北欧の電動・自動運転トラックベンチャーのアインライド( Einride、本社:スウェーデン・ストックホルム、CEO:Roozbeh Charli/ルーズベ・チャーリー )は10月10日( ストックホルム発 )、北欧の大手小包・物流サービスプロバイダー大手PostNord AS(ポストノルド・ノルウェー支社)との事業提携の規模を大きく拡張させる。
より具体的には、かつて2023年にノルウェーで開始された同提携事業は、電動車による輸送距離で年間約130万kmへ拡大するという。その対象事業と営業地域は、オスロ地域および周辺の主要な物流ルートをカバーするものになるとした。
そんな同事業の遂行にあたっては、電動コネクテッド・トラックを含むアインライドが持つインテリジェントインフラと、電動車両に係る関連技術の提供。加えて自律的な貨物輸送を最適化できるデジタルオペレーティングシステムのEinride Saga AIツールが活用される。
この取り組みにアインライドでCEOを務めるルーズベ・チャーリー氏は、「今事業戦略は、双方企業間の長年に於けるパートナーシップ連携に深く根ざしており、その結果は、大幅な環境負荷低減を見据えた可能性の大きさを示しています。
もとより北欧でもノルウェーは電動トラック輸送で常に最先端を走り続けており、そんなリーダー企業と共に更なる社会貢献を推し進めていけることを私達は誇りに思っています。
実際、ポストノルドは、北欧の小包・物流サービスでは名実ともにリーディングプロバイダーであり、同地域の小包輸送量の35%を担っています。
そんな同社は、2023年当初の初期段階で1日あたり1,500キロメートル以上のカーボンフリー走行を実現。それ以降は、延べ3年間で2,100トンのCO2削減を達成しています。
今後は、EVトラックによる輸送距離がより大きく拡大することから、2030年までに化石燃料を使用しないという目標値を視野に、更なるCO2排出量削減が現実のものとなるでしょう」と述べた。
一方でポストノルド・ノルウェー支社で環境・DPO責任者を務めるメイ=クリスティン・S・ウィロック氏は、「かつて当社は、アインライドとの共同事業により、持続可能で費用対効果の高い物流事業を視野に大きな一歩を踏み出すことができました。
以来アインライドからの貢献のお陰で、今やノルウェーに於ける当社の貨物輸送は、その大部分が完全電動化されるに至っています。しかも今拡張策が始動することで、それが更に加速されることになります。
また先の2025年9月、EUが出資するMODIプロジェクトの一環として行われた運送実証に於いて、我々は世界初となるドライバー不在の自律走行車を用いて、人の手を介さない越境輸送を成功させる歴史的なマイルストーンも達成しました。
この際、シームレスな通関手続きも実現させています。こうした成果は、北欧全域で持続可能な貨物ソリューションを大規模化させるという両社の取り組みが、より現地味を帯びてきたことを世界に向けて示すものとなりました」と結んでいる。