マセラティ史上初のディーゼルエンジン搭載、ディーゼルの概念を超えるパワフルな排気音と圧倒的なスポーツ性能を実現
マセラティ ジャパン株式会社（代表取締役：牧野一夫、本社：東京都港区）は３月７日、マセラティ史上初となるディーゼルエンジン搭載のスポーツラグジュアリーセダン「マセラティ ギブリ ディーゼル」を発売した。車両本体価格（税込）は９,３３０,０００円。デリバリー開始は２０１６年３月。
マセラティは２０１３年にディーゼル搭載モデルを発表。既に翌２０１４年から欧州並びに北米で販売をしていたが、今回ようやく正式ルートを経て、日本国内市場に同車が導入されることになった。
パワーユニットは、マセラティ伝統のエグゾーストサウンドの質を落とすことなく、CO2排出量の低減と優れた燃費経済性を実現。環境意識が高いものの、他メーカーのモデルでは得られない独自のスポーツ性は捨てがたいとする顧客を対象に、ラグジュアリーセダン市場に独自の新境地を切り拓いていく構えだ。
今回最も重要な、その搭載エンジンだが、開発自体はマセラティ社と、伊・ＶＭモトーリ社による共同開発となっているもの。
ＶＭモトーリ社は１９４７年に設立され、元来イタリアのディーゼルエンジン専門メーカーだが、２０１０年まではＧＭの傘下で活動していた。それをＦＣＡグループが全株式を取得し完全子会社化した。
工場はイタリア北東部のチェントにあり、１０００名を超える従業員を雇用。年間約９万基のエンジンを生産するなど、その規模は想像以上に大きい。
通常、自動車エンジン関連では、ジープやクライスラー、フィアットのランチア、ロンドンタクシーを製造する英国ＬＴＩ社等にパワーユニットを納入している。
今回はフェラーリF１エンジンのデザイナーを務めたマセラティ社のパワートレーンディレクターが開発の監督役を務め、ＶＭモトーリ社がマセラティ専用ユニットとして開発した。
エンジン形式は、60° V型 6気筒・総排気量 2,987 cm³。２７５psの最高出力を発生しながらもCO2排出量は１５８g／km（※）に抑え、燃料消費量は１７.０km／l（※）。最大システム圧が２,０００barのコモンレール式直噴エンジンであり、マルチインジェクションシステムによって、燃費と作動音を低減しながら応答性と俊敏性の向上が図られた。
これに可変ノズルタービンを備えた可変ジオメトリーターボチャージャーとを組み合わせ、低回転域の高い出力と厚いトルクを確保している。
具体的なトルク数値は、２０００－２６００rpmの回転域で最大トルク６００Nmを発生（オーバーブースト時）、０－１００km／hは６.３秒（＊）、最高速度は２５０km／h（＊）に達する。
さらにスタート／ストップシステムによって、燃費とCO2排出量を最大６％（＊）低減。クルマが止まると、すぐにエンジンを停止させ、ブレーキをリリースし、再びクルマが動き出すときに自動的にエンジンを再始動させる。
なおエンジン重量は、ガソリンエンジン比で約２５kg増に抑え、前後重量配分は５１：４９とほぼ理想的なバランスを維持している。
マセラティ・アクティブ・サウンド・テクノロジー
「ギブリ ディーゼル」は、最先端のコモンレール ダイレクト インジェクションシステムの採用と、エキゾーストマニホールドの防音効果を高めた結果、ディーゼル特有の燃焼音を大幅に低減させることに成功した。
その上で、エキゾーストテールパイプの脇に取り付けられた２つのサウンドアクチュエーターが、エンジンの最も特徴的な音色を強調し、ドライビングスタイルに応じて音色を変化させる。
新たに採用されたマセラティ サウンド システムが放つパワフルなエキゾーストノートは、スポーツボタンのスイッチを押すだけでアグレッシブに響き渡り、「ギブリ ディーゼル」美点のひとつと言えるだろう。
エクステリアデザイン
エクステリアは、高級感とスポーティクーペを思わせる流麗さを融合したいつもの「ギブリ」テイスト。
同心円状の美しいシルエットを生み出すフロントとリアのホイールアーチによって、滑らかで流れるようなラインにダイナミックな印象を与え、フロントに配される、伝統的なオーバル型のグリルは、その最上部で幅を狭め、精悍なヘッドライトへと続く。
サイドには、フロントから流れる２本の曲線がテールエンドで交わる。キャビンからトランクに向けて自然に絞り込まれたフォルムに加え、ホイールアーチから２つのLEDテールライトへも流れるようにデザインされている。
