3社は、未来のオンデマンド型公共交通に対応した無人運転車のフリートシステム開発へ
ルノー・日産アライアンスと、ヨーロッパ最大の公共交通機関を手がけるトランスデブ(Transdev)社は2月27日、無人運転車を活用した公共交通および、利用者の要望に応じて提供される「オンデマンド型・公共交通向けモビリティ」の共同開発で合意した。
これは利用者が無人運転車の乗車予約をしたり、オペレーターによる自動運転車両の監視および、運行管理を可能にする包括的な交通システムの開発となる。
ルノー・日産アライアンスで、コネクテッド・カーおよびモビリティサービスを担当する専務執行役員(SVP)のオギ レドジク氏は、「モビリティサービスが進化を続ける中、我々はお客さまのニーズに合った革新的なソリューションを提供する大きなチャンスを迎えています。
これは、ゼロ・エミッション、ゼロ・フェイタリティ社会の実現を目指す当社のビジョンに沿った取り組みでもあります。
今回の提携により、電気自動車、自動運転車およびコネクテッド技術におけるリーダーであるルノー・日産アライアンスの知見を、世界最大手のモビリティ運行会社の1社であるトランスデブ社と共有することが可能になります。
我々は既存の公共交通システムをより良いものにすべく、先進的な無人モビリティシステムを共同で開発します」と述べた。
これを踏まえ3社は、第一段階として欧州で最も売れている電気自動車であるルノー「ZOE(ゾエ)」を使ったパリ・サクレー地区での実証実験や、トランスデブ社のオンデマンド配車や運行管理、経路選択のためのプラットフォームなどの検証を行う。
またトランスデブ社のチーフ・パフォーマンス・オフィサーであるヤン ルリッシュ氏は、「未来のモビリティはパーソナルなものになるとともに、自動運転化、コネクト化、電動化していくでしょう。
当社は、公共交通およびオンデマンドシェアサービスの世界的リーダーとして、クライアントに最高のソリューションを提案しています。
ルノー・日産アライアンスとのパートナーシップは、当社の革新力を高めるとともに、互いの強みを融合することで、市場投入までの時間を短縮します」と語った。
ルノー・日産アライアンスは、先進のコネクテッド・カー技術およびモビリティサービスの開発を加速すべく、多様な外部企業と様々なパートナーシップを結んでいる。
それは単一グローバルプラットフォーム開発を目的としたマイクロソフト社との提携や、モビリティサービスでの無人運転技術活用の検証を含んだ株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)との実証実験などがあり、これはそうした取り組みの一例である。
ちなみにトランスデブ社は、フランス預金供託金庫の70%出資子会社。出資会社には30%の資本出資を行っているヴェオリア社も含まれている。
そんなトランスデブ社は、公共交通機関のコンサルティング企業としてプロジェクトの準備段階から管理支援、公共交通ネットワークの日常運行まであらゆるサポートを行っている。
19か国に83,000名の従業員を有する同グループは、43,000台の車両と路面電車22路線を運行管理している。2015年の総売上高は66億ユーロとなっている。