゲン・ブランドは4月3日、アルゼンチンに5億8,000万米ドルを投資し、アマロックの後継となる次世代ミッドサイズピックアップトラックの開発を進めていることを明らかにした。
この新型モデルは、2027年からアルゼンチンのパチェコ工場で生産される。同車は、南米市場向けに専用開発されており、この地域に於けるピックアップトラックセグメントの強化に貢献するもだという。
フォルクスワーゲンブランドCEO兼ブランドグループコア責任者のトーマス・シェーファー氏は、「フォルクスワーゲン・ブランドは、2030年までに量産車メーカーの中でグローバルな技術リーダーとなることを目指しています。その鍵となるのは特定地域でのブランドプレゼンスの地位拡大であり、そのための市場固有の製品ソリューションを開発することにあります。
そもそも地域的な成長とローカライゼーションは、私たちのグローバル計画において重要な要素です。今回の投資は、フォルクスワーゲンブランドにとって戦略的に重要な地域に於いて私たちの立ち位置を強化するものです。
新型アマロックは、南米で開発、設計、生産され、南米市場向けに提供されます。つまり、この市場のお客様の具体的なニーズに完全に合致するモデルとなるということです。
新型アマロックは南米で開発され、現地市場向けに生産されますが、南アフリカにおけるアマロック生産に関する既存のパートナーシップは維持されます。
これにより、フォルクスワーゲンは国際市場への安定した車両供給を確保しつつ、ラテンアメリカ市場のニーズに合わせた現地に根ざした製品戦略を推進していきます」と述べた。
次いでフォルクスワーゲン・ラテンアメリカのCEOを務めるアレクサンダー・ザイツ氏は、「アルゼンチンは当社の南米戦略の重要な要素です。今回の投資は、同国の産業力に対する当社の信頼を裏付けるものです。新型アマロックは、パフォーマンス、イノベーション、そしてサステナビリティの面で新たな基準を確立させていきます」と語った。
更にフォルクスワーゲン・アルゼンチンの社長兼CEOを務めるマルセラス・プイグ氏は、「アマロックは、アルゼンチンに於けるフォルクスワーゲンの強さを象徴する存在です。
この車は、この国におけるブランドの歴史において重要な要素であり、私たちの現在と未来に不可欠な存在であり続けます。
この新型車は、15年にわたる経験とパチェコ工場で誇りを持って生産されてきた77万台以上のアマロックに裏打ちされたフォルクスワーゲンのデザインとDNAを、最先端のソフトウェアと先進技術と融合させ、現代の市場に於いて革新的で競争力のある製品を生み出します」と結んだ。
なお南米向けの新しいピックアップトラックの開発は、既に佳境に入っている。例えば現段階で77万台以上のアマロックを生産しているパチェコ工場への大型投資は、次世代モデルのニーズを収集しながら最終段階に入った。
また既にフォルクスワーゲンは、量産メーカーの中でテクノロジーリーダーとなるべく、新たな生産技術の導入、デジタルプロセスの最適化、エネルギー効率の向上に取り組み、経済の安定、雇用、そして企業リーダーシップを融合させた共同ビジョンも策定した。
拘束力のある目標ととして合意されたそんな同施策は、将来の主要プロジェクトの基盤となる。また共同宣言された目標はフォルクスワーゲンAGの中核ブランドであるフォルクスワーゲンブランドが、2030年までに世界の量産メーカーの中で比類無きリーダーなることを織り込んでいる。