オジェ選手、地元「ツール・ド・コルス」で初優勝し4度目のタイトルに向け前進。VWポロR WRCはWRC 通算49戦40勝
世界ラリー選手権(WRC)第 10 戦「ツール・ド・コルス」が、9月29日~10月2日、フランス・コルシカ島西岸の街、アジャクシオを中心に開催された。
フォルクスワーゲン・モータースポーツのセバスチャン オジェ選手が地元ラリーで初優勝、4 度目のチャンピオンシップを手元に引き寄せた。
チームメイトのアンドレアス ミケルセン選手と、ヤリ-マティ ラトバラ選手も3位と4位でフィニッシュ、このイベントからチームを率いる新モータースポーツ・ディレクター、スヴェン スミーツを祝福した。
「ツール・ド・コルス」には、ストレートらしいストレートがなく、「10,000 のコーナーを持つラリー」の異名で知られると同時に、かつては「ツール・ド・コルス(コルシカ島 1 周)」の正式名称で知られるターマック(舗装路)イベントである。
それはWRC カレンダー随一の風光明媚なラリーと言われているが、ルートの片側は切り立った山肌、逆側は崖と難所が多く、クルーがその景色を楽しむ余裕はない。
全長 1,17.40km にレイアウトされたスペシャルステージ(SS:競技区間)は、その数こそ10カ所と少ないものの、最終SS以外はすべて30km超。SS区間距離は390.92km。クルーはその間、ひと時も集中力を切らすことなく、タイヤ摩耗にも気を遣わなくてはならない。
9月30日のデイ1は4SSの構成。このラリーを制し、ライバルのポイント状況次第では4連覇が確定するオジェ選手は、初日から4カ所すべてのSSでトップタイムを記録。
2位以下に44秒の大差をつけた。ラトバラ選手とミケルセン選手も、デイ 1 を 3、4 位で終えた。
10月1日のデイ2も、前日と同様、全4SSで戦いが繰り広げられた。午後は、にわか雨が降る不安定な天候となり、各クルーは突然の降雨を意識しながらも、急速に乾く路面にも対応しなければならず、難しいタイヤ選択を強いられた。
オジェ選手は、この日も安定したパフォーマンスを見せて首位をキープ。ミケルセン選手がラトバラ選手を逆転し、3 位と 4 位が入れ替わった。
ポロR WRCは、600回目のSSウィンをマークしました。2013年のデビュー以来、892カ所のSSにアタックし、そのうち2/3を制したことになる。
大量リードに守られたオジェ選手は、最終デイ3も無難にまとめて WRC通算36勝目を手中に収めると共に、4連覇に向けて大きく歩を進めた。
「ツール・ド・コルス」前には、オジェ選手を含めて7名のドライバーにタイトル獲得のチャンスがあったが、このラリーを終えてチャンスが残されているのは、オジェ選手とミケルセン選手のほか 1 名のみとなった。
続く第 11 戦「ラリー・スペイン」は、10 月 13 日~16 日に、バルセロナ南のリゾートタウン、サロウを中心に開催される。
このラリーには、オジェ選手とフォルクスワーゲン・モータースポーツのダブル タイトル決定の可能性がある。
[終了後のコメント]
フォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクター: スヴェン スミーツ
「ポロ R WRC が通算 40 勝を達成しました。モータースポーツ ディレクターとしてのデビュー戦で誇らしいリザルトを得ることができました。
次戦スペインは、ポロ R WRC が節目となる 50 戦目を迎えるとともに、タイトル獲得のチャンスがあります。」
カー#1: セバスチャン オジェ(フランス) 最終結果: 1 位
「何としても地元ラリーで勝ちたいと思っていました。金曜日が完璧だったので、その後はタイム差の維持に集中しました。この勢いをスペインに繋げて、タイトルを獲得したいです。」
カー#2: ヤリ-マティ ラトバラ(フィンランド) 最終結果: 4 位
「諸手を挙げて喜べるリザルトではありませんが、責任は自分たちにあります。スペインで再び表彰台に立てるよう全力を尽くします。」
カー#9: アンドレアス ミケルセン(ノルウェー) 最終結果: 3 位
「3 位という順位に満足しています。計算上タイトルのチャンスはありますが、今後はランキング 2 位獲得に照準を絞ります。」
FIA 世界ラリー選手権 第 10 戦ツール・ド・コルス最終結果
1. セバスチャン オジェ/ジュリアン イングラシア(フォルクスワーゲン) 4 時間 7 分 17 秒 0
2. ティエリー ヌーヴィル/ニコラス ジルスル(ヒュンダイ) +46 秒 4
3. アンドレアス ミケルセン/アンダース イェーガー(フォルクスワーゲン) +1 分 10 秒 0
4. ヤリ-マティ ラトバラ/ミーカ アンティラ(フォルクスワーゲン) +1 分 35 秒 6
FIA 世界ラリー選手権 マニュファクチャラーズ選手権ランキング(第 10 戦終了時点)
1. フォルクスワーゲン・モータースポーツ 293
2. ヒュンダイ・モータースポーツ 227
3. フォルクスワーゲン・モータースポーツ II 136
FIA 世界ラリー選手権 ドライバーズ選手権ランキング(第 10 戦終了時点)
1. セバスチャン オジェ(フォルクスワーゲン) 195
2. アンドレアス ミケルセン(フォルクスワーゲン) 127
3. ティエリー ヌーヴィル(ヒュンダイ) 112
5. ヤリ-マティ ラトバラ(フォルクスワーゲン) 101