1〜2人乗り車両で高齢者の自立的な移動手段の確立を目指す
ヤマハ発動機(本社:静岡県磐田市、代表取締役社長:設楽元文)と国立大学法人 東海国立大学機構 岐阜大学(所在地:岐阜県岐阜市、学長:吉田和弘)は6月25日、浜松市と共同で9月17日まで、同市天竜区水窪地区に於いて低速超小型モビリティ(ミニカー/1~2人乗り程度の小型車両)を用いた移動支援の実証実験を実施する。
同実証実験は、地域活性化と高齢者のQOL(Quality of Life)向上を目指し、安心して利用できる自立的な移動手段の普及を目指すもの。低速超小型モビリティ導入による外出促進効果や、低速車が実装され普及した際の交通円滑性等について検証を行う。
少子高齢化が進み、高齢ドライバーによる事故、免許返納による移動困難者の増加、また公共交通機関のドライバー不足など、人びとの移動や交通に関わる様々な社会課題がクローズアップされている。
実証実験の対象地域である水窪地区は、浜松市北部の中山間地に位置し、特に高齢者の日常移動に課題のある地域のひとつ。
今回の実証実験では、地域住民からモニターを募集し、低速超小型モビリティを1カ月間貸与し、モニターの交通行動観察や使用前後のヒアリング調査等を行う。
実証実験車両には、ヤマハ発動機のアメリカにおける製造拠点YMMC*²製の電動ランドカー「DR2-PTV」(国内未販売/Yamaha Motor Manufacturing Corporation of America)をベースに日本の保安基準に適合させた車両を用いる。定員1人、最高速度は時速20km未満。第一種原動機付自転車に区分されるが、運転には普通自動車免許が必要。
ヤマハ発動機では、地域のラストマイル移動サービスとして2014年からグリーンスローモビリティ(時速20km未満で公道を走る電動車両も包括したサービスの総称)の普及に取り組んでいる。
今回の実証実験では、アメリカの一部地域でコミュニティ内移動に使用されているPTV(パーソナル・トランスポーテーション・ビークル)を用い、地域のニーズに合った高齢者の自立的な移動手段としての社会実装を目指している。
岐阜大学(工学部社会基盤工学科 )では、実証で得られるアンケートデータ、車両挙動データの分析を通じて、社会受容性や交通安全性の検証など、社会実装に向けた貢献を行う。