兼松、中日本航空
、Eve UAM, LLC
.、日本工営
、Skyports
(Skyports Drone Services)の5社とは6月20日、大阪府の「空飛ぶクルマ都市型ビジネス創造都市推進事業補助金」および大阪市の「空飛ぶクルマ社会実装促進事業補助金」公募で提案・採択されたことを契機に、府域のバーティハブ(整備・駐機拠点)設置の具体的検討に動き出した。
上記のバーティハブとは、「空飛ぶクルマ」の社会実装を支えるための整備・駐機・運航支援を担う次世代型のインフラ拠点を指すもの。
空飛ぶクルマ向けのバーティハブは、空港とは異なり、都市近郊に展開されることから都市間・都市内のスムーズな空輸ネットワーク構築が可能になる。また地上交通の混雑緩和や災害時の迅速な輸送手段としての機能としても期待されている。
先の5社は、今回採択されたバーティハブの設置プロジェクトに際して、早くから昨年度の大阪府補助事業で策定した「バーティハブ構想」を基盤に、課題の深掘りと構想の具体化を図ってきた。
今後は、具体的な施設設置の検討にあたり関係者との意見交換や広報活動を通じて社会受容性の向上とその実現性を推し進めつつ、大阪府域に於ける空飛ぶクルマの安定運航に必要な機能を備えたバーティハブの設置構想の策定と求められる役割、考え得る課題に係る解消を目指すとしている。
プロジェクト概要は以下の通り
バーティハブ整備に必要なモーターやバッテリーの取り扱い要件、整備対象項目の切り分け、整備施設の設計条件といった技術的な前提情報を調査すると共に、候補地である大阪ベイエリアに対する航路案や土地利用の適合性を検討する。
また、事業構想の妥当性や社会受容性の向上を図るため、関係機関や運航事業者へのヒアリング、広報活動(展示会出展、動画制作等)も併せて実施し、国内外に向けた情報発信を強化する。
各社の役割
兼松株式会社
– 全体統括
– バーティハブ構想の具体化及びこれを活用した広報活動
*東京都港区に本社を置く日本の大手総合商社。特に、ICTソリューション、電子・デバイス、食料、鉄鋼・素材・プラント、車両・航空の5つの分野を軸に事業を展開。
中日本航空株式会社
– 航空機整備事業に関わる知見・情報の提供
– バーティハブに対する航路案の策定支援
*名鉄グループ傘下の中日本航空(NNK)は、愛知県西春日井郡豊山町に本社を置く大手の産業航空会社。自社保有の飛行機・ヘリコプターを日本全国で運航。航空事業・調査測量事業を手掛ける。
Eve UAM, LLC.
– 運航・整備に関わる知見・情報の提供 等
*ブラジル航空大手エンブラエル傘下からスタートしたEve UAM, LLC.は、次世代都市航空ソリューションの開発を担う組織。主にeVTOLの開発、航空交通管理システム、グローバルサービスおよびサポートネットワークを提供している。昨年2024年に英開催の航空宇宙分野の国際的な展示会「ファーンボロー・エアショー」で、開発中の電動垂直離着陸機(eVTOL)の実物大プロトタイプの初号機を発表している。
日本工営株式会社
– 施設計画、土地利用の適合性検討 等
*大手建設コンサルタント企業。土木、建築、環境、エネルギーなどの分野で、調査、計画、設計、施工監理、維持管理などのサービスを提供。160以上の国と地域で事業を展開し、社会基盤整備に貢献中。
Skyports株式会社
– 海外におけるバーティポート事業開発に関わる知見・情報の提供
*スカイポーツは2018年設立。貨物配送、調査、監視用のeVTOLのプロバイダー並びにオペレーター。同社は、英国内に於いて新型コロナウイルスのサンプルや検査キットを運ぶためにドローンを使用したことで著名になった。現在は、離着陸インフラ(バーティポート)の開発・運営や、ドローンエアラインサービスを提供を担う次世代空モビリティ企業として活動。