日本自動車輸入組合(JAIA)が2月5日に実施した「第39回 輸入車試乗会」にて、アウディのプレミアムミッドサイズセダン「A4 45 TFSI クワトロスポーツ」に試乗した。
2008年の導入以来、高い人気を誇るA4シリーズ。現行のラインアップには1.4Lと2.0LエンジンのFF車3タイプもあるが、今回試乗したのは独自の4輪駆動システムのクワトロを採用するトップグレードのA4 45 TFSI クワトロスポーツだ。
エンジンには、直噴システムと過給器によりパワーの増大と燃焼効率の向上を実現する独自のTFSIエンジン、直列4気筒DOHC インタークーラー付ターボを搭載。最高出力は185kW (252ps) / 5000〜6000rpm、最大トルクは370N・m (37.7kg-m) / 1600〜4500rpm を発揮する。
加えて、前述の4輪駆動システムであるクワトロを装備。これは、路面状況によって前後輪のトルク配分を可変制御するシステムで、優れたトラクションコントロールとコーナーでの優れた回頭性を実現する。
実際の乗り味は、全域で軽快な走りが印象的だ。ゼロ発進から加速がスムーズで、独自の7速Sトロニック トランスミッションの繋がりもよく、高速域までストレスなくエンジンが吹け上がる感じ。見た目のプレミアム感とはうらはらに、かなりスポーティな走りを披露してくれる。
ハンドリングも軽快そのもので、ステアリング操作に車体がリニアに反応し、思い通りの走行ラインをうまくトレースしてくれる感じだ。サスペンションも適度な硬さで動きがよく、タイトコーナーをクイックに曲がるときもしっかり踏ん張り、車体のロールも少なめ。加えて、ブレーキもコントローラブルで、ペダルを踏んだ量だけ制動力が働き、思い通りのブレーキングを可能としている。
今回は、4.0L V8気筒エンジンで460psを発揮するA8 60 TFSI クワトロにも試乗したが、スポーティな走りという意味ではA4の方がより楽しめるクルマ。ボディサイズの違いもあるが、市街地などで細かい道が多い日本の道路事情には、よりマッチしているといえるだろう。
同モデルには、渋滞路などを約0km/h~65km/h走行時に、先行車に合わせて加速・減速・ステアリング操作をアシストするトラフィックジャムアシストも装備。実際に、市街地の渋滞時に試してみたが、先行車との距離を車両が判断し自動で加減速を行い、信号で先行車両が止まる際も、ブレーキペダルをすぐに踏めるように足はペダルの上に添えてはいたが、ペダルを踏まなくてもA4は自動停止を実施。渋滞が多い日本の道路では、はっきり言ってこの機能は使える。かなり運転の疲労軽減につながるはずだ。
軽快な走行性能と先進の運転支援システムなどで、快適性と乗る楽しさを演出している同モデル。価格(税込)は624万円だ。