ボルボ・カーズ(本社:ヴェストラ・イェータランド県・イエテボリ、CEO:ホーカン·サミュエルソン、以下ボルボ)と、マイクロソフトは、ウェアラブルデバイスを利用して車両のエンジンやヒーターの始動、ナビ設定など、音声でクルマをコントロールできるシステムを発表した。
具体的には、ボルボ・オーナーはウェアラブル音声認識端末の「Microsoft Band 2(マイクロソフト・バンド2)」により、ナビゲーションの設定、ヒーターの始動、ドアのロック、ライトの点滅、クラクションを鳴らすなどの操作をボルボの携帯電話用アプリケーション「Volvo on Call」とウェアラブルデバイスを通じて、クルマに指示することが可能とした。
去る2015年11月、ボルボとマイクロソフトは、「ホロレンズ」(HoloLens)テクノロジーを自動車に初めて導入するというビジネスコラボレーションを発表した。
このHoloLensは、拡張現実(AR)を用いたヘッドセットで、マイクロソフトと協業により開発した店舗ショールームに於ける顧客プロモーションの仕組みに利用されるとしているもの。
店舗では、様々なカラーオプションや、動きのある機能、三次元的な説明を要する内容などを、よりも現実に近い形で顧客に示すことができるとしている。
このHoloLensテクノロジーは、世界初のアイウェア型ホログラフィックコンピュータであり、将来、顧客がクルマの展示方法や選び方、買い方を一変させるような可能性を秘めているという。
そして今回、ボルボとマイクロソフトは、次世代の自動車テクノロジーの共同開発の第2段として、「Microsoft Band 2」を介して、車両を音声でリモートコントロールする機能を提案した。
この新たなテクノロジー公開に際して、ボルボ・カー・グループのエレクトロニクス担当副社長のトーマス・ミュラー氏は、「ボルボは、最も身近でわくわくするような方法で最新テクノロジーを使うことによって、カーライフをできるだけシンプルかつ便利にすることを目指しています。
音声コントロールは、デジタルアシスタンス機能の可能性の始まりに過ぎません」と云う。
現在、ボルボ・カーズは伝統的な自動車分野以外の新たな可能性のあるパートナーシップやビジネスモデルによるイノベーションにより注目し、重点的に開発を始めており、ボルボ・カー・グループの上級副社長兼チーフ・インフォメーション・オフィサーのクラス・ベンドリック氏は、「イノベーションしようという時、私たちはテクノロジーのためのテクノロジーに関心はありません。
それが顧客の生活をシンプルに、より良く、より安全で楽しくしないのなら、そのテクノロジーを使うことはないのです。
きっと、誰も想像したことのない、手首につけたウェアラブルデバイスによるクルマとの会話を始めてみようではありませんか」と語っている。
一方、マイクロソフトの事業開発担当上級副社長のペギー・ジョンソン氏は、「ボルボと進めているパートナーシップが、自動車との関係性を一変させるような、画期的テクノロジーを生み続けています。
ボルボとともに、テクノロジーがドライバーの安全性や生産性を向上させる潜在能力を、まさに理解し始めたところです」と述べた。
この「Microsoft Band 2」を介した音声コントロールとボルボのコネクティビティの新たなサービスの提供は2016年春、Volvo on Callの顧客に提供される予定となっている。