インテリア
「ギブリ」独特の個性はインテリアに反映されている。シートに巧みなステッチワークで張られた最高級のソフトレザーは、ダッシュボードやドアなどに２つのカラーを組み合わせていくこと可能で、インテリアのルックスをスポーティにも、よりエレガントにもカスタマイズできる。
トランスミッション
他の「ギブリ」と同じく「ギブリ ディーゼル」にも最新世代の８速ZFオートマチックトランスミッションが搭載されている。
このトランスミッションは、オートアダプティブソフトウェアを使用して走行スタイルと路面状況を認識し、それに応じてギアチェンジモードを適合させる。
また７速と８速のギアは、燃料消費量を低減し、長距離の高速走行でも最高の快適性を持続するよう特別に調整された。
フロントに取り付けられたギアボックスがデュアルセクション連節式ドライブシャフトを介してリアホイールに駆動力を伝達。このドライブシャフトは機械式リミテット・スリップ・デファレンシャルに連結されており、非対称のロック機能によりトラクション時は３５％、リリース時は４５％のロックを可能にしている。
ギアレバーの横にあるボタンを使用して選択できる作動モードには、「オート ノーマル」「オート スポーツ」「マニュアル ノーマル」「マニュアル スポーツ」「I．C．E（Increased Control ＆ Efficiency、制御性＆効率性向上）」の５モードが用意された。
セーフティ
安全装備では、最新世代のエアバッグシステムや、ボディのフロント部に特殊な衝撃吸収構造を採用。
フロントには運転席と助手席のデュアルステージ・エアバッグがステアリングホイールとダッシュボードの内側に格納され、フロントシートに装備されている２つのサイド・エアバッグ（胴体と腰部を保護）と合せて作動することにより、ドライバーや助手席乗員を衝突の衝撃から的確に保護する。
ボディ側面のルーフには、２つのカーテン エアバッグを装備。横方向から衝突を受けた場合でも、乗員の頭部への衝撃を和らげます。さらに、７つ目のエアバッグとして、ドライバーの脚を保護するニー・エアバッグも装備。合わせて７つのエアバッグが装備されている。
フロントシートベルトは、センサーによって衝突の重度を判断し、シートベルトの長さが最適になるようリールの巻き取り量を制御。
クルマが後方から追突された場合は、運転席と助手席の２つのアクティブヘッドレストが自動的に乗員の頭部に接近し、むち打ち損傷のリスクを軽減する電子制御によるプリテンショナーと、最新世代のロードリミッターを装備。
また、後席の両サイドシートには、チャイルドシート装着用のISOFIXチャイルドシートアンカーを装備。大人だけでなく、子供に対する安全も確保された。
これらにより乗員保護機能は大幅に向上し、ユーロNCAPや米国NCAPで最高評価の５つ星の安全評価を獲得している。
「Maserati Ghibli Diesel」諸元
◎寸法及び重量：
全長 ：4,970 mm
全幅 (サイドミラー含まず) ：1,945 mm
全高 ：1,485 mm
ホイールベース ：3,000 mm
フロント トレッド ：1,635 mm
リア トレッド ：1,655 mm
フロント オーバーハング ：925 mm
リア オーバーハング ：1,045 mm
トランク容量 ：500 Ｌ*
燃料タンク容量 ：70 Ｌ*
車両重量 ：2,040 kg
◎タイヤ ：
フロント ：235/50 ZR18
リア ：235/50 ZR18
◎エンジン：
シリンダー数・形式 ：60° V型 6気筒
総排気量 ：2,987 cm³
トランスミッション ：8速 AT
圧縮比 ：16.5:1
最高出力 ：275ps (202kw)
最高出力発生回転数 ：4,000 rpm
最大トルク ：600 Nm
オーバーブーストトルク ：2000 – 2600 Nm
駆動方式 ：RWD
◎パフォーマンス：
最高速度 ：250 km/h※
0 to 100 km/h 加速 ：6.3 s※
燃料消費率 ：
燃料消費 (複合サイクル） ：17.0 km/L※
CO2排出量 ：
CO2排出量 (複合サイクル) ：158g/km※
ステアリング ：右
諸元は標準仕様車による国土交通省申請数値に基づく。※は参考値。
問い合わせ先
マセラティ コールセンター
０１２０－９６５－１２０