東芝、車載機器向けUFS Ver.2.1準拠のNAND型フラッシュメモリ出荷


東芝メモリ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:成毛 康雄)は、車載機器向けのJEDEC UFS Version 2.1インターフェースに準拠した組み込み式NAND型フラッシュメモリ(UFS製品)を開発し、12月12日からサンプル出荷を開始した。

製品は、AEC-Q100 Grade2(自動車向け電子部品評議会が策定する集積回路の信頼性認定試験基準)に適合し、-40℃から105℃の広い動作温度範囲に対応するなど、急速に複雑化する車載機器の要求する信頼性に応えるための機能を備えている。

また様々な用途に対応するため、容量ラインアップも当社既存製品(車載用e-MMC製品との比較。e-MMCはJEDECの規格に準拠した組み込み式NAND型フラッシュメモリ)より広い範囲の16GB、32GB、64GB、128GB、256GBの5種類を揃えた。

なおこの製品は、当社の15nmプロセスを用いたNAND型フラッシュメモリチップとコントローラーチップを一体化した制御機能付きの組み込み式NAND型フラッシュメモリとなっている。

具体的には、車載情報・エンターテインメント機器やADAS(Advanced Driving Assistant System。先進運転支援システム)機器などの機能が複雑化するに従って、高性能化・大容量化への要求が増大し続けていることを受けて、UFSインターフェースを採用した。

その性能はシーケンシャルリードで850MB/s、ランダムリードで50kIOPsを達成し、同社既存製品に比べ、それぞれ約2.7倍、約7.1倍の速度向上を実現している(車載用64GBのUFS製品とe-MMC製品との比較)。

さらに車載機器用に開発された新機能を搭載。例えばリフレッシュ機能では、製品に記録されたデータをリフレッシュし、データの寿命を延ばすことが可能になった。

温度制御機能では、車載環境下で発生する可能性のある高温条件に於いて、製品がオーバーヒートするのを防ぐ役割を果たす。さらに、拡張診断機能によって、ユーザーは製品の状態を把握することが可能になっている。

新製品の概要
インターフェース: JEDEC UFS Version 2.1 規格準拠
HS-G3 インターフェース
容量 :16GB, 32GB, 64GB, 128GB, 256GB
電源電圧 :2.7-3.6V (メモリコア)
1.7V-1.95V (インターフェース)
動作温度 :-40℃ ~ +105℃

製品の主な特長
1. 広い動作温度範囲に対応
動作温度仕様として、-40℃から105℃に対応。
また、信頼性試験に関しては、JEDEC条件に加えて、AEC-Q100(Grade2)相当の試験を追加で実施している。

2. 広い容量帯の製品を提供
16GBから256GBの広い容量帯の製品を提供し、多様な車載機器の要求に応える。
車内無線通信機器のような小容量しか必要としない機器から、車載情報・エンターテインメント機器やADAS機器のような大容量のストレージを必要とする機器まで、幅広い用途に合わせたラインアップを揃えた。

3. 高性能を実現
シーケンシャルリードで850MB/s、ランダムリードで50kIOPsを達成し、当社既存製品に比べ、それぞれ約2.7倍、約7.1倍の速度向上を実現した。

4. 車載機器向け追加機能を搭載
リフレッシュ機能、温度制御機能、拡張診断機能など、車載機器に適合した追加機能を備えている。