ポルシェAGの取締役会において、人事担当役員が交代


VWに転籍するトマス・エディヒ氏の後任として、アンドレアス・ハフナー氏が就任。VW新社長・マティアス・ミューラー体制構築の一環か

ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)は監査役会を開催し、9月27日に同社の取締役を務めるトマス・エディヒ氏(53)の移籍(VWコマーシャルビークルズの取締役会)に伴う後任に、アンドレアス・ハフナー氏(49)を指名したと発表した。これにより、来る2015年10月1日付で、ハフナーがポルシェAGの人事部門を率いることになる。

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トマス・エディヒ氏(Thomas Edig)

エディヒ氏は、2007年5月にポルシェAGの取締役会に名を連ねると、2009年7月からは、同会の副会長も務めてきた。

また、2009年7月から2012年2月までの間、彼はポルシェ オートモービルホールディングSEの取締役会にも在籍している。

エディヒ氏は、今後もグループ内に留まるものの、2015年10月1日からは勤務地をシュトゥットガルトからハノーバーに移し、フォルクスワーゲン コマーシャルビークルズの取締役会メンバーとして人事部門の責任者を務める。

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アンドレアス・ハフナー氏(Andreas Haffner)

一方、アンドレアス・ハフナー氏は、フォルクスワーゲンのグループ本社があるヴォルフスブルクから、ツッフェンハウゼンに移動する。

彼はトップマネージメントという立場で、グループの人事部門を4年半にわたって率いてきたほか、あらゆる管理職の採用にも責任者として携わってきた。

ちなみにハフナー氏は、ポルシェAG、ポルシェSE、フォルクスワーゲンAGにおいて、人事および総務に関するさまざまな管理職を過去17年間にわたって務めてきた人物である。

ポルシェAGの監査役会および取締役会を代表し、同社の監査役会会長を務めるDr. ヴォルフガング・ポルシェ氏と、社長のマティアス・ミューラー氏は、トマス・エディヒ氏のこれまでのポルシェに対する貢献に感謝の意を示した。

エディヒ氏は、企業の能力と社会性をバランスさせるというポルシェ特有の文化を発展させただけでなく、魅力的な雇用主であるという優れた企業イメージを強化することにも尽力した。

なお彼の在任中、2007年に11,000名であった従業員数は、2015年に約25,000名まで増加している。

ポルシェAGの労使協議会議長を務めるウーヴェ・ヒュック氏は、「これまでの数年間、私達は一致団結して働き、雇用を保護するための重要なステップを2010年に導入したほか、未来の雇用市場を考慮した契約も取り入れました。

私はアンドレアス・ハフナー氏の成功を祈るとともに、彼と密接に連携して仕事ができることを待ち望んでいます」と述べている。

取締役会の会長を務めるマティアス・ミューラー氏は、経験豊富なスペシャリストであるアンドレアス・ハフナー氏が、取締役会のメンバーに加わったことに対して喜んでいる。

弁護士でもある49歳のアンドレアス・ハフナー氏は、労使・団体交渉部門のトップとして1994年にポルシェAGでのキャリアをスタートさせた。

3年後、彼は人事部門の中で、海外の子会社や各部門に対する責任者を務めている。

さらに2000年、彼はヴァイザッハの開発センターにおいて人事部門のトップに任命され、このほかにも、2008年にポルシェSEで人事および組織担当部門を任されたほか、2011年の初めにはフォルクスワーゲンAGにおいて、グループの国際的な人事を管理する責任者に任命されている。

ポルシェAG では、数多くの多様で刺激的な業務がハフナー氏を待ち受けている。

例えばポルシェの場合、個別労働時間制度を推進するとともに、企業全体で女性管理職の起用を積極的に行っている。今後、自動車業界には、より優れた能力を持つ新たな人材が必要となる。

マティアス・ミューラー氏は、「エレクトリックモビリティや車両ネットワークテクノロジーの分野における開発を将来に向けて続けていくにあたり、私達にはデジタルの世界に詳しい若い人々がより多く必要になります」と述べている